今年も残すところあと数日となりました。冬休みで学生さんたちがいなくなったのか、電車がだいぶ空いてきました。日経平均株価は、12/25(火)のクリスマスに2万円の大台をあっさりと割り込んでしまい波乱の年末相場となっています。
さて2019年はどういう年になるのでしょうか。一般的に新年の相場では、その年に話題となる「相場テーマ」の銘柄が注目されやすいと考えられます。12/21(金)の「日本株投資戦略」では、2019年相場で注目されるとみられる「相場テーマ」の中から「人生100年時代」をチョイスし、それに関連した銘柄をご紹介していますが、リレー企画として、「新興株ウィークリー」でも関連銘柄をピックアップしてみたいと思います。
日経平均株価が2万円を切る水準まで下落したことで、短期的にはバリュエーションがボトム圏に接近している可能性もありそうです。現在の株価下落局面は、「人生100年」関連銘柄にとっても買い好機になるかもしれません。
図1:東証マザーズ指数(日足)
図2:JASDAQ平均(日足)
- ※図1・図2ともに当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
表1:主要株式指標の騰落率(12/18〜12/25)
指数 |
終値(12/25) |
騰落率 |
---|---|---|
日経平均株価 |
19,155.74 |
-9.3% |
東証マザーズ指数 |
757.02 |
-13.6% |
JASDAQ平均株価 |
3,035.67 |
-9.9% |
表2:主要新興市場銘柄の騰落率(12/18〜12/25)
コード |
銘柄 |
終値(12/25) |
騰落率 |
---|---|---|---|
マザーズ市場の時価総額上位銘柄 |
|
||
4592 |
サンバイオ |
7,720 |
-10.3% |
4385 |
メルカリ |
1,720 |
-18.6% |
7806 |
MTG |
5,180 |
-13.5% |
2121 |
ミクシィ |
2,148 |
-9.6% |
3479 |
ティーケーピー |
3,655 |
-4.7% |
JASDAQ市場の時価総額上位銘柄 |
|
||
2702 |
日本マクドナルドホールディングス |
4,475 |
-9.5% |
6324 |
ハーモニック・ドライブ・システムズ |
2,786 |
-13.2% |
7564 |
ワークマン |
6,970 |
-7.7% |
2782 |
セリア |
3,515 |
-11.9% |
6425 |
ユニバーサルエンターテインメント |
2,850 |
-11.9% |
直近上場銘柄・市場で話題の銘柄 |
|
||
3967 |
エルテス |
2,087 |
-14.5% |
4593 |
ヘリオス |
1,479 |
-7.1% |
6572 |
RPAホールディングス |
2,916 |
-12.8% |
4384 |
ラクスル |
2,300 |
-9.6% |
6544 |
ジャパンエレベーターサービスホールディングス |
1,533 |
-9.0% |
- ※表1・表2はBloombergデータをもとにSBI証券が作成。騰落率は12/11(火)終値と12/18(火)終値の比較による。時価総額は11月末基準。
東証マザーズ指数の12/25(火)の終値は757.02と前週から13.6%の大幅続落となり、10/30(火)の年初来安値821.32を下回りました。米国株式市場でNYダウが12/21(金)に414.23ドル安、12/24(月)に653.17ドル安となり、そうした流れを受けて、東京株式市場でもリスク回避の動きが本格化しています。ナスダック総合指数の年初来高値(8/29)に対する下落率は23.6%に達し、テクニカル上は「弱気相場」に突入した形です。米中覇権争いが続く中、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ停止が遅れることへの懸念や、政府機関の一部停止などが影響していると考えられます。
同じ期間の日経平均株価の下落率は9.3%で、東証マザーズ指数は連続でそれを上回る下げ幅となりました。これまで日経平均株価を上回る上昇を見せてきた反動が出たうえ、流動性の問題から、日経平均株価に比べ株価の変動幅が大きい特徴も表れていると思われます。
12/18(火)〜12/25(火)の主な個別銘柄の値動きでは、英国での事業からの撤退を発表したメルカリ(4385)やMTG(7806)などの下げが目立ちました。ティーケーピー(3479)も下落しましたが下落率は相対的に小幅にとどまりました。JASDAQ市場は9.9%の下落と日経平均並みの下げとなりました。個別銘柄ではハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)の下げが目立ちました。
※東証マザーズ指数について:東証マザーズ市場は近い将来東証1部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場です。マザーズ指数は、マザーズ市場に上場する全銘柄の時価総額加重平均型の指数です。ただし、一部の時価総額の大きい銘柄の影響度が大きい点に注意を要します。ちなみに11月末のマザーズ市場の時価総額に占める、サンバイオのシェアは9.6%、メルカリが6.8%、ミクシィが5.0%などとなっています。
「人生100年時代」という言葉を急に数多く聞くようになったと思います。本年2月に、政府が推進すべき基本的かつ総合的な高齢社会対策の指針として「高齢社会対策大綱」が閣議決定され、「人生100年」への対応が「国策」になったことが大きく影響していると考えられます。100年というとオーバーに聞こえるかもしれませんが、この対策のベースにあるのは、ある海外の研究※を基にすれば、「日本では、2007 年に生まれた子供の半数が 107 歳より長く生きる」と推計されており、我が国は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えているのです。
