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インドと金−インドの国民性と今後の展望について
提供:SBIゴールド
金は世界各地でその価値を認められてきました。最近では、その中でも経済力をつけてきたアジア新興国の存在感が大きくなりつつあります。アジアの中で金に関心の高い代表的な国家は中国とインドと考えます。
この両国の金市場の規模は経済成長と共に飛躍的に増大してきました。今回はインドの金投資と金市場の特徴をみていきましょう。
生活様式に根付く金
インドは、推定12〜13億人と中国の次に人口が多く、国土も広い国家です。
英国の植民地政策の一環で地域統合されたものの、この地域はムガール帝国以前より、古来多種多様な文化と言語が発達してきました。その中でも現インド北部にあるインダス川は、世界4大文明の発祥地でもあります。そのインダス文明の住民たちは金や銀を、精製・加工して生活する中で利用したと言われ、またその後の歴史にも金にまつわる話が多く存在することから、昔から金に関心の高い地域であることをうかがい知ることができます。
独立後も、金はインド人の生活の中に深く根付いています。一例としてインドでは一般的に家庭に女の子が生まれると、親は金の収集を始めるそうです。将来、娘が結婚する際に持参する財の蓄積方法の一つとして考えられているからです。
それ以外にもインド各地のヒンドゥー教祭では、金の加工品などが多く使われてきました。またインドの女性たちは金の装飾具を好み、ネックレスや指輪を多く身につけることで自分の美を強調するそうです。このように、インド人にとって金は、現代においても単なる投資商品ではなく生活様式の一部分であることが分かります。
金への国家需要増大
近年インドの経済成長が注目を浴びています。中国と同じく経済成長によって生活に余裕が出てきた人々は、金の投資を増やしていきましたが、インドは中国とは違って金需要増加に応えられる国富や財政力を持っていません。インドにおける金の年間輸入量は2015年で約900トンであり、毎年約1,000トンの金を輸入してきたインドにおいて、金は石油製品と共に貿易赤字の大きな要因となりました。
そのためインド政府は2014年に一時的に金の輸入量を制限するなど複数の規制策を行ったこともあります。今後も高額紙幣の切り替えなどに代表される国家規制の可能性は金にも影響が及ぶかもしれませんが、将来のインドの経済成長率は中国に匹敵する勢いであり、金の輸入量は今後伸びる可能性が高いと思われます。
金需要を決める独特の要因
金の価格が国際情勢やドル相場の影響を受けることは当然ですが、インド国内で金の価格を変動させる独特の要因の一つは「雨」です。インドでは農家の金保有割合が高く、農家の需要が減れば金の国際価格が下落するという言葉もあるほどです。
農家は収穫量が増えれば資金に余裕がでるために金を買おうとする意欲が高まります。しかし平年より降雨量が少なければ農家の収穫量にも打撃が生じ、結果的には金への需要が減り、価格も下落しかねないという事です。
実際に2015年は、インド当局が発表した予想降雨量よりもはるかに少ない降雨量で農作物の収穫量が減り、金の需要が減りました。インドにおける金の価格は農家など特定集団の財政状況によって大きく変動することが分かります。
インドにおける今後の金の位置づけ
上述のように、インドでは、雨のような「気候」も金の輸入量や価格に影響を与えてきました。このような要因は予測することが困難であるため、価格変動の予想も難しい部分があります。一方ではこのような条件の下、インドで、金は長く愛され続けており、金への信頼が根強いものであることが分かります。実際にここ数年で政府の規制や税金引き上げが行われると、インドに密輸入される金の量が5倍になったとも言われています。人々の金への愛情は簡単には冷めないことを反映しているのでしょう。
このように、金を単なる投資商品やリスクヘッジ商品として認識する地域が増えていく中で、中国やインドのように、まだアジアでは金について生涯を共にする実物資産として認識している地域が残っているようです。
個人的には中国よりもインドの方が金への愛情が高いと思います。両国で購入された商品種類別の需要の変化をみると、最近の中国では金地金が圧倒的に多くなっていますが、インドは金地金と装飾品がバランスよく成長しているからです。インドでは今後の経済成長に伴い金への需要は一層高まると予想されます。
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