いよいよ3月期決算銘柄の第2四半期決算発表が開始するシーズンがやってきました。発表のピークは11/9（金）で、現在のところ527社の発表が予定されています。ただし、その前の10/31（水）にもひと山があって387社の発表が予定されています。

足元ではやや調整局面にあるものの、9月末に日経平均株価が「バブル時代以降の高値」まで戻り、長らく続いてきたボックス相場から上放れの様相を呈してきました。長らく低迷していた新興株市場にもリバウンドの兆しが出てきました。これまで企業業績とは関係無しに新興市場だからと売られてきた印象の強い新興株ですが、これからは個別企業の業績に注目が高まる可能性が出てきたように思います。

今週は、決算発表時期にあわせて、「上方修正」が期待される銘柄を探してみました。これまでの四半期決算が好調で、今後業績予想の上方修正が期待できそうな銘柄をスクリーニングにより抽出してみました。今回はその第2回目として、JASDAQ市場の12月決算および9月決算銘柄を分析対象にしています。皆様の銘柄選択のご参考にしていただければ幸いです。

図1：東証マザーズ指数（日足）

図2：JASDAQ平均（日足）

• ※図1・図2ともに当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

• ※表1・表2はBloombergデータをもとにSBI証券が作成。騰落率は10/2（火）終値と10/9（火）終値の比較による。時価総額は9月末基準。

それでは早速スクリーニングにより、「上方修正」が期待される銘柄を抽出してみたいと思います。今回の条件は下記の5項目です。

（1）東証JASDAQの上場銘柄であること
（2）9月決算または12月決算の銘柄であること
（3）四半期累計の営業利益が前年同期ともども黒字で、通期会社予想営業利益も黒字であること
（4）四半期累計の営業増益率が通期会社予想営業増益率を上回っていること
（5）原則として直近四半期までの営業利益の年度予想利益に対する進捗率が標準（9月決算なら75％、12月決算なら50%）を上回っていること

決算期を月別にみると、上場銘柄の多くが3月決算銘柄です。3月決算銘柄の分析および銘柄の抽出については、次回以降にご紹介したいと考えております。
ただ、9月決算銘柄にとって、今度発表される決算は「本決算」で、12月決算銘柄にとっては第3四半期となります。ともに、その年度の中で通過した四半期の数が3月決算銘柄に比べて多く、通期の利益を予想するに際してのヒントが多いという特徴があります。その意味で、9月決算銘柄と12月決算銘柄の分析を、3月決算銘柄と分けて行うことに意味があると考えられます。

なお、6月決算銘柄については、今度発表される決算は第1四半期であり、通過した四半期の業績をヒントとすることができないため、今回は分析対象外としました。

上記の条件を満たす全ての銘柄を（5）の進捗率の高い順番に並べたのが表3の11銘柄となります。

それでは、表3の11銘柄のうち主だった銘柄について事業内容、特徴、注目点などをご紹介いたします。

コスモバイオ（3386）は、2005年9月にJASADAQ市場に上場しています。バイオの専門商社です。ライフサイエンスに関する研究用試薬、機器、臨床検査薬の販売を行っています。研究開発にも注力しており自社製品も販売しています。すでに第2四半期までで年度予想の営業利益を上回る業績となっています。

共同ピーアール（2436）は、2005年3月にJASDAQ市場に上場しています。企業などが行うパブリシティ活動（広報・PR）の支援およびコンサルティングを行っている企業です。第2四半期決算では新規契約の好調に加え、あらたに海外クライアントの獲得などが奏功し好調な決算となり、年間予想営業利益の76％を達成しています。

木徳神糧（2700）は、2001年7月にJASDAQA市場に上場しています。明治時代に米穀問屋として創業された歴史のある会社です。米穀卸売り分野ではトップクラスの規模を持っています。米以外にも飼料や鶏卵、食品なども手がけています。アジアを中心に海外での販路開拓にも注力しています。米穀市況の好調で業績は好調です。第2四半期までに年間予想営業利益の70％を達成しています。

日本マクドナルドホールディングス（2702）は、2001年7月にJASDAQ市場に上場しています。日本最大のハンバーガーチェーンです。限定商品の投入や顧客参加型販促活動、「夜マック」など新サービスの開始などで、客数、客単価とも増勢基調です。既存店売上高の前年同月比は1〜3月期が9.6％増、4〜6月期が8.9%増、7〜9月期が4.7％増と好調です。個人投資家にとっては、株主優待でも人気が高い銘柄です。

ナカニシ（7716）は、2000年7月にJASDAQ市場に上場しています。歯科治療に使用される医療機器で世界のトップクラスのメーカーで、国内はもとより欧米でも高いシェアを有しています。自動車や電子部品など工業関連の精密加工事業も成長しています。国内の歯科向け治療器具の好調で、第2四半期までに年間予想営業利益の59％を達成しています。

ミズホメディー（4595）は、2015年12月にJASDAQA市場に上場しています。主に医家向けの感染症やホルモンなどの体外診断用医薬品の開発製造販売会社です。OTC（薬局・薬店）向け検査薬の開発製造も行っています。主な製品としては医家向けが、インフルエンザウィルスが主力で他には、アデノウィルス、ノロウィルス、B型肝炎、便潜血用などの検査薬があります。OTC向けは妊娠検査薬、排卵日検査薬などを自社ブランドおよび武田薬品ブランドで販売しています。第2四半期決算では、インフルエンザ向け検査薬の好調により通期予想を上方修正していますが、依然保守的と思われます。中長期的には、簡易型の遺伝子検査装置（呼吸器や消化器の感染症、食中毒の発見、診断）が注目されます。

表3：「上方修正」が期待できるJASDAQ銘柄はコレ!?

取引	チャート	ポート フォリオ	コード	銘柄名	株価 （10/9） （円）	四半期 営業増益率 （％）	通期会社予想 営業増益率 （％）	進捗率 （％）
12月決算銘柄
		追加	3386	コスモ・バイオ	1,060	13.1%	1.0%	119%
		追加	2436	共同ピーアール	1,580	184.6%	13.4%	76%
		追加	2700	木徳神糧	3,915	88.8%	15.5%	70%
		追加	9441	ベルパーク	4,430	34.7%	-4.8%	63%
		追加	6149	小田原エンジニアリング	2,405	1071.5%	-21.9%	63%
		追加	7531	清和中央ホールディングス	4,550	-10.4%	-15.7%	62%
		追加	2702	日本マクドナルドホールディングス	5,020	41.6%	15.3%	61%
		追加	7716	ナカニシ	2,400	34.0%	1.0%	59%
		追加	6164	太陽工機	3,415	90.9%	55.2%	54%
		追加	4595	ミズホメディー	2,889	93.0%	30.9%	52%
9月決算銘柄
		追加	2498	ACKグループ	2,238	81.1%	32.5%	77%

• ※各種資料および会社公表データをもとにSBI証券が作成。四半期営業増益率は、9月決算銘柄の場合は第3四半期累計、12月決算銘柄の場合は第2四半期累計の対前年同期比。 なお、表3の銘柄やそれに関するコメントは10/9（火）現在の財務データや情報等を用いて作成しております。その後、会社予想の修正や業績観測記事の報道等がある場合も想定されますのでご注意ください。

• ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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