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アナリストの視点〜(6)下げ相場には低β(ベータ)、上げ相場には高β銘柄を!!

2020/2/6
投資情報部 長谷川 稔

当レポートは、一般投資家の皆さんにも、アナリストの分析手法の基本知識や考え方、さらにはノウハウを身につけていただく一助になればとの思いで執筆しています。毎回一つのテーマに関して、分析手法やその裏側に隠れている大事な意味などについて解説していきたいと思います。タイミング良く当社の国内株の銘柄スクリーニング(銘柄条件検索)機能が昨年末に大幅にリニューアルされ、バージョンアップしました。このスクリーニング機能を使って、実際にテーマにちなんだ銘柄のスクリーニングも併せて行ってみたいと思います。

第6回のテーマは、「β(ベータ)値」です。「β値」はアナリストというより、機関投資家のファンドマネージャーが考慮しなければならない重要な考え方です。「β値」とは、個別企業の株価が市場全体の動きに対して、どの程度敏感に反応するかを表す数値で、現代のポートフォリオ理論ではよく用いられる言葉です。したがって本稿の趣旨からは少し脱線しますが、アナリストが個別銘柄選択を行う際にも、気にしなければいけない数値です。みなさまの投資のご参考になれば幸いです。

1β(ベータ)値とは?!

株式市場は新型コロナウイルスの感染拡大、それによる景気減速を懸念して世界的に不安定な状態となっています。過去のSARSやMERSの経験からすると、株式相場は感染者数の拡大がピークアウトないしはスローダウンするまで、不安定な状況が続く可能性があるのではないでしょうか。

このような環境下での銘柄選択の一つとしては、β(ベータ)値を用いた投資手法が有効かと思われます。β値とは個別企業の株価が市場全体の動きに対して、どの程度敏感に反応するかを表す数値です。現代のポートフォリオ理論ではよく用いられる言葉でもあります。β値は過去の個別銘柄の株価と市場全体の値動きの相関(概ね2年から3年程度)から求められます。

例をあげれば、A社のβ値が1.5とします。これは、市場全体(TOPIXや日経平均)が10%上昇する場合に、A社の株価は15%上昇し、逆に市場全体が10%下落する時には、A社の株価は15%下落する傾向があるということです。相場連動性が高く、ハイリスク・ハイリターンな銘柄ということになります。

逆にC社のβ値が0.5とします。これはA社とは対照的に、市場全体が10%上昇する場合に、C社の株価は5%上昇し、逆に市場全体が10%下落する時にはC社の株価は5%下落する傾向があるということです。相場連動性がマイルドで、相対的には安心感のある銘柄(ディフェンシブ銘柄)ということが言えそうです。

したがって市場全体が強く、上昇すると判断した場合には、β値の高い銘柄を多くポートフォリオに入れ、全体のβ値を1以上にします。つまり攻撃型のハイリスク・ハイリターン型のポートフォリオにするわけです。逆に市場全体が下落すると判断とした場合には、β値を1以下にコントロールし(銘柄を入れ替え)、ディフェンシブなポートフォリオにするわけです。

このように相場の局面に応じて、β値を意識した銘柄選択を行うことは、極めて重要です。ぜひともご自分で、各銘柄のβ値を実際に調べてみることをおすすめいたします。また、多くの銘柄を保有している投資家の方は、ご自分のポートフォリオのβ値(過重平均)を計算し、その特性を把握しておくことも有用ではないかと思います。

1低β、高β銘柄のスクリーニング

それでは、当社のWEBサイトのスクリーニング(銘柄条件検索)機能を使って実際に、個別銘柄のβ値を調べてみましょう。今回は非常に簡単です。WEBサイトでログイン後、「国内株式 銘柄スクリーニング」に飛びます。ここで「スクリーニングはこちら」をクリックすると、検索画面が現れます。表の右側の「検索結果表示」を「ON」にしたうえで、左下の、「詳細条件」から「+検索条件を追加」をクリックします。「テクニカル」のタブをクリックすると、「ベータ(対日経平均)」や「ベータ(対TOPIX)」などの項目が出てきますが、その中から「ベータ(対日経平均)」をチェックし、スクリーニングしてみます。

