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マーケット > レポート > 出世株を探せ!新興株ウィークリー >  上方修正が期待できそうな銘柄をピックアップ!!

上方修正が期待できそうな銘柄をピックアップ!!

2020/1/15
投資情報部 長谷川 稔

もうすぐ大寒を迎えますが、結構温暖な日々が続いています。出勤時に寒いと思ったことがあまり無い今シーズンです。全国のスキー場の三分の一程度がまだオープンできていないとの数字もあります。暖冬で季節商品の売れ行きにも影響しそうです。

お正月気分が抜けた今週は、企業やIR会社からの決算説明会の案内メールが大量に届いています。そろそろ決算シーズンの幕開けです。2019年10〜12月期の決算発表は、1/24(金)あたりから本格化する予定です。

そこで今週は、決算発表に先立って、業績好調で業績見通しの上方修正が期待できそうな会社にスポットを当ててみることにしました。皆様の投資のご参考になれば幸いです。

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1上方修正が期待できそうな銘柄をピックアップ!!

それでは具体的に業績見通しの上方修正が期待できそうな会社をピックアップしてみます。今回のスクリーニングの条件は以下の5点です。

(1)マザーズまたはJASDAQ市場の上場銘柄で時価総額が50億円以上であること
(2)過去3期の平均売上高が15%以上成長しているもの
(3)今期の会社予想経常利益が10%以上の増益であること
(4)前期実績のROEが10%以上であること
(5)直前四半期までの累計経常利益が会社側の年度予想に対し標準以上の進捗であること
(1Qなら25%以上、2Qなら50%以上など)

(2)の条件を付けたのは、成長性の条件を加味したいのと、抽出銘柄がかなりの数になったのを絞り込むためです。なお、9月決算銘柄は、次の四半期決算発表の対象が第1四半期であり、業績修正のタイミングとしては早過ぎる面があるため、除きました。

これらの条件を満たす銘柄を、コード番号順に掲載したものが下の表1となります。

表1 上方修正が期待できそうな銘柄はコチラ!?

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄名 株価(円)
1月14日
今期会社予想
経常増益率
(%)
直近四半期の
経常利益進捗
(四半期、進捗)
2477 2477 2477 2477 手間いらず 6,820 31.7 1Q、25.6%
3150 3150 3150 3150 グリムス 2,540 12.8 2Q、63.7%
3990 3990 3990 3990 UUUM 4,545 11.3 2Q、55.4%
4431 4431 4431 4431 スマレジ 3,270 57.2 2Q、82.1%
4449 4449 4449 4449 ギフティ 1,807 86.6 3Q、79.5%
6556 6556 6556 6556 ウェルビー 1,824 21.5 2Q、53.0%
6577 6577 6577 6577 ベストワンドットコム 5,090 22.3 1Q、39.4%
7564 7564 7564 7564 ワークマン 9,970 10.5 2Q、57.4%
  • ※当社WEBサイトのスクリーニング機能、会社公表資料等をもとにSBI証券が作成。

2抽出銘柄のポイント

それでは表1で抽出された銘柄群のうち数銘柄について、チャートとポイントを簡単にご紹介したいと思います。

グリムス(3150);2009年にJASDAQに上場しています。電力の自由化を背景に、中小企業等への電力料金の削減プランの提示や電子ブレーカーの販売を主な業務内容としています。一般消費者向けに住宅用の太陽光発電システムの販売も行っています。今期は電力コスト削減プランの好調に加え、電力の小売事業が好調です。2Q決算時点で通期業績予想の上方修正を行っていますが、依然として経常利益の進捗率は63.7%と高く、今後の再上方修正に期待が持てそうです。

UUUM(3990);2017年にマザーズに上場しています。YouTuberの制作サポート事業を展開しています。動画視聴数連動のアドセンス、広告収入が経営の柱です。同社の強みは、「はじめしゃちょー」、「HIKAKIN」などの人気専属YouTuberを多数そろえていることです。新領域としては人気インスタグラマーによる動画広告の制作サービスも手がけています。日本の動画広告市場はTV市場に比べ10%未満程度と小さく、成長余地は高いと見られます。世代が若いほど動画メディアはTVからYouTubeへシフトしている点が強みです。eスポーツ関連の動画配信増加も期待されます。1/14(火)に発表された2Q決算は開発費用や人件費増加で増益率は伸び悩みましたが、進捗率では55.4%と順調です。

スマレジ(4431); 2019年2月にマザーズにに上場しています。文字通りスマホを使ったPOSレジアプリのクラウドサービス事業を行っている会社です。飲食店向けのオーダーエントリーシステムや勤怠管理システム、給与計算システムなども提供しています。大手以下の小売、外食、流通業向けが主要顧客です。顧客数の拡大に加え、消費増税時の軽減税率導入が追い風となっています。業績は順調で2Q決算時点で82.1%の進捗となっており上方修正の公算がありそうです。キャッシュレス関連銘柄として注目される可能性にも期待が持てます。

ウェルビー(6556);2017年にマザーズに上場しています。 就労を希望する障害者に対して、職業訓練・求職活動・職場定着支援を行っている会社です。これまでは首都圏周辺の比重が高くなっていましたが、全国展開を進めており、就労移行支援事業所の「ウェルビー」は、2019年3月末で67事業拠点を有しています。
障害者の就労は政府の重要な施策となっているうえ、同社独自の要因として全国展開の進展により、高い成長が期待できそうです。拠点拡大を背景に、業績は前期が41.1%経常増益、今期の会社側予想は21.5%増益と堅調な拡大を見込んでいます。第2四半期累計では経常利益で53.0%の進捗となっており順調です。

