皆さん、こんにちは。
仏大統領選の第1回投票で、中道・独立系のマクロン前経済相が首位になったことや、朝鮮人民軍創建85周年を迎えた北朝鮮が核実験を実施しなかったことで、政治的・地政学的リスクが一時後退しました。
ムニューシン米財務長官とコーン米国家経済会議委員長がトランプ政権の税制改革案を発表しました。法人税率を35%から15%へ引き下げ、米企業が海外に投資した資金を本国に還流する際の税率を1回限り引き下げることなどが盛り込まれました。法人税の「国境税」は見送られました。
税制改革案は事前に報道された内容とほぼ変わらず、財源や導入時期などの詳細を明らかにしなかったために、一部の市場関係者の間では期待外れと受け止められたようです。
日銀は26日、27日の両日に金融政策決定会合を開催しました。金融政策では、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導する現在の金融緩和の維持を7対2の賛成多数で決定しました。
最新の経済予測である経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、好調な生産や輸出を踏まえ、従来の「景気は緩やかな回復基調を続けている」から「景気は緩やかな拡大に転じつつある」に引き上げ景気判断を上方修正しました。「拡大」の表現は2008年3月以来9年ぶりとなります。
米商務省は1月〜3月の実質GDP速報値を発表しました。季節調整済み年率換算で前期比0.7%増と前期の2.1%から急減速しました。個人消費が振るわずにマイナス成長となった14年1〜3月期以来3年ぶりの低成長となりました。また、市場予想も下回りました。
ただ、個人消費支出(PCE)指数は2.4%上昇、コア指数が2.0%上昇といずれも前期から加速しました。米連邦準備制度理事会(FRB)による年内残り2回の利上げを支持する内容と判断され、米長期金利は上昇しました。
米主要企業の1〜3月期決算が佳境を迎えています。グーグルの持株会社アルファベットは過去最高益を更新しました。インターネット通販最大手のアマゾン・ドット・コムも大幅な増収増益を達成しました。
ティラーソン米国務長官は国連安保理の閣僚級会合で「北朝鮮による東京やソウルへの核攻撃は現実の脅威だ」と言及し、後退していた地政学的リスクが再び意識されてきています。また、北朝鮮は弾道ミサイル1発を発射するも、4月5日、16日と同様に失敗に終わりました。
トランプ米政権は原子力空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島近海に派遣するなどして北朝鮮への圧迫を強めています。米国の企業決算は好調を維持しています。強弱材料が入り乱れたマーケット展開となっていますので、慎重に対応していきましょう。
週間の概況
◆注目イベント
5月3日(水)(日本) 東京休場(憲法記念日)
5月3日(水)(独国)4月雇用統計
5月3日(水)(英国)4月建設業PMI
5月3日(水)(ユーロ圏)3月生産者物価指数
5月3日(水)(ユーロ圏)1-3月期GDP・速報値
5月3日(水)(米国)4月ADP全国雇用者数
5月3日(水)(米国)4月ISM非製造業景況指数
5月3日(水)(米国)FOMC政策金利発表
5月4日(木)(日本) 東京休場(みどりの日)
5月4日(木)(英国)4月サービス業PMI
5月4日(木)(英国)3月消費者信用残高
5月4日(木)(ユーロ圏)3月小売売上高
5月4日(木)(米国)4月チャレンジャー人員削減予定数
5月4日(木)(米国)1-3月期非農業部門労働生産性・速報値
5月4日(木)(米国)3月貿易収支
5月4日(木)(米国)1-3月期単位労働コスト・速報値
5月4日(木)(米国)新規失業保険申請件数
5月4日(木)(米国)3月製造業受注指数
5月5日(金)(日本)東京休場(こどもの日)
5月5日(金)(豪国)準備銀行(RBA)四半期金融政策報告
5月5日(金)(米国)4月雇用統計
5月5日(金)(加国)4月雇用統計
5月5日(金)(米国)3月消費者信用残高
5月7日(日)(仏国)大統領選第2回目投票日・決選投票
5月8日(月)(中国)4月貿易収支
5月8日(月)(独国)3月製造業受注
5月9日(火)(独国)3月鉱工業生産
5月9日(火)(独国)3月貿易収支
