皆さん、こんにちは。
7月のシカゴ地区の景況指数(シカゴPMI、季節調整済み)は58.9と、前月の65.7から低下し市場予想をも下回りました。
トランプ大統領は10日前にホワイトハウス広報部長に起用したばかりのスカラムッチ氏の更迭を決めた事で、米政権に対する先行き不透明感が広がりました。
米商務省は6月の個人消費支出(PCE)物価指数を発表し、前年同月比で1.4%上昇するも伸びが4ヵ月連続で鈍化しました。米サプライ管理協会(ISM)は7月の米製造業景況指数を発表し、56.3と前月の57.8から低下し市場予想の56.5も下回りました。6月の米建設支出は前月比1.3%減と市場予想の0.4%増に反してマイナスとなりました。これらのさえない経済指標を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げペースが緩やかになるとの観測が強まりました。
米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した7月の全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数が前月比17万8,000人増となり米雇用の堅調さを裏付ける内容となりました。
欧州中央銀行(ECB)が金融引き締めに動くとの観測がユーロの上昇を後押ししドルが売られる展開となっています。
注目を集めていた米アップルの2017年4〜6月期決算は、売上高が前年同月比7.2%増、純利益が11.8%増となり、2四半期連続で増収増益を確保し、米主要企業の決算も概ね好調を維持しており市場関係者の間では安心感が広がりNYダウの最高値更新につながっているようです。
米労働省が発表した最新週の新規失業保険申請件数は24万件と市場予想を下回る好結果となりました。商務省が発表した6月の製造業受注も前月比3.0%増と先月を上回りました。米サプライ管理協会(ISM)が発表した7月の非製造業景況指数は53.9と前月から低下し、市場予想も下回る結果となりました。
英イングランド銀行は金融政策決定会合で、政策金利の据え置きを決定し、利上げを唱えた委員会が前回の3人から2人に減ったことなどから、ポンド売りが加速したことで円が買われ、対ドルでも円が買われる展開となりました。
ロシア政府による米大統領選介入疑惑を捜査しているモラー特別検察官が大陪審の陪審員を選出したと報じられ、米政府の混乱懸念が株売り材料となりました。
米労働省は7月の雇用統計を発表しました。注目された非農業部門就業者数は前月比20万9,000人増加となり、好調の目安とされる20万人増を2ヵ月連続で上回りました。また、失業率が4.3%と0.1%改善しました。インフレ指標の一つである賃金も伸びたことから、労働市場の堅調さが裏付けられ市場には安心感が広がり、ドル買い円売りの流れとなりました。
コーン米国家経済会議(NEC)委員長はテレビインタビューで、トランプ政権の最優先課題である税制改革の実現に向けて、初秋に改革案をまとめる意向を表明しました。
米国の雇用状態は堅調であるとこが明らかになりました。NYダウはいよいよ8営業日連続で史上最高値を更新してきました。日経225は保ち合いの様相を見せていますが、変化が出てくるのかどうかに市場関係者の目線が向かっているようです。
週間の概況
◆注目イベント
8月9日(水)(10:30)(中国)7月消費者物価指数
8月9日(水)(10:30)(中国)7月生産者物価指数
8月9日(水)(21:30)(米国)4-6月期非農業部門労働生産性・速報値
8月9日(水)(21:30)(米国)4-6月期単位労働コスト・速報値
8月9日(水)(23:00)(米国)6月卸売売上高
8月10日(木)(06:00)(NZ)RBNZオフィシャル・キャッシュレート
8月10日(木)(17:30)(英国)6月鉱工業生産、6月製造業生産
8月10日(木)(17:30)(英国)6月貿易収支
8月10日(木)(21:30)(米国)新規失業保険申請件数
8月10日(木)(21:30)(米国)7月生産者物価指数
8月11日(金)(21:30)(米国)7月消費者物価指数
8月14 日(月)(08:50)(日本)4-6月期GDP・1次速報値
8月14 日(月)(08:50)(日本)4-6月期GDPデフレーター・1次速報値
8月14 日(月)(11:00)(中国)7月小売売上高、7月鉱工業生産
8月14 日(月)(18:00)(ユーロ圏)6月鉱工業生産
8月15日(火)(10:30)(豪国)RBA議事録
8月15日(火)(15:00)(独国)4-6月期独GDP・速報値
8月15日(火)(17:30)(英国)7月消費者物価指数
8月15日(火)(21:30)(米国)8月NY連銀製造業景況指数
8月15日(火)(21:30)(米国)7月小売売上高
8月15日(火)(21:30)(米国)8月NAHB住宅市場指数
※今週は8月14日の日本のGDPが注目となります。ドイツのGDPも注目しましょう。新規失業保険申請件数の結果も確認しましょう。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ2
ステージ2は上昇相場の終焉です。短期移動平均線が帯の中で推移しています。
◆今後を読み取る鍵
ステージ2は上昇相場の終焉です。短期移動平均線と帯の関係を見ていきましょう。
・上昇トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値20,330円 安値19,288円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は安定上昇期です。帯の間隔が広がり傾きが更に出てきており、トレンドに勢いがあるのが分かります。
◆今後を読み取る鍵
ステージ1の安定上昇期です。短期移動平均線と帯の関係を見ていきましょう。
・帯に傾きが出て間隔が広がってくれば上昇トレンドの勢いが更に出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値22,149ドル 安値21,199ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
今週はATRの算出方法を勉強していきましょう。
TR(トゥルーレンジ)は「平均的値動き」を計算するためのステップで、「1日の最大の値動き」であるとVトレーダー養成講座では定義しました。
それを踏まえて平均的値動きを算出するためにATR(Average True Range=TRの平均値)という考え方を紹介していきます。
まずは、20営業日分(約1ヵ月)のATRを算出してみましょう。ここで算出するATRはTRの20日平均ということになります。そうして求めた値を、ある銘柄の現時点における1日当たりの平均的値動きであると約束するのです。
日本においてATRは余り普及していないかもしれません。しかし、海外ではトレーダーにとっての必需品であることから、外国製のチャートシステムには高い確率でATRがデフォルトで組み込まれています。
ここでは、下記の3通りの方法を紹介します。
①単純平均(SMA)
②修正移動平均(MMA)
③指数平滑移動平均(EMA)
この時に重要なのは数学的な精緻さではなく、アバウトでもよいので現在の値動きの傾向をつかむことです。それにはATRの値が徐々に大きくなっているのか、それとも小さくなっているのかを分析する能力が求められます。
ではまず、①の単純平均(SMA)を見てみましょう。(SMA)とは「Simple Moving Average」の略です。単純平均はTRを過去20営業日さかのぼって、それぞれ割り出したのちにすべてを合計し、TRの個数すなわち20で割って求めます。その名の通り単純な計算ですが、実際に単純平均を用いて描画している有名なチャートもあります。
次に、②修正移動平均(MMA)を見てみましょう。(MMA)とは「Modify the Moving Average」の略です。単純平均に対してワイルダーは修正移動平均を計算しました。修正移動平均も指数平滑移動平均線も根本的な考え方は同じで、当日のTRと前日のTR,さらにいえば10日前、20日前のTRの値には“重みの違い”があると考えます。ワイルダーが用いた修正移動平均線の計算式は次のようなものです。
当日のATR=(前日のATR×19+当日のTR)÷20
タートルズも初期はこの計算式を用いていましたが、その後、指数平滑移動平均線を使うように変化してきました。
来週は、その指数平滑移動平均線を見ていきましょう。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。