皆さん、こんにちは。
トランプ大統領が10日、トルコに対する鉄鋼、アルミニウムの輸入制限措置について追加関税を2倍に引き上げる方針をツイッターで表明したことをきっかけに、トルコリラが急落し、トルコの通貨、経済危機に対する不安が世界的に広がり、特に新興国経済に大きな影響を与えました。しかし、トルコ中央銀行は13日、預金準備率の引き下げによる流動性供給策に乗り出し、アルバイラク財務相も市場の懸念緩和に向けた行動計画を策定したと発表したことで、投資家心理は幾分和らぎました。ところが、トルコのエルドアン大統領は、米政府の関税引き上げ措置を「戦略的パートナーを裏切ろうとしている」と批判し、徹底抗戦する構えを示しました。また、14日の演説では国民に米国製品の不買運動を呼び掛けて対決姿勢を一段と強めており、エルドアン氏の強硬な態度表明を受けて、市場ではトルコの政治、経済の混乱に対する懸念が再燃しました。また、15日には、米国による鉄鋼、アルミニウムの輸入制限措置に対する報復措置として、乗用車やアルコール飲料など一部の米国製品に追加関税を課したと発表しました。一方で、米政府はトルコで拘束された米国人牧師を早期に釈放しなければ一段の経済措置も辞さないと警告、両国の関係がさらに冷え込めば、トルコの通貨安が再燃し、他の新興国にも混乱が波及するのではないかとの懸念がくすぶり、為替市場をはじめ株式市場にも動揺が走りました。
これらの懸念材料を打ち消すかのように、中国商務省は16日、中国代表団が今月下旬、貿易協議のため米国を訪問すると発表しました。米中の貿易戦争の激化が回避される方向で協議が進展するとの期待感が広がり、マーケットにも安心感が広がりました。しかも、米紙によると、トランプ大統領と習近平中国国家主席が貿易摩擦解消に向けて11月に会談する可能性があると報道しており、トルコショックによる他の新興国リスクが重石となってきてはいますが、8月22日、23日に予定されている米中貿易協議が再開されれば、貿易戦争が収束に向かい米中関係が改善されるとの期待が高まってきています。今週は米中貿易協議の予定のほか、24日にはジャクソンホールの経済金融シンポジウムで米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演が予定されています。市場関係者の間では、新興国リスクの懸念から利上げペースの変更を示唆する発言が出るかどうかに注目が集まっているようです。
トルコショックをきっかけとした新興国の経済、通貨不安と、米中関係の改善期待という強弱材料が交錯している状態ですので、今後もボラ(変動率)が高くなることが予想されます。17日にはトルコの裁判所が、拘束中の米国人牧師の釈放を求める訴えを退けており、この判断にトランプ大統領は牧師拘束を甘受しないと強く批判しており、これを受けて再びトルコリラが急落しています。株式市場においても価格の乱高下が予想されますので、移動平均線大循環分析において、各銘柄のステージを確りと見てエッジのあるところを狙っていきましょう。
開設はこちら(無料)
ほぼ即時口座開設が可能
(メンテナンス時間除く)
取引サイトへ
取引時間AM8:30〜翌AM6:00(夏時間AM5:00)日本の祝日も取引可能!
取引口座へ入金(振替)
平日14:30までの振替指示なら
翌営業日の取引開始前に完了!
週間の概況
◆注目イベント
8月22日(水)20:00(米国)MBA住宅ローン申請指数
8月22日(水)21:30(加国)6月小売売上高
8月22日(水)23:00(米国)7月中古住宅販売件数
8月23日(木)03:00(米国)米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
8月23日(木)16:00(仏国)8月製造業購買担当者景気指数
8月23日(木)16:00(仏国)8月サービス部門購買担当者景気指数
8月23日(木)16:30(独国)8月製造業購買担当者景気指数
8月23日(木)16:30(独国)8月サービス部門購買担当者景気指数
8月23日(木)17:00(ユーロ圏)8月製造業購買担当者景気指数
8月23日(木)17:00(ユーロ圏)8月サービス部門購買担当者景気指数
8月23日(木)21:30(米国)新規失業保険申請件数
8月23日(木)22:00(米国)6月住宅価格指数
8月23日(木)22:45(米国)8月製造業購買担当者景気指数
8月23日(木)22:45(米国)8月サービス部門購買担当者景気指数
8月23日(木)22:45(米国)8月総合購買担当者景気指数
8月23日(木)23:00(米国)7月新築住宅販売件数
8月23日(木)23:00(ユーロ圏)8月消費者信頼感
8月24日(金)08:30(日本)7月全国消費者物価指数
8月24日(金)15:00(独国)4-6月期GDP、改定値
8月24日(金)21:30(米国)7月耐久財受注
8月27日(月)英国休場
8月27日(月)17:00(独国)8月IFO企業景況感指数
8月28日(火)15:45(仏国)8月消費者信頼感指数
8月28日(火)17:00(ユーロ圏)7月マネーサプライM3
8月28日(火)22:00(米国)6月ケース・シラー米住宅価格指数
8月28日(火)23:00(米国)8月リッチモンド連銀製造業指数
8月28日(火)23:00(米国)8月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
※今週は米国のFOMC議事要旨やドイツのGDPの結果に注目しましょう。新規失業保険申請件数の結果も確認しましょう。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
第4ステージ
第4ステージは下降期です。中期移動平均線が長期移動平均線を下抜けてきました。
◆今後を読み取る鍵
短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・下降トレンドに勢いが出る場合は、帯に傾きが出て間隔が広がってきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値23,112円 安値21,677円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
第1ステージ
第1ステージは上昇期です。帯に傾きが出て間隔が広がってきています。
◆今後を読み取る鍵
短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに勢いが出る場合は、更に帯に傾きが出て間隔が広がってきます。
・下降トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を下抜けてきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値25,895ドル 安値24,029ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
今週はチャートを見ながら具体的に見ていきましょう。
下記のチャートはドイツのDAX®です。下降トレンドが上昇トレンドに転換しています。
「①」の囲みの部分に注目してください。ここでは、本来ならば20日ハイで買いエントリーのシグナルが出るはずです。
しかし、それ以前の下落トレンドの最中(「②」の囲み部分)に売りエントリーをしており、そのトレードで利益が出たために20日ハイの買いシグナルは見送りとなりました。
ところが、その後、上昇トレンドは継続し、55日ハイに到達したため、この時点でエントリールール2の発動によって、買いエントリーとなります。
DAX 日足
タートルズのエントリールールは実にシンプルです。実際に現在でも使えるルールではありますが、「サインの出現が遅い」という欠点があります。
トレンドが出て、しばらくしてからサインが出ますので、大きなトレンドが出るのであればしっかりと利益を確保できますが、そのときのケースによっては小さなトレンドで終わる可能性もあります。要するにエントリーはしたものの、すぐに天井を付けてしまうパターンです。
エントリールールに関しては、現在、タートルズが定めたものよりも優れたものがありますので、必ずしも、「20日高値&安値」「55日高値&安値」の日数はこだわらなくてもよいのですが、「エッジのある取引」という理論を身につけていなければ本物にはなりませんので、そこは理解しておきましょう。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。