2月中旬以降、東証マザーズ市場および、ジャスダック市場が下落基調になっています。
新型コロナウイルスワクチンの先行接種が開始され、再びアフター・コロナが意識され始めたことで、東証マザーズ市場のグロース銘柄を中心に逆風が強まっています。

こうした中、3月期末が接近しています。
東証1部以外の中小型株市場がメインの投資家にとってはトータルリターンを高めるために大切な、配当や株主優待についてチェックすべき季節ではないでしょうか。
そこで今回は東証マザーズ、あるいはジャスダック、東証2部市場に上場の銘柄について、投資家の関心度が高い銘柄をピックアップしました。

日経平均株価は、2/22（月）〜3/2（火）までのおよそ1週間で2.5%安となり、特に2/26（金）は日経平均株価が2016/6/24（金）以来の下落幅を記録するなど、国内株式市場は波乱色の強い商いとなりました。
新興市場も時価総額上位銘柄が総じて安く（図表1）、東証マザーズ市場ではECサイト制作のシステムを手掛けるBASE（4477）や、ワークマン（7564）の下げが目立ちました。一方、メール管理で国内最大手のラクス（3923）は東証1部への指定替えを発表した後も総じて堅調に推移しています。

図表2は東証マザーズ指数の一目均衡表です。
すでに、日々線が転換線および基準線を下抜けていますが、さらに遅行スパンが日々線を下抜けている上、日々線自体が雲の下に下がってきています。一目均衡表上は「三役逆転」の形であり、当面は要注意の状況が続きそうです。

新型コロナウイルスワクチンの先行接種が開始され、再びアフター・コロナが意識され始めたことで、ウィズ・コロナで買われた銘柄の多い東証マザーズ市場の下落が目立ってしまうことは致し方のないことかもしれません。予想PERが高い銘柄も多く、中期的には選別色が強まる可能性もありそうです。

国内新興市場（ジャスダック市場・東証マザーズ市場）および東証2部市場で、3月に権利が確定し、株主優待に対する投資家の関心度が高い銘柄を選びました。

さらに、投資家の皆さんがリスクを分散しやすいよう、20万円以下で株主優待の権利が確定する銘柄に絞りました。
抽出条件は以下の通りです。
（1）ジャスダック市場または、東証マザーズ市場、東証2部市場に上場（広義の金融を除く）していること。
（2）3月決算銘柄で、3月末（権利付き最終日は3/29）に配当と株主優待の権利が確定する予定の銘柄であること。
（3）最低投資金額が20万円以下で株主優待の権利が確定する銘柄であること。
（4）株主優待の権利を獲得するために、別途継続保有期間の条件がない銘柄であること。
（5）今年度第3四半期までの営業利益実績が堅実であると評価される銘柄であること。

上記のすべての条件を満たす銘柄について、SBI証券の株主優待検索ページにおいて閲覧回数の多い順（3/2時点）に20銘柄を並べたものが図表4になります。
仮に上位10銘柄に100株ずつ投資した場合、投資金額は82万円超（3/2時点）でした。予算100万円であった場合、リスクを分散しながら複数の株主優待を受けることも楽しみ方の1つかもしれません。

※1　（5）については第3四半期累計（2020/4〜12期）の営業利益が営業増益（前年同期比）になっているか、または通期会社予想営業減益率よりも同四半期営業減益率が小さい場合に、この条件を満たすものとします。
※2　予想1株配当（年間）は、中間配当（実施済み）と期末配当（予想）をすべて受け取った場合の金額で、それを株価で割ったものが予想配当利回りになります。期末配当を受け取ったのみでは、予想配当利回りを確保することはできません。今回は予想配当利回りをスクリーニング条件とはしていませんが、参考情報として掲載しています。

以下、図表4に掲載した銘柄について、株主優待の内容を補足説明いたします。なお、権利付き最終日はすべての銘柄が3/29（月）で、この日に株主の権利が確定した投資家に贈呈されます。

100株以上の保有で、自社製品（ドレッシング・タレ・調味料等）1,000円相当が贈呈されます。500株以上で2,000円、1,000株以上で3,000円、5,000株以上で6,000円相当が贈呈されます。
上半期9円、期末9円で、年間で1株18円の配当が予定されています。

100株以上の保有で、自社製品（常温食品等）1,000円相当が贈呈されます。500株以上で自社製品（冷凍食品等）2,000円、1,000株以上で同3,000円相当が贈呈されます。
上半期配当はなく、期末のみ1株15円の配当が予定されています。

100株以上の保有で、自社製品（砂糖等）1,000円相当、1,000株以上で同3,000円相当が贈呈されます。
上半期配当はなく、期末のみ1株11円の配当が予定されています。

2021年3月末時点の株主より、「株主優待制度」が一部変更されます。
100株以上の保有で、自社グループ会社商品・サービス20%割引券（割引上限5,000円）が贈呈されます。また、500株以上で、自社グループ会社商品15,000円相当分の贈呈がされます。
配当は予定されていません。