8月の国内新興株市場は、東証1部市場と比べ堅調な動きになっています。特に東証マザーズ指数は8/3（月）〜8/5（水）に3営業日続伸となったことに加え、8/5（水）終値（1,030.26）は7/16（木）の取引時間中に付けた高値（1,023.24）を上回る動きになっています。7月下旬以降、外為相場での円高・ドル安の進展が大型株にとって逆風となりましたが、新興市場銘柄は内需関連銘柄が相対的に多く、円高・ドル安があまり逆風にならないと考えられます。

今回の新興株ウィークリーでは、決算発表が本格化する中、当四半期（2020/4〜6期）で大幅な営業増益を達成した銘柄をご紹介してみました。情報サービスに関連する企業も多く、「ウィズ・コロナ」でも成長を維持しやすい銘柄が多いように思われます。

それではさっそく、業績好調な新興市場銘柄のスクリーニングを行ってみたいと思います。

（1）ジャスダック（スタンダード）市場または東証マザーズ市場に上場する銘柄であること。
（2）3月末を本決算期末とする銘柄であること。
（3）今年度第1四半期（2020/4〜6期）の営業利益が黒字で、前年同期比20%超増益の銘柄であること。
（4）上記（3）の営業増益率が通期（2021/3期）の会社予想営業増益率を上回っていること。
（5）8/4（火）までに今年度第1四半期の決算発表を終えた銘柄であること。

以上のすべての条件を満たした銘柄について、（3）の当四半期営業増益率が高い順に並べたものが表1です。これらの銘柄は、今回の四半期（2020/4〜6期）決算発表で、市場から「好業績銘柄」として認識され、株価が追い風を受けやすい銘柄であると「新興株ウィークリー」では考えています。

なお、新興市場の決算発表はここからが本番とみられる上、決算期末についても3月だけではなく、6月末や9月末、12月末を決算期にしている銘柄もあります。このため、好決算銘柄の追加情報については別途お伝えしたいと思います。

8月の国内新興株市場は、東証1部市場と比べ堅調な動きになっています。特に東証マザーズ指数は8/3（月）〜8/5（水）に3営業日続伸となったことに加え、8/5（水）終値（1,030.26）は7/16（木）の取引時間中に付けた高値（1,023.24）を上回る動きになっています。7月下旬以降、外為相場での円高・ドル安の進展が大型株にとって逆風となりましたが、新興市場銘柄は内需関連銘柄が相対的に多く、円高・ドル安があまり逆風にならないと考えられます。また、情報サービスに関連する企業も多く、「ウィズ・コロナ」でも成長を維持しやすい銘柄が多いのかもしれません。

ストリーミング配信を手掛けるＪストリーム（4308）はその典型例で、各種イベントのライブ配信や社内情報の共有・教育等のオンデマンド動画配信ニーズに対応して業績を向上させています。同社の第1四半期（2020/4〜6期）営業利益は前年同期の4百万円から60倍となる240百万円に拡大し、通期（2021/3期）の営業利益は900百万円（前期比64.5%増）が予想（会社予想）されています。株価は決算発表直前（7/30終値）に2,964円でしたが、以降続伸となり、8/5（水）には3,545円と2割弱上昇しています。

プロパティデータバンク（4389）は不動産に関する様々な業務を効率化する「B to B不動産テック企業」として、ニッチな分野に展開しています。顧客はREITやファンドに加え、多数の不動産を所有する大手企業等となっています。同社がクラウドで提供するサービスは新型コロナウイルスの感染拡大に対応して業務を確保したい多くの企業のニーズに応えています。同社の第1四半期（2020/4〜6期）営業利益は前年同期の8百万から13.4倍となる107百万円に拡大し、通期（2021/3期）の営業利益は370百万円（前期比16.4%増）が予想（会社予想）されています。株価は決算発表直前（7/30終値）に1,237円でしたが、8/5（水）には1,956円と6割弱上昇しています。

表1でご紹介したように、好決算を発表した銘柄は、その後少しの間上昇が続き、決算発表後の上昇率が大きくなるケースも少なくありません。新興株式市場の個別企業の決算は、大型株に比べ、新聞記事になりにくく、好決算でも投資家に気付かれにくい傾向があります。決算発表で好業績が明らかになった企業は、決算発表後に買い気配で値を上げるケースも多く、投資家にとっては買いタイミングが難しいという面もあります。しかし、新興株式市場の個別企業は好決算でも投資家に気付かれにくい傾向があり、投資家にとって投資チャンスを与えている可能性もあると考えられます。