サッカーＷ杯は、日本代表の大健闘で盛り上がってきました。初戦のコロンビア戦での日本の勝利は、今大会の中でも最大のジャイアントキリング（大番狂わせ）といわれているようです。Ｗ杯で、アジアのチームが南米のチームに勝ったのは初めてのことだそうです（ちなみにこれまでの対戦成績は、17試合の対戦で3分け14敗）。28日の日本時間23：00からのポーランド戦が楽しみです。予選リーグの勝ち抜きが決まれば、決勝トーナメントの日程は7/2（月）あるいは7/3（火）のいずれも27：00から、対戦相手はイングランドかベルギーです。うれしい睡眠不足が続くと良いですね。

先週は2018年に入ってから新興市場に上場した銘柄を検証し、今後の出世株候補を探ってみましたが、今週はボーナスシーズンにちなんで、初心者の方でも手がけやすいと思われる、最低投資単位10万円以下でも株式投資ができる銘柄をスクリーニングでピックアップしてみました。

ひとつの投資アイディアとして、御参考にしていただければと思います。

図1：東証マザーズ指数（日足）

図2：JASDAQ平均（日足）

• ※図1・図2ともに当社チャートツールを用いてSBI証券が作成

• ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

• ※表1・表2はBloombergデータをもとにSBI証券が作成。騰落率は6/26（火）終値と6/19（火）終値の比較による

それではさっそくスクリーニングにより、銘柄を抽出してみたいと思います。今回の条件は、下記の5項目です。

（1）東証マザーズあるいは東証JASDAQの上場銘柄であること
（2）最低投資単位での売買金額（諸コストを除く）が10万円以下であること
（3）自己資本利益率＝ROE（前期実績）が15％以上あること
（4）今期会社予想で配当を実施予定であること
（5）今期の会社側経常利益予想が15％以上の増益であること
（6）時価総額が100億円以上であること

上記の全条件を満たす5銘柄を株価の低い順に並べたものが表3となります。

表3の銘柄のすべてが最低投資単位は100株単位からとなっています。このため、「最低投資単位での売買代金（諸コストを除く）」は、株価に100をかけた金額となります。したがってレカム（3323）であれば、30,400円（諸コストを除く）から投資することができます。

最低投資単位での売買金額が低いということは、これらの銘柄の複数に投資しても、少ない投資金額で済むことを意味しています。ちなみに、表3の5銘柄をすべて100株ずつ投資した場合の合計金額は325,200円（6/26の終値ベース、諸コストを除く）です。
「分散投資をする」ことは、「ポートフォリオを組む」ことと言い換えられます。個別銘柄のリスク（業績、信用不安、不祥事などの悪材料）を軽減させ、適切なリターンを追及する手法として、機関投資家が一般的に採用しています。

また、スクリーニングの条件に高い資本効率（ROE）と成長性（売上成長率および増益率）を有していることを加えています。個々の銘柄として、投資する上での「一定の魅力」を備えていることに加え、低コストでリスクを分散することが可能となるのが表3の銘柄であると、「新興株ウィークリー」では考えています。

表3：10万円以下で買える好業績・高ROEの新興市場銘柄はコレ!?

取引	チャート	ポート フォリオ	コード	銘柄名	株価（円） （6/26）	ROE（％）	経常増益率（％）	自己資本比率（％）
		追加	3323	レカム	304	20.8	159.7	51.8
		追加	6192	ハイアス・アンド・カンパニー	501	26.2	33.5	40.3
		追加	8927	明豊エンタープライズ	620	61.0	329.1	35.7
		追加	2458	夢テクノロジー	912	15.8	272.8	66.6
		追加	3904	カヤック	915	21.4	19.4	54.5

• ※当社スクリーニングシステムをもとにSBI証券が作成。ROEは前期実績の自己資本と今期予想純利益から計算。自己資本比率は前期実績。経常増益率は今期の会社予想。

ここでは、表3の銘柄について、投資ポイントを御紹介します。

レカム（3323）は、おもに中小企業向けにIP電話、デジタル複合機、インターネットセキュリティ商品、LED照明などの情報機器販売を中心とする会社です。この他に業務受託（BPO）を日本で受注し、オフショア（中国やミャンマーなど）で運営しています。M&Aにより取り込んだLED照明販売の寄与、BPOの拡大、海外法人（ベトナム）の好調により、業績が拡大しています。

ハイアス・アンド･カンパニー（6192）は、戸建て住宅に特化したコンサルタント会社です。地場の工務店、不動産会社を会員とし、同社ブランドの住宅の設計、資材の一括購入、経営改善の支援などを行っています。売上高はこれら会員からの会費やロイヤリティー収入です。米国のZillow社（時価総額1兆2,900億円）をモデルケースとしている模様です。自社ブランドの高級住宅の受注好調が業績を牽引しています。

