1月の新興株式市場はジャスダック平均が前月比1.6%の上昇・続伸、マザーズ指数が1.0%の上昇・反発となりました。日経平均株価の上昇率は0.8%、TOPIXは0.3%でしたので、大型株市場のパフォーマンスを上回った形になりました。すでに決算発表シーズンが始まっており、当面はその内容を吟味しながら、個別に反応する展開が続きそうです。

前回の新興株ウィークリーに続き、好決算や業績見通しの上方修正が期待され、さらに株価の上昇も期待できる新興銘柄を抽出すべく、スクリーニングを行いました。ただし、もともと決算が期待されているような銘柄は、すでに株価への織り込みが進んでいる場合があり、発表後は逆に利益確定売りが優勢となるリスクがあります。そこで、今回は少し“工夫”を加えて、ご紹介します。

米国株式市場は一部の銘柄において、個人投資家による投機的な売買が懸念され、月末にかけ失速。その煽りを受けて日本の株式市場も月末は波乱となり、株価は伸び悩む結果となりました。

図表1は東証マザーズ指数の日足チャートを示したものです。
日々線がテクニカル分析上重要な25日移動平均を下回る場面があったものの、短期間で回復し、25日移動平均と75日移動のゴールデン・クロスも実現し、マザーズ市場は強気局面に入っていると分析されます。

東証1部同様、国内新興株式市場についても、決算発表シーズンが始まりました。1/25（月）に決算発表と業績予想上方修正を発表した東映アニメーション（4816）の他、決算が好内容の弁護士ドットコム（6027）の株価が堅調に推移しました。当面は、決算発表の内容を吟味しながら、個別に反応する展開が続きそうです。

新興市場では決算発表シーズンが始まり、3月、6月、9月、12月決算の銘柄について、2020/10〜12期の業績数字が発表されます。前回の新興株ウィークリーでは、発表社数の多い3月決算銘柄について、好業績が期待できる銘柄を抽出すべくスクリーニングを行いました。

今回も引き続き、好決算や業績見通しの上方修正が期待され、さらに株価の上昇も期待できる新興銘柄を抽出すべく、スクリーニングを行いました。ただし、もともと決算が期待されているような銘柄は、すでに織り込みが進んでいる場合があり、発表後は逆に利益確定売りが優勢となるリスクがあります。そこで、今回は少し“工夫”を加えてみました。また、前回は分析対象としなかった6月、9月、12月決算の銘柄についても対象としています。

スクリーニング条件は以下の通りです。
（1）東証マザーズ市場またはジャスダック市場に上場している銘柄であること。
（2）時価総額100億円以上の銘柄であること。
（3）3月、6月、9月、12月決算銘柄であること。
（4）2/5（金）〜2/15（月）に決算発表が予定されている銘柄であること。
（5）2020/4〜6期、2021/7〜9期がともに営業黒字で、前年同期比黒字転換、または10%超の営業増益であること。
（6）2020/4〜9期の営業増益率が通期会社予想営業増益率を上回っている（黒字転換は優先）こと。
（7）通期の会社予想営業増益率が20%未満の銘柄であること。

上記のすべての条件を満たす銘柄を、決算発表予定日順に並べたのが図表4になります。

「参考データ」として、2/3（水）に決算発表の湖池屋（2226）を表に入れています。（4）を除けばすべての条件に当てはまる銘柄でしたが、この日の取引時間中に決算発表を実施し、通期の予想営業利益を1,050百万円（前期比+3.8%）から1,400百万円（同+38.3%）に上方修正し、株価はそれを受けて、年初来高値を意識する展開になりました。

多くの企業にとって、2020/4〜6期、2020/7〜9期は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、業績が落ち込んでも致し方のない四半期でしたが、ここを好業績で乗り越えている企業は、2020/10〜12期も相対的に好業績が期待されると考えられます。