新型コロナウイルスの感染が加速しています。1/22(水)の銘柄・フラッシュでもご紹介したように、コロナウイルス自体は人や動物の間で広く感染症を引き起こすウイルスで、実は珍しいものではなく、多くの人は感染しても風邪の症状で終わるようです。しかし、まれに重い症状を引き起こす場合があり、その代表例が重症急性呼吸器症候群(SARS:致死率10%弱)や中東呼吸器症候群(MERS:同34%)などとなっています。今回はそんなコロナウイルスの新しいタイプの感染症であるとみられます。
今回の新型コロナウイルスは中国・湖北省の武漢市で発生し、1/22(水)午前に中国が発表したところでは、感染者が440人で、死者は9人まで拡大し、日本や米国でも感染が確認されていました。しかし、1/27(月)には感染者2,744人、死者80人と急速に拡大しています。中国では1/24(金)から春節の長期休暇に入り、人の移動が内外で活発化するため、感染の加速が心配されるところでしたが、中国政府は団体旅行を禁止する一方、感染源となった武漢市を実質的に「閉鎖」するなど、急速な対応を取っています。
中国政府の措置により、日本でもインバウンド消費の減少等が懸念され、関連銘柄のみならず市場全般にもリスク回避を目的とした売りが広がっています。1/27(月)の東京株式市場では、日経平均株価の売りが大きく先行する形になっています。今後は、感染者数・死者の推移に十分注意で、その増加ペースの減速が確認されれば、市場は落ち着くと思われます。なお、SARSが発生した2002〜03年にかけて、株式市場は下げていますが、当時は代行返上・持合解消の売り等もあり、純粋にSARSの影響だけで下げたわけではないと思います。
株式市場では、インバウンド関連が売られる一方、感染の防御に貢献しそうな銘柄が物色され、中には大きく値上がりする銘柄も出ています。基本的には「SARS」の流行時に注目された銘柄やインフルエンザ関連銘柄と同様の銘柄が注目されているようです。以下にご参考までに関連銘柄(1/22にすでにご紹介)をご紹介します。コメントは投資のポイントになる参考情報で、その銘柄のすべてを表している訳ではありません。また、銘柄によってはすでに大きく値を上げている銘柄もあり、取り扱いにはご注意ください。
・高砂熱学工業(1969)〜医療用簡易隔離フード
・明治ホールディングス(2269)〜うがい薬で有名
・ダイワボウホールディングス(3107)〜感染を防ぐマスク
・アゼアス(3161)〜防護服。感染症防護対策キット
・帝国繊維(3302)〜新型感染症対策製品
・大木ヘルスケアホールディングス(3417)〜ウイルス除去製品
・川本産業(3604)〜医療・衛生材料
・マナック(4364)〜抗菌化スプレー
・日油(4403)〜「万能ワクチン」の開発
・ニイタカ(4465)〜消毒用アルコール。業務用ハンドソープ
・栄研化学(4549)〜「SARS」で検出試薬
・大幸薬品(4574)〜幅広い菌から守る薬品
・ミズホメディー(4595)〜感染症迅速診断システム
・小林製薬(4967)〜殺菌・除菌剤。のどぬ〜るスプレー
・日本アビオニクス(6946)〜体表温で計る発熱者スクリーニング
・興研(7963)〜感染対策のマスク
・重松製作所(7980)〜SARS、MERSなどの対策指定商品
・ユニ・チャーム(8113)〜家庭用マスクでトップシェア
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