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≪Go To 関連銘柄≫業績・株価の回復に期待したい銘柄はコチラ!?

2020/9/30
投資情報部 鈴木 英之

9月相場が終了しました。米国株式市場などで、割高感や上昇速度への過熱感からグロース(成長)銘柄を中心に、利益確定売りが増えるという逆風が強まりましたが、出遅れ感の強かった東京株式市場では、バリュー(割安)銘柄を中心に見直し買いが入りました。
「デジタル庁」創設の動きなど、ITを駆使した行政の効率化を菅首相が政策の中心にあげたこともあり、情報・通信関連銘柄などが上昇基調継続となり、東証マザーズ指数は年初来高値を更新し、およそ2年半ぶりの高値を付ける展開となりました。なお、同指数の9月末終値は前月末比9.4%の上昇となり、月足として続伸となりました。

一方、東京株式市場では、経済活動の自粛長期化により、旅行や外食、コンサートや展示など、イベントに関連する業界の苦境が続いており、こうした産業の需要を喚起すべく、政府が新しい生活様式に基づく旅のあり方を普及、定着させる目的としてGo To トラベルや、Go To イベントといった「Go To キャンペーン」を打ち出しています。

今回の「新興株ウィークリー」では、こうした「Go To キャンペーン」で恩恵を受けそうな新興銘柄を、その投資の注意点とともにご紹介していきます。

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19月の東証マザーズ指数は続伸(月足ベース)し、2年半ぶり高値水準を回復

9月相場が終了しました。日経平均株価は8月末終値に対して0.2%上昇と小幅高になりました。米国株式市場などで、割高感や上昇速度への過熱感からグロース(成長)銘柄を中心に、利益確定売りが増えるという逆風が強まりましたが、出遅れ感の強かった東京株式市場では、バリュー(割安)銘柄を中心に見直し買いが入りました。
こうした中、日本の首相として歴代最長の在任期間となった安倍前首相が8/28(金)に辞意を表明し、菅新首相への政権交代がスムーズに進行したことも下支え材料の1つになりました。

国内の新興市場にとって、米国市場などにおけるグロース銘柄の調整はマイナス要因となる中、「デジタル庁」創設の動きなど、ITを駆使した行政の効率化を菅首相が政策の中心にあげたこともあり、情報・通信関連銘柄などが上昇基調継続となり、東証マザーズ指数は年初来高値を更新し、およそ2年半ぶりの高値を更新する展開となりました。同指数の9月末終値は、前月末比9.4%の上昇となり、月足として続伸となりました。また、日経ジャスダック平均も9月は2.4%上昇し、月足として続伸となりました。

表1は、東証マザーズ市場で時価総額500億円以上の銘柄について、9月の上昇率が高い順に並べたものです。医薬品や情報・通信の上昇が目立つ展開になっています。

図 東証マザーズ指数(週足)

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

表1 東証マザーズ主要銘柄の時価総額騰落率(月間・年初来)

コード 銘柄名 業種 株価 月間騰落 年初来騰落
4449 ギフティ 情報・通信業 3785 51.0% 145.5%
2160 ジーエヌアイグループ 医薬品 3740 49.8% 42.9%
4592 サンバイオ 医薬品 2045 43.6% -22.3%
4880 セルソース 医薬品 31350 43.0% 183.7%
4478 フリー 情報・通信業 7950 36.4% 156.5%
3923 ラクス 情報・通信業 1884 33.5% 88.3%
4475 HENNGE 情報・通信業 6750 32.1% 259.4%
4448 Chatwork 情報・通信業 2000 31.5% 92.8%
3966 ユーザベース 情報・通信業 3760 28.3% 83.2%
7806 MTG その他製品 1520 27.2% 74.9%
4435 カオナビ 情報・通信業 6400 25.8% 62.1%
2980 SREホールディングス 不動産業 3660 25.7% 41.3%
3491 GAtechnologies[ジーエーテクノロジーズ] 不動産業 8630 23.8% 111.8%
4443 Sansan 情報・通信業 6790 22.6% 22.9%
4477 BASE 情報・通信業 11000 20.5% 528.2%
7803 ブシロード その他製品 3350 19.2% -9.7%
4480 メドレー 情報・通信業 5040 16.1% 325.4%
4483 JMDC 情報・通信業 4630 15.2% 106.0%
4427 EduLab 情報・通信業 8720 11.4% 89.3%
7779 CYBERDYNE 精密機器 518 9.1% -8.6%
  • ※東証マザーズで時価総額上位20銘柄について、9月末終値と8月末終値および昨年末終値を比較した騰落率(時価総額ベース)をみたものです。
  • ※表は月間上昇率の大きい順に掲載。

2業績・株価の回復に期待したい「Go To 関連銘柄」をピックアップ!