5月9日(火)(独国)3月経常収支
5月9日(火)(加国)3月建設許可件数
5月9日(火)(米国)3月卸売売上高
※今週は、5月3日のFOMC政策金利の発表に注目で、現状維持が予想されています。米国の雇用関連の指標を確認して5月5日の米雇用統計に注目しましょう。5月7日のフランス大統領選も注目です。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ6
ステージ6は上昇相場の入り口です。短期移動平均線が帯を上抜けています。
◆今後を読み取る鍵
ステージ6の上昇相場の入り口からステージ1の上昇期へ移行するかどうかは中期移動平均線と長期移動平均線の関係で決まります。
・上昇トレンドに移行する場合は中期移動平均線が長期移動平均線を上抜けていきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値19,671円 安値18,202円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は上昇期となります。短期移動平均線が帯を上抜けています。
◆今後を読み取る鍵
短期移動平均線と帯の関係を見ていきましょう。
・帯の間隔が広がり傾きが出てくればトレンドに勢いが出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値21,193ドル 安値20,392ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
トレードエッジがプラスであれば、基本的には、そのやり方を繰り返す限り資産は増えていきます。しかし、勝率が90%だとしても、10%は負けています。勝てる確率が高い手法であっても、破産につながるような資金管理やリスク管理では良い結果は残せません。資産を増やすためのトレードをしている以上、破産しない方法を確立しましょう。
トレードを手掛けるトレーダーにとって「破産の確率」は必要不可欠な知識となります。
トレードにおける破産とは、一般的なイメージの会社の倒産や個人の自己破産とかではなく、再投資出来ない状態に陥ることを言います。例えば、1,000万円の投資資金でトレードをしていて90%以上のドローダウン(口座の資産の損失)を受けると、回復はこの上なく難しくなります。そういう状態をここでは破産と呼びます。
これは、あくまでも投資用資金に限っての話ですから、投資用資金を一般の生活費ときちんと分けているトレーダーは、トレードで破産しても、通常の生活には直接的な影響はないはずです。
例えば、ジョーカーを除いたトランプを裏返し、引いたカードがスペードなら負けで、それ以外なら勝ちというゲームを行うとします。この時、スペードを引く確率は25%、引かない確率は75%ですので、勝率は75%となります。このゲームでは勝つと掛け金が倍になり、負けると没収されるとします。1万円を賭けて勝つと2万円になって返ってくるというゲームです。
果たして、このゲームは有利な賭けでしょうか、それとも不利な賭けでしょうか。
所持金1,000万円のギャンブラーがこの賭けに挑戦します。1回の掛け金は1,000万円です。1回で破産する確率を考えます。
スペードを引く確率は4分の1ですので、1回のゲームで破産する確率は25%です。これは非常にリスキーな賭けです。
では、少し条件を変えてみましょう。
所持金1,000万円のギャンブラーが挑戦する1回の掛け金は1万円です。
このギャンブラーの破産の確率は0%となり、このゲームをすればするほど儲かることになります。つまり、このゲームはこの上なく有利な賭けとなります。
このように、掛け金が違うことによって破産の確率が25%になったり、0%の確率になったりします。つまり、所持金に対する掛け金の割合の違いが明暗をわけるのです。
これは、投資の世界でも同じことです。どれほど有利なルールを作っても、リスクの取り方を間違えると、あっという間に破産の憂き目にあいます。
上記の掛け金の違いは極端な例ではありますが、日々のトレードにおいて、「ここは絶対に勝てる」と無謀な掛け金で勝負していませんか。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。