明豊エンタープライズ（8927）は、賃貸アパートの開発・分譲を中心とする会社です。子会社で不動産の仲介や、分譲物件の管理なども行っています。都内23区で駅から徒歩10分圏内のみに物件開発を絞り込んでいる上、物件のデザイン性の高さが同社の特徴です。かつて過剰債務問題を抱えましたが再生ADRを完了し、18年7月期から復配を実施する予定です。

夢テクノロジー（2458）は、建設現場への技術者派遣で成長中の夢真ＨＤ（2362）の子会社で、同社は電機、自動車業界向けの技術者派遣を主体としています。技術者の人材不足が追い風となる中、同業他社のM&A、女性や外国人技術者を含め積極的な採用戦略が奏功し、業績を伸長させています。

カヤック（3904）は、自ら「面白法人カヤック」と名乗るユニークな会社です。ネット広告などの受託制作とソーシャルゲームが主体の会社です。広告媒体の変化を背景にネット広告には追い風が吹いており売上、利益の堅調な拡大が続いています。新事業としてeスポーツ（プロゲーマーのマネジメントやゲーム大会のプロデュースなど）ビジネスに乗り出し、市場開拓を進めています。

今後の新規上場予定、決算発表予定は？

表4：当面の新規上場予定銘柄

上場日	コード	社名	市場	会社概要
6/29	7030	（株）スプリックス	東証1部	個別指導学習塾の運営を中心とする教育サービス事業
7/2	4392	ＦＩＧ（株）	東証1部	モバイルクリエイト（3669）と石井工作研究所（6314）が設立した完全親会社
7/4	4391	ロジザード(株）	マザーズ	在庫管理システムのクラウドサービスによる提供
7/5	1446	（株）キャンディル	マザーズ	住宅や商業施設などの内装・補修作業、住宅の維持管理サービス
7/10	7806	(株）MTG	マザーズ	美容機器、健康機器、化粧品などの企画開発および製造販売
7/23	7033	(株）マネジメントソリューションズ	マザーズ	マネジメントコンサルティング、プロジェクトマネジメントの実行支援
7/24	4393	(株)バンク・オブ・イノベーション	マザーズ	スマートフォンゲームアプリの開発・運営
7/25	3491	（株）GA technologies	マザーズ	中古不動産流通プラットフォーム『リノシー』の開発・運営
7/26	4394	（株）エクスモーション	マザーズ	システムおよびソフトウェアに対するテクニカルコンサルティング
7/26	4395	（株）アクリート	マザーズ	個人認証、マーケティング、コミュニケーションなどを目的とした個人向けSMS配信サービス事業
7/27	7034	（株）プロレド・パートナーズ	マザーズ	成果報酬型の経営コンサルティングの提供

表5：主な新興株の決算発表予定日

発表予定日	コード	社名	市場	決算種別
6/27	2484	夢の街創造委員会	JASDAQ-S	1月期1Q決算
6/27	7624	ＮａＩＴＯ	JASDAQ-S	2月期1Q決算
6/28	3083	シーズメン	JASDAQ-S	2月期1Q決算
6/28	9976	セキチュー	JASDAQ-S	2月期1Q決算
6/28	3075	銚子丸	JASDAQ-S	5月期本決算
6/29	3089	テクノアルファ	JASDAQ-S	11月期2Q決算
6/29	2228	シベール	JASDAQ-S	8月期3Q決算
6/29	2178	トライステージ	マザーズ	2月期1Q決算
6/29	2186	ソーバル	JASDAQ-S	2月期1Q決算
6/29	2761	トシン・グループ	JASDAQ-S	5月期本決算
6/29	3353	メディカル一光	JASDAQ-S	2月期1Q決算
7/2	2164	地域新聞社	JASDAQ-S	8月期3Q決算
7/2	3035	ケイティケイ	JASDAQ-S	8月期3Q決算
7/3	2300	きょくとう	JASDAQ-S	2月期1Q決算
7/3	6734	ニューテック	JASDAQ-S	2月期1Q決算
7/3	2747	北雄ラッキー	JASDAQ-S	2月期1Q決算
7/3	6469	放電精密加工研究所	JASDAQ-S	2月期1Q決算
7/4	1997	暁飯島工業	JASDAQ-S	8月期3Q決算
7/4	7465	マックスバリュ北海道	JASDAQ-S	2月期1Q決算
7/4	9876	コックス	JASDAQ-S	2月期1Q決算
7/4	3171	マックスバリュ九州	JASDAQ-S	2月期1Q決算
7/4	2653	イオン九州	JASDAQ-S	2月期1Q決算

• ※表4、表5は各種資料、報道等をもとにSBI証券が作成

• ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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