金・プラチナ > 金・プラチナ取引とは(金・プラチナの特徴) > 金・プラチナについてもっと知ろう!「金・プラチナの豆知識」 > 医療分野における金の需要
医療分野における金の需要
提供:SBIゴールド
金は投資商品や資産として保有する以外にも、産業実需として使用・研究されているため、その動向が金価格に影響を与える場合があります。今回はその中でも、【医療分野】における、金の需要と今後の展開について考えていきたいと思います。
金が使われている代表的な産業としては医療分野が挙げられます。その中でも歯科業界です。2016年におけるテクノロジー関連の金需要は約323トンでしたが、なかでも歯科関連の需要が約18トンと約6%を占めています。その他の医療分野からの金需要と合算すると、もう少し大きい規模感になると思います。
分野別の金需要(2016年)
- データ:WGC
- グラフ作成:SBIゴールド
金は人体と長く接触していてもアレルギー反応がほぼないとされているため、歯科素材として多く使われています。クラウン、ブリッジなどよく耳にするものから、技工補助用品、デンチャーなどでも金は重要な材料になっています。
しかしながら近年では、歯科業界における金需要は減少傾向にあります。下図をみると2010年の45.5トンから2016年の18トンまで約6割も減少していることが分かります。その理由としては、セラミックなどによる金に代わる代替材料の登場があげられます。
歯科業界における金需要
- データ:WGC
- グラフ作成:SBIゴールド
しかし、金を医療分野で活用するための研究は続きます。人体への影響が小さいことから、金は内服治療剤としても活用されており、WGCのレポートによると、関節リウマチの治療に金をベースとした治療剤が多く使われています。また、がんの治療においても金は注目されており、抗がん剤を金のナノ粒子を利用してダイレクトにがん細胞まで注入する研究がなされています。
また、マラリア診断などのために世界中で使用されている「感染症迅速検査キット(RDTs)」においても金が必要であり、診断キットのなかにマラリアへの抗体を検出するための金が入っています。また、インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial college London)でも、HIV/AIDSの早期発見のための研究において金を使用しています。
このように、金を利用した医療研究は活発に行われており、今後の研究成果によっては金の需要が大きく伸びる可能性があります。高齢化が進むにつれ、医療サービスの需要も増加すると予想されているなかで、医療分野の金需要に注目していきたいところです。
- 参考文献
- ・WGC 「New uses for gold」
- http://www.gold.org/about-gold/gold-demand/sectors-of-demand/uses-of-gold
- ・WGC 金の需要と供給データ
- https://www.gold.org/data/gold-supply-and-demand
金・プラチナについてもっと知ろう!
当コラムに関してご留意頂きたい事項
- 当コラムは投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。
- 当資料に示す意見等は、特に断りのない限り当資料作成日現在のSBIゴールド(株)の見解です。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
- 本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
ご注意事項
- 買付時の手数料は、売買代金の2.16%(税込)、売却時の手数料は無料です。
- 本取引は金・プラチナの価格変動により、投資元本を割り込むことがあります。
- 本取引は、政治・経済情勢の変化および各国政府の貴金属地金取引への規制等による影響を受けるリスクがあります。
また、かかるリスクが顕在化した場合、当社の提供するサービスの全部、または一部が変更、停止されるリスクがあります。 - 本取引は為替相場の変動により損失を被ることがあります。
- 本取引は、システム機器、通信機器等の故障等、不測の事態による取引の制限が生じるリスクがあります。
- 本取引は売値(Bid:お客様が売ることの出来る値段)と買値(Ask:お客様の買うことのできる値段)の差(スプレッド)があります。
- スプレッドは固定されるものではなく、需給バランスや、政治・経済情勢の変化にともない、当社の任意で変更いたします。