新型コロナウイルスの感染拡大は、世界レベルで続いており、感染者数は3,300万人、死亡者数は100万人を超えてきました。もっとも感染者数の多い米国では、一時に比べ新規感染者数の増加は減速しているものの、いまだ日次で数万人規模の感染拡大が続いています。こうした中、深刻なのはインドで、新規感染者数・死亡者数ともに加速傾向になっています。また、英国やスペインなど、欧州の一部では、死亡者数こそ減速傾向であるものの、日次の新規感染者数は再び加速する兆しをみせています。

さて、米国ではアップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)、フェイスブック、マイクロソフトといった「GAFAM」が相対的に強さを維持し、世界的にグロース銘柄が優位となりました。こうした背景には、新型コロナウイルスの終息目途が見えない世界では、ITを駆使した経営改革が必要との見方が多数派になったことがあげられます。そうした流れの中、国内でも情報・通信セクターに属するグロース銘柄の上昇が続き、東証マザーズ市場など、新興市場の強さにつながりました。
ただ、新興市場の情報・通信関連銘柄や薬品株の中には、バリュエーションで説明のつかない銘柄が増えてきています。そのため、何らかの悪材料がきっかけとなり、グロース銘柄が調整局面を迎える可能性もあるとみられます。

そうした中、東京株式市場では、経済活動の自粛長期化に伴い、旅行や外食、コンサートや展示など、イベントに関連する業界の苦境が続いています。特にJR系列の企業については今期、JR東日本やJR西日本が数千億円規模の最終赤字を予定している上、多くの関連企業が赤字、または大幅減益を余儀なくされそうです。株式市場で情報・通信関連企業が上昇する一方、これらの業種では、業績・株価の低迷が長期化する銘柄が増えています。

日本国内は、一時に比べ新型コロナウイルスの脅威が後退したこともあり、これらの産業の需要を喚起すべく「Go To キャンペーン」を打ち出しています。最も注目されている「Go To トラベル」では、10/1(木)から東京発着分も含まれるようになることもあり、株式市場で改めて注目される可能性もあります。また、「Go To イベント」についても、10月中旬頃から開始される可能性が出てきました。

表2は「Go To トラベル」や「Go To イベント」で恩恵を受けそうな新興銘柄をご紹介しました。報道等をもとに、関連する新興市場銘柄を抽出しましたが、継続企業の前提に疑義が生じている企業は除きました。また、「Go To Eat」に関連する銘柄は、外食全般に広がるとみられるため、ここでは除きました。

旅行がてらに遠方のイベントに出かけ、外食を楽しむことにより“Go To”をまんべんなく享受するという消費者も出てくるかもしれませんが、引き続き、新型コロナウイルスの感染には十分注意したい所です。なお、関連銘柄には業績的に悪化の余地が残っている銘柄もあるとみられ、投資タイミングなどには注意したい所です。

表2 【ご参考】「Go To トラベル」、「Go To イベント」に関連する新興銘柄はコチラ!?

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄 株価
(9/30)
備考
2469 2469 2469 2469 ヒビノ 1,286 コンサートの音響・映像
3710 3710 3710 3710 ジョルダン 1,234 鉄道経路検索。ツアー販売
3931 3931 3931 3931 バリューゴルフ 1,828 ゴルフ場予約や旅行事業
3995 3995 3995 3995 SKIYAKI 712 ファンクラブサイト、ライブ制作
6548 6548 6548 6548 旅工房 1,301 ネット専業の旅行会社
6634 6634 6634 6634 ネクスグループ 183 「e-旅ネット」を運営
9376 9376 9376 9376 ユーラシア旅行社 474 熟年向け秘境ツアーなど
  • ※報道等をもとにSBI証券が作成。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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