9/16（水）の東京株式市場では、東証マザーズ指数が、これまでの年初来高値（終値ベース）であった1,172.95ポイントを上回りました。終値は前日比28.89ポイント高の1,181.23ポイントとなり、年初来高値を更新しています。米国で調整本格化が懸念されたグロース銘柄が買い直されたことにより、日本でも新興市場のグロース銘柄の株価が上昇したものと考えられます。

株式市場では菅新政権の誕生をにらみ、その経済政策を「スガノミクス」と称し、関連銘柄を物色する動きが強まっています。“デジタル庁”の創設に象徴される、ＩＴ関連株が中心視されているようです。そこで、今回の新興株ウィークリーでは、各種報道を参考に「スガノミクス」、特にＩＴ政策に関連するとみられる銘柄を抽出し、ご紹介することとしました。

東京株式市場では、日経平均株価がジリ高歩調となっています。9/16（水）新興市場は、東証マザーズ指数が、これまでの年初来高値（終値ベース）であった1,172.95ポイントを上回りました。終値は前日比28.89ポイント高の1,181.23ポイントとなり、年初来高値を更新しています。こうした中、新興市場の個別銘柄では、メルカリ（4385）、ラクス（3923）、フリー（4478）、弁護士コム（6027）など、時価総額ランキング上位のマザーズ銘柄が軒並み高になりました。また、直近上場銘柄の堅調を指摘する向きも多いようです。

後述するように、株式市場では菅新政権の誕生をにらみ、その経済政策を「スガノミクス」と称し、関連銘柄を物色する動きが強まっています。「デジタル庁」の創設に象徴される、ＩＴ関連株が中心視されているようです。それらの中には、新興市場に上場する中小型株も多く、東証マザーズ指数やジャスダック指数の上昇につながっていると考えられます。

9/16（水）、衆参両院の本会議で自民党の菅義偉総裁は、第99代内閣総理大臣に選出されました。安倍首相の辞任に伴い、約7年8ヵ月ぶりに首相が交代することになりました。菅氏はただちに組閣に着手しており、新内閣の顔ぶれが徐々に固まってきました。

安倍前首相が辞意を表明して以降、特に大きな混乱もなく、菅新政権がスムーズに誕生したことから、株式市場にも大きな波乱は生じませんでした。8月末以降、日経平均株価は緩やかに上昇しています。ただ、次第に全貌が明らかになってきた菅新政権の布陣について大きなサプライズはなく、株価が大きく上昇することもありませんでした。

そうした中、東京株式市場は、菅新政権の基本政策をにらみ、徐々にその方向感を織り込みつつあるようです。特に、菅新政権の経済政策は「スガノミクス」と称され、株式市場ではその関連銘柄を織り込む動きが本格化しています。特に「デジタル庁」の創設に象徴されるＩＴ化の推進や、地方銀行の再編、少子化対策などへの注目度が高いようです。

今回の「新興株ウィークリー」では、各種報道を参考に「スガノミクス」、特にＩＴ政策に関連するとみられる銘柄を抽出し、ご紹介することとしました。条件は以下の通りです。

（1）ジャスダックまたは東証マザーズに属する銘柄であること。
（2）報道等から菅新政権の経済政策である「スガノミクス」に関連深い銘柄とみられること。
（3）直近四半期決算までの営業利益の累計が黒字であること。
（4）「継続企業の前提」に疑義が生じている銘柄でないこと。

上記の条件を満たす銘柄をコード番号順に並べたものが表です。なお、直近の決算が通期の本決算である場合は、前期比で営業増益となり、今期会社予想営業利益が増益であることを条件としました。なお、表の銘柄が「スガノミクス」に関連するすべての銘柄をご紹介できている訳ではありません。また、表でご紹介した銘柄が必ず企業成長を続け、株価が上昇する訳でもありません。

他のメディアや投資情報等では、さらに多くの銘柄が紹介されている可能性があります。しかし、足元の通期業績や四半期業績で赤字を計上している銘柄も多く、それらの銘柄は資金の出入りが激しくなる可能性もあるため、しっかりと情報収集を行い、見極める必要がありそうです。