ベストワンドットコム(6577); 2018年4月にマザーズに上場しています。国内外のクルーズ旅行に特化したオンライン旅行会社です。クルーズ需要の高まりに加え、オンラインでの旅行予約の普及が追い風になっています。また業容拡大に伴う仕入先の多様化や知名度の上昇もあいまって業績は好調です。中長期的には多言語のサイト運営によるアジア圏のクルーズ需要の取り込みや、同社独自のチャータークルーズの増加などにより成長が期待できそうです。1Q決算時点で年間経常利益予想の39.4%の進捗となっており、今後の上方修正が期待できそうです。

ワークマン(7564); 1997年にJASDAQに上場しています。現場用の作業服や履物(安全靴)、用品(手袋、マスク、ヘルメット)などの専門チェーンです。フランチャイズを主体に2019年3月末で全国に837店舗を有します。防寒や防水、酷暑対策衣料などの商品開発力に優れ、PB商品の比率が約4割を占め、同社の高い集客力および収益力の源泉となっています。2025年までに1,000店舗体制への拡大を目指しています。今期の業績は現場用機能性商品(冷却ファン内蔵作業着)の販売好調やカジュアル化路線の拡大などで順調です。2Q決算時点で上方修正を行いましたが、依然会社予想は保守的に見えます。

図1 グリムス(3150)・日足

図2 UUUM(3990)・日足

図3 スマレジ(4431)・日足

図4 ウェルビー(6556)・日足

図5 ベストワンドットコム(6577)・日足

図6 ワークマン(7564)・日足

  • ※図1から図6は、当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

2【新興市場Now】中東情勢の緊張やわらぎ、大型株が選好されマザーズは反落

東証マザーズ指数の1/14(火)終値は887.46と、1/7(火)終値893.27に対して0.7%の下落となりました。一方JASDAQ平均は1.0%の上昇で、引き続き昨年来高値を更新しました。同じ期間の日経平均は1.9%の上昇でしたから、新興株市場は日経平均に対し、やや劣位な動きとなりました。中東情勢の緊張が緩和し、景気の先行き懸念が後退したため、大型株が選好されたものと思われます。

マザーズ市場の時価総額上位では、ティーケーピー(3479)を除き、メルカリ(4385)ラクス(3923)ミクシィ(2121)などが値を消しました。その他の主力銘柄ではエルテス(3967)、ヘリオス(4593)が大幅に上昇しました。エルテスは1/10(金)の決算発表が好調だったこと、ヘリオスはやはり1/10(金)にiPSC再生医薬分野での新たな開発品追加の発表があったことが材料です。

JASDAQ市場の時価総額が大きい銘柄では、ワークマン(7564)日本マクドナルドホールディングス(2702)が続落となったほか、前週に大幅高した東映アニメーション(4816)も反落となりました。

※東証マザーズ指数について:東証マザーズ市場は近い将来東証1部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場です。マザーズ指数は、マザーズ市場に上場する全銘柄の時価総額加重平均型(浮動株調整後)の指数です。ただし、一部の時価総額の大きい銘柄の影響度が大きい点に注意を要します。ちなみに11月末のマザーズ市場の時価総額に占めるそーせいグループ(4565)が6.5%、メルカリ(4385)が6.4%、サンバイオ(4592)が4.8%、ミクシィ(2121)が3.6%などとなっています。

図7:東証マザーズ指数(日足)

https://sbisec.akamaized.net/sbisec/images/base/g_market_report_dom_em_weekly_200115_11.gif

図8:JASDAQ平均(日足)

https://sbisec.akamaized.net/sbisec/images/base/g_market_report_dom_em_weekly_200115_12.gif
  • ※図7、図8ともに当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

表2:主要株式指標の騰落率(1/7〜1/14)

指数 終値(1/14) 騰落率
日経平均株価 24,025.17 1.9%
東証マザーズ指数 887.46 -0.7%
JASDAQ平均株価 3,912.87 1.0%

表3:主要新興市場銘柄の騰落率(1/7〜1/14)

コード 銘柄 終値(1/14) 騰落率
マザーズ市場の時価総額上位銘柄
4385 メルカリ 2,175 -1.4%
3923 ラクス 1,943 -2.9%
3479 ティーケーピー 4,445 2.2%
4565 そーせいグループ 2,104 -0.6%
2121 ミクシィ 2,018 -2.2%
JASDAQ市場の時価総額上位銘柄
7564 ワークマン 9,970 -1.4%
2702 日本マクドナルドホールディングス 5,230 -0.8%
6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 5,290 2.3%
6425 ユニバーサルエンターテインメント 3,545 -2.9%
4816 東映アニメーション 5,510 -1.4%
直近上場銘柄・市場で話題の銘柄
3967 エルテス 2,391 22.9%
4593 ヘリオス 1,709 12.8%
6027 弁護士ドットコム 5,460 -4.4%
4592 サンバイオ 2,654 0.3%
7806 MTG 842 1.6%
  • ※表2・表3はBloombergデータをもとにSBI証券が作成。騰落率は1/7(火)と1/14(火)終値の比較による。時価総額は12月末基準。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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