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ここが変わった東証ETF!〜「マーケットメイク」制度導入で、流動性はどのように変化したのか?〜
2018/7/2(月)より、東京証券取引所はETF市場におけるマーケットメイク制度を導入しました。ETFはコストメリットのある商品ですが、これまで流動性のある銘柄は一部に限られておりました。この制度は、「マーケットメイクにより流動性を高めることで、投資家がより売買をしやすくし、もっと活用してもらえるようにしたい!」という東証の想いから設計されたものです。新制度が始まり、流動性がどのように改善したのか紹介いたします。
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ETF(上場投資信託)とは?
ETFとは、Exchange Traded Fundの略称で、取引所に上場している金融商品で、一般的な投資信託と違い、取引所での売買が可能です。普段、テレビや新聞で目にする日経平均株価やTOPIXなど、指数の動きに連動するように運用されています。そのため、価格がわかりやすく投資判断がしやすいため、これから投資をはじめたい方にも適した商品であるといえます。
マーケットメイク制度のポイント
マーケットメイク制度とは、「マーケットメイカー」と呼ばれる専門の業者が、ETFの買注文と売注文を常に出し続けることで取引の流動性を提供するものです。投資家が売買をしやすくなるよう、東証がマーケットメイカーにインセンティブを支払って流動性をつけてもらいます。もちろん、インセンティブの見返りとして、マーケットメイカーはETFの発注銘柄数や発注数量、スプレッドの幅といった義務を負うことになります。また、運用会社は、気配提示義務とインセンティブを独自に設定し、マーケットメイカーを呼込むことを可能にするスポンサード・マーケットメイク制度もあわせて実施されるので、 より多くの銘柄にマーケットメイカーが参入することが期待されます。ETF市場に流動性がつくことによって、投資家の皆さまが投資対象として、長期の資産形成にETFをより活用しやすくなります。
新制度が始まり、板状況はどのように変化したか?
マーケットメイクの対象となっているのは2019/1/4(金)時点で109銘柄。以下の図は、これまで流動性が少なかったETFを例に、マーケットメイク制度導入前・後の板状況を比較して、その効果を検証した結果です。業種別ETFの「NEXT FUNDS自動車(TOPIX-17)上場投信(1622)」は、マーケットメイカー制度導入前の5/17と導入後の12/10の9時付近における板状況の比較です。これを見ると、制度開始後、板状況が格段に厚くなっていることがよく分かります。このことはつまり、証券取引所で売買する際に生じる市場の流動性コスト、言い換えると「売気配と買気配の差(スプレッド)」と「取引可能な注文数量(デプス)」が大きく改善しており、投資家にとってはETFを活用しやすくなっていることを意味します。
制度開始後に売買代金が増加した銘柄
一日平均売買代金(立会内)増加率TOP15[2018年12月と11月の比較]
順位 |
コード |
銘柄 |
12月 一日平均売買代金 |
増加率(11月比) |
---|---|---|---|---|
1 |
1624 |
2,037 |
2771.60% |
|
2 |
1628 |
225 |
2539.40% |
|
3 |
1586 |
1,528 |
1547.40% |
|
4 |
1480 |
560 |
1456.70% |
|
5 |
1473 |
123,392 |
1433.80% |
|
6 |
1630 |
139 |
1090.10% |
|
7 |
1483 |
349 |
1063.70% |
|
8 |
1597 |
120,903 |
777.60% |
|
9 |
2513 |
3,776 |
545.00% |
|
10 |
1498 |
2,369 |
532.20% |
|
11 |
1632 |
1,092 |
365.80% |
|
12 |
1399 |
11,835 |
349.90% |
|
13 |
1660 |
7,838 |
314.60% |
|
14 |
2514 |
329 |
226.30% |
|
15 |
1482 |
11,443 |
166.60% |
単位:千円
※マーケットメイク対象銘柄のうち、スプレッド等の改善がみられた銘柄を対象にランキング
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