お盆の休みが終わり、都心は電車が混みだし、道路も渋滞が多くなってきました。甲子園の高校野球の決勝も終わり、朝の通勤路で聞かれるセミの声もだんだん小さくなってきたような印象です。そろそろ秋の気配を感じる時期になってきました。

前回の「新興株ウィークリー」では、3月決算銘柄の第1四半期決算銘柄から好業績が目立ったものを取り上げましたが、今回は12月決算銘柄の第2四半期決算（4〜6月）で好調が目立ったものをピックアップし、今後の上方修正が期待できそうな銘柄を探してみることにしました。

日本の新興株市場は大型株に比べて4月以降パフォーマンスで劣位しており、東証マザーズ指数は8/13（月）に1,000ポイント割れまで下落しました。ただし、決算発表で好業績を発表した企業の株価は堅調です。皆さまの投資アイディアのご参考になればと思います。

図1：東証マザーズ指数（日足）

図2：JASDAQ平均（日足）

• ※図1・図2ともに当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

• ※表1・表2はBloombergデータをもとにSBI証券が作成。騰落率は8/14（火）終値と8/21（火）終値の比較による。時価総額は7月末基準。

それでは早速スクリーニングにより、銘柄を抽出してみたいと思います。今回の条件は下記の7項目です。

（1）東証マザーズおよびJASDAQの上場銘柄であること
（2）12月決算銘柄であること
（3）会社側の年度予想（18年12月期）の営業利益が増益であること
（4）17年12月期実績および18年12月期の会社予想の営業利益が黒字であること
（5）第2四半期決算（1〜6月期）の営業利益が前年同期比で増益で、会社側の年度予想の営業増益率を上回っていること
（6）会社予想の年度営業利益に対する第2四半期までの利益の進捗率が60％（標準は50％）を上回っていること
（7）過去1ヵ月の株価が15％以上上昇していないこと

上記の全条件を満たす全ての銘柄を（6）の進捗率が高い順に並べたのが表3の9銘柄となります。

上記条件の（5）と（6）により、第2四半期決算までの決算が好調で、会社予想の営業利益について上方修正が期待できそうな銘柄が抽出されることを狙っています。また、（7）の条件を入れることで、今回の2Q決算での好業績が大きく株価に織り込まれた銘柄が除外されるようにしています。

表3の9銘柄の中から、今後第3四半期決算の発表がある10月上旬前後に上方修正を行う企業も出てくる可能性があるのではないでしょうか。

表3：新興株市場の「好決算銘柄（12月決算）」のベストナインはコレ!?

取引	チャート	ポート フォリオ	コード	銘柄名	株価 （8/21） （円）	第2四半期（1−6月期）営業増益率 （前年同期比）	会社予想の年度 営業増益率	第2四半期時点の年度 予想に対する進捗率	過去1ヵ月の 株価騰落率
		追加	3386	コスモ・バイオ	1,178	13.0%	1.0%	119.5%	14.4%
		追加	8946	ASIAN　STAR	199	106.2%	33.2%	101.4%	-12.7%
		追加	6400	不二精機	375	177.5%	8.0%	87.4%	-6.5%
		追加	3623	ビリングシステム	6,510	144.4%	11.6%	77.1%	8.3%
		追加	2700	木徳神糧	3,600	88.8%	15.5%	70.4%	-3.9%
		追加	8885	ラ・アトレ	766	188.4%	22.0%	69.6%	6.8%
		追加	6063	日本エマージェンシーアシスタンス	1,177	2517.1%	83.6%	62.6%	13.6%
		追加	2702	日本マクドナルドホールディングス	4,830	41.6%	15.3%	61.2%	-7.6%
		追加	5997	協立エアテック	853	73.7%	3.2%	61.1%	-4.7%

• ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。株価騰落率は7/20（金）と8/21（火）の比較。

それでは、表3の銘柄群の中から何銘柄か簡単にポイントをご紹介したいと思います。

コスモ・バイオ（3386）は、バイオの専門商社です。ライフサイエンスに関する研究用試薬、機器、臨床検査薬の販売を行っています。自社での研究開発にも注力しており自社製品も販売しています。既に2Q決算で年度予想利益を上回る決算となっています。

不二精機（6400）は、精密金型と精密加工品のメーカーです。日本はもちろん中国、東南アジアに工場を持っていおり、グローバルサポート体制も整っています。高い技術力を武器に自動車、電子機器、食品など幅広い分野での納品実績を持っています。

ビリングシステム（3623）は、2008年に上場したインターネット決済サービスの収納代行会社です。リアルタイムでの入金確認サービスが特徴です。中国で普及している微信（日本のLINEに相当）の決済分野にも注力しています。電子決済の普及本格化で注目されます。

木徳神糧（2700）は、明治時代に米穀問屋として創業された歴史のある会社です。米穀卸売り分野ではトップクラスの規模を持っています。米以外にも飼料や鶏卵、食品なども手がけています。アジアを中心に海外での販路開拓にも注力しています。米穀市況の好調で業績は今期の業績は好調です。

日本エマージェンシーアシスタンス（6063）は、社名のとおり日本人の海外渡航者に対し、困った時に解決のアシスタントをしてくれる会社です。主な内容としては病院や医療通訳の手配などですが、レストランの予約や買い物支援などのコンシェルジュサービスも提供しています。中国に拠点を設け中国人のインバウンド需要取り込みにも注力しています。

日本マクドナルドホールディングス（2702）は、日本最大のハンバーガーチェーンです。限定商品の投入や顧客参加型販促活動、「夜マック」など新サービスの開始などで、客数、客単価とも増勢基調です。既存店売上高の前年同月比は1〜3月期が9.3％増、4〜6月期も9.0%増と好調です。個人投資家にとっては、株主優待でも人気が高い銘柄です。

• ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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