足元のドル高は、1)FRBの利下げ開始時期が遅れるとの見方を背景に日銀による追加利上げ観測が高まらない限り日米金利差が縮小し難いこと 2)日本の構造的問題(資源輸入依存度が極めて高いほか、食料自給率が低く商品市況の上昇は貿易収支の悪化や輸入インフレの上昇を招き、実質賃金が物価上昇に追い付けない状況が続く可能性)などに起因。そのため、円買い介入の効果に懐疑的な見方があることも円安基調の一因になっています。こうした中、今週は米3月小売売上高や4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数などの発表が予定され、市場予想を上回れば米経済の底堅さを背景に米長期金利の高止まりが続く可能性もあります。一方、4/18に日銀の野口審議委員による経済懇談会での発言がハト派継続を示唆するのか、タカ派寄りとなるか注目されます。こうした中、目先の上値メドは心理的節目の155円00銭や1990/6/25の155円85銭近辺。一方、円買い介入があった場合でも3月下旬から4月上旬に揉み合ったレンジ下限近くの151円近辺までの調整に留まると予想されます。
先週のECB理事会を受けて6月の利下げ観測が一段と進むか、4/16のドイツ4月ZEW景況感期待指数のほか、IMFによる各国の経済見通しを受けた欧米景況感格差に加え、4/15や4/17のレーン、シュナーベル両ECB専務理事をはじめ複数のECB幹部による利下げ時期に対する発言が注目されます。そのほか、中東情勢を巡る地政学リスクを背景にユーロ売りが一段と進む可能性からユーロドルは日足・雲の下限(1.0862ドル)を回復し、三役逆転からの脱却は難しいと思われ、むしろ1.0600ドル割れへの警戒が必要です。また、ユーロ円も対ドルでの上値の重さとともに4/9の165円17銭、さらには3/20の165円35銭を回復出来るか目先の上値メドとして注目されます。一方、日足・基準線(162円78銭)が上値抵抗線として意識されることになれば、日足・雲の上限(161円68銭)まで下落する可能性に注意が必要です。そのため、対ドルの動向や本邦通貨当局による円買い介入の行方、さらには4/18の野口日銀審議委員の発言への反応が注目されます。