※Human Morality Database,U.C.Berkely(USA) and Max Planck Institute for Demographic Research(Germany)
また、過去200年、世界では人間の寿命が10年ごとに2年ずつ伸びているのだそうです。「高齢化」というと年金制度への影響等から、ネガティブな見方もありますが、多くの人が健やかで生産的に生きていくことに変えることで、前向きなものにすることができそうです。老化はもうすぐ「治療できる病気」になるのだそうです。
「新興株ウィークリー」では、先週12/21(金)の「日本株投資戦略」に引き続き、当社の銘柄検索ツールを使い、「高齢化」、「資格取得」、「終活」、「フィットネス」、「介護」、「生活習慣病」、「アンチエイジング」等のキーワードを入力し、「人生100年」関連銘柄をピックアップしてみました。
(1)東証マザーズ、JASDAQ、地方単独上場銘柄であること
(2)今期の予想営業利益が増益予想(会社予想)であること
といった条件をすべて満たす銘柄を、今期予想増益率の高い順に並べたものが表3となります。これらの「人生100年」銘柄が2019年相場の主役の一つになる可能性は十分あると考えられます。
以下は、業績変化率の上位や業態がユニークで「人生100年時代」との関連度が高いと「新興株ウィークリー」が考える数銘柄について簡単に事業内容、ポイントをご紹介したいと思います。
総医研ホールディングス(2385)は2003年12月にマザーズ市場に上場しました。大阪大学医学部発のバイオベンチャーとして発足した会社でバイオマーカー技術がベースとなっています。現在はこの技術を応用した健康補助食品(坑疲労食品や飲料)の直販と化粧品事業が中心となっています。化粧品のヒットで業績は好調です。中国向け越境EC、直販店設置などでさらなる成長を志向しています。
システム ディ(3804)は、2006年4月にJASDAQ市場に上場しました。特定業種に特化したソフトの開発販売会社です。大学と健康クラブの管理ソフトが中心となっていますが、近年は自治体の会計や公教育などの分野などにエリア拡大が奏功し、業績が拡大しています。
ケアネット(2150)は、2007年4月にマザーズ市場に上場しました。医師・医療従事者向けの情報サイトを通じて製薬企業の営業支援を主たる事業としています。今年9月にサンバイオ(4592)との資本業務提携を発表、サンバイオの開発した再生細胞薬の使用および普及事業に協力することが注目されます。
ファンデリー(3137)は2015年6月にマザーズ市場に上場しました。生活習慣病患者やその予備軍等向けに健康食の宅配事業を行っています。会員数は22万人を突破しています。自社工場の建設に向け土地を取得したことが注目されます。また、健康食品メーカーのマーケティング支援活動が拡大しており、収益押し上げの要因となっています。
ハーバー研究所(4925)は2003年6月にJASDAQ市場に上場しました。自然派化粧品の開発・製造・販売が主な事業です。北海道に自社工場を有しています。スキンケアのスクワランオイル(60mlの小売価格約5,000円)が有名。百貨店での販売(52店舗)や直営店舗25店を所有していますが、販売の主力は通信販売です。訪日客増加のメリットも享受しています。
表3:「人生100年時代」関連有力銘柄はコレ!?
取引 | チャート | ポート フォリオ |
コード | 銘柄名 | 株価(円) 12月25日 |
騰落率 (10/2〜) |
経常利益 増益率 (今期) |
キーワード |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
追加 | 7578 | ニチリョク | 714 | -46.9% | 709.9% | 終活 | ||
追加 | 2385 | 総医研ホールディングス | 386 | -40.4% | 84.3% | 生活習慣病 | ||
追加 | 4355 | ロングライフホールディング | 281 | -50.4% | 42.1% | 介護 | ||
追加 | 2653 | イオン九州 | 1,995 | -4.8% | 14.4% | 資格取得 | ||
追加 | 3804 | システム ディ | 507 | -27.4% | 13.0% | フィットネス | ||
追加 | 2150 | ケアネット | 691 | -32.8% | 10.3% | 生活習慣病 | ||
追加 | 3137 | ファンデリー | 855 | -39.7% | 8.6% | 生活習慣病 | ||
追加 | 4925 | ハーバー研究所 | 6,230 | -35.2% | 5.0% | アンチエイジング | ||
追加 | 2438 | アスカネット | 1,170 | -18.4% | 2.2% | 高齢化 | ||
追加 | 6198 | キャリア | 610 | -69.3% | 0.3% | 高齢化 | ||
追加 | 2144 | やまねメディカル | 313 | -50.4% | 黒字転換 | 介護 |
- ※Bloombergデータ、弊社検索ツールなどをもとにSBI証券が作成。株価騰落率の騰落率を10/2としたのは、日経平均株価が年初来高値を付けた日であり、株式市場全般的な転機ととらえられるため。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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