基本条件の採用指数で「日経225」、「JPX日経400」を選択すると445件の対象銘柄のβ値が画面に現れます。表中の「ベータ(対日経平均)」をクリックするとβ値が低い順(昇順)に、もう一度クリックすると今度は逆に高い順(降順)に並び替えられます。

こうしてβ値の高い銘柄および低い銘柄のそれぞれベスト10が表1と表2です。β値の最低はすかいらーくホールディングス(3197)の0.26、逆に最高は太陽誘電(6976)の1.76となりました。β値の低いグループ、高いグループの特徴としては以下の点があげられます。

<低β銘柄>・・・ディフェンシブ銘柄

1.電力、ガスなど収益が安定している公益企業が多い
2.すかいらーくホールディングス、日本マクドナルドホールディングス など株主優待の人気銘柄が多い
3. 一般的に景気変動による収益のボラティリティが小さいと思われる企業が多い
4.配当利回りが高い銘柄が多い

<高β銘柄>・・・景気敏感・循環銘柄が多い

1.エレクトロニクス産業の銘柄が多い
2.在庫変動の大きい部品系の銘柄が目立つ
3.景気変動による収益のボラティリティが大きいと思われる企業が多い

表1 β値が低い銘柄

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄名 株価(円)
2月5日
β値
      3197 すかいらーくホールディングス 2,045.0 0.26
      9508 九州電力 921 0.32
      2702 日本マクドナルドホールディングス 5,240 0.32
      2651 ローソン 6,330 0.34
      6178 日本郵政 1,020.5 0.40
      2432 ディー・エヌ・エー 1,769 0.40
      2670 エービーシー・マート 7,120 0.40
      9503 関西電力 1,289 0.42
      9531 東京瓦斯 2,414.5 0.43
      9627 アインホールディングス 6,730 0.45

表2 β値が高い銘柄

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄名 株価(円)
2月5日
β値
      6976 太陽誘電 3,375 1.76
      6432 竹内製作所 1,916 1.74
      2427 アウトソーシング 1,034 1.71
      6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 5,170 1.71
      6723 ルネサスエレクトロニクス 721 1.71
      2146 UTグループ 2,858 1.70
      6506 安川電機 3,890 1.69
      6481 THK 2,840 1.65
      7735 SCREENホールディングス 6,410 1.64
      6268 ナブテスコ 3,140 1.62
  • ※表1、2とも当社WEBサイトの「スクリーニング(銘柄条件検索)」等よりSBI証券が作成。対象は日経平均225またはJPX日経400採用銘柄。

アナリスト今昔物語;PCの普及とアナリスト(1)

筆者がアナリスト稼業を始めたのは1980年代でした。当時は、もちろん個人用のPCなどあるはずもなく、ワードプロセッサー(若い方にはおそらく分からないかもしれませんが、電子式文書作成機です)さえ出現していない時代でした。

したがって、個別企業のレポートはアナリストが手書きで作成し、それを全支店にファックスで送信するというプロセスでした。しかもレポートのフォーマットなどなく、アナリストが各自勝手に自分のスタイルを作っていました。

店頭に配布する週刊や月刊の推奨レポート類などの印刷物は、印刷屋さんが原稿を取りに来て、その版下を印刷屋さんが会社に持ってきて、それをアナリストが校正し、また印刷屋さんが工場に持って帰り、仕上げていました。したがって初稿が出来上がってから、発行するまで4〜5日はかかっていました。

それが大きく変化したのが1990年代からです。PCが普及し、原稿は手書きからキーボード入力に変わりました。印刷屋さんはなくなり、社内にレポートを仕上げるグラフィックの専門職が配置され(まだレポートフォーマット、表やグラフ挿入などが恐ろしく面倒くさく、アナリスト個人の手には負えなかったのです)、社内のコピー機で製本されるようになりました。

おかげで手書きの苦労からは解放されたのですが、当時のPCはディスプレイが液晶ではなく、CRTディスプレイ(ブラウン管)でした。これは奥行きが画面の大きさと同等ぐらいのスペースを必要としました。写真を掲載できないのが残念ですが、当時のオフィスの風景を今見返したら、机上はディスプレイだらけで、異様な感じです。

PCの普及により、ものすごい技術進歩があったわけですが、アナリストとしての生産性がとてつもなく上昇したのは、実は文書作成面ではありませんでした。この点については次回にご紹介いたします。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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