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2024-12-10 17:13:18

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≪テンバガー有力候補!?≫連続増収・増益・高利益率の"10銘柄"

2021/6/9
投資情報部 鈴木 英之

東京株式市場はやや落ち着いた展開となっています。
その背景には国内でも新型コロナウイルス向けのワクチン接種が進捗し、景気回復期待が強まってきたことがあげられます。なお、新興市場では東証マザーズ市場の戻りが目立っており、テーマ性の強い銘柄が物色される傾向にあります。

そうした中、今回は連続増収・増益の強さを持ちながらも、中長期的な視点から大きく成長することが期待できる次なる“テンバガー”を発掘すべく、スクリーニングを行いました。

なお、当ページにつきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。ぜひ、ご視聴ください。

新興株ウィークリー新しいウィンドウで開きます。※YouTubeに遷移します。

執筆者のプロフィール
SBI証券 投資情報部長 鈴木 英之
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。
・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味 ハロプロ(牧野真莉愛押し)の応援と旅行(のりテツ)
・特技 どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん

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1東証マザーズ指数が反発基調。テーマ性の強い銘柄が物色対象に。

6/1(火)〜6/8(火)の主要株価指標の騰落率は日経平均株価が+0.5%、TOPIX+1.9%、日経ジャスダック平均+1.0%、東証マザーズ指数+1.6%でした。

欧米株式市場を中心に、新型コロナウイルス向けワクチンの普及による経済活動の正常化に向けた動きが続いています。
一方、新興市場については決算発表シーズンでの株価下落時に、東証マザーズ指数の下げが日経ジャスダック平均よりも大きかった分、反発局面で戻りは、東証マザーズ指数の方が大きくなっています。また、米長期金利の上昇が一服し、グロース銘柄に押し目買いが入りやすくなっていることも、東証マザーズ市場に追い風となっています。

新興市場の時価総額上位銘柄の動向(図表2)では、企業向けにクラウド会計ソフトを提供するマネーフォワード(3994)の上昇が目立ちました。4/13(火)に2021/11期・第1四半期の営業増益が黒字転換し、EBITDA(償却前利益)についても3.58億円の黒字確保を発表。6/7(月)には東証1部市場への指定替えを発表し、6/8(火)は1日で8.3%上昇しました。

新興市場の株価上昇上位(図表3)では、テーマ性の強い銘柄の値上がりが目立ちます。
遠隔医療の普及やその政策的後押しの強化が期待され、ケアネット(2150)やメドレー(4480)が買われました。また、医薬品関係も堅調で、シンバイオ製薬(4582)が引き続き値上がり率上位をキープ。モダリス(4883)やサンバイオ(4592)も買われました。

スーパーサイクルへの突入が期待される半導体関連銘柄も堅調です。
6/5(土)に発表された半導体出荷額(4月)は前年同月比32.4%増加。幅広い分野での需要拡大を受け、東洋合成工業(4970)や、フェローテックホールディングス(6890)などの上昇が目立ちました。
なお、フェローテックホールディングス(6890)については、大手証券会社が業績予想や目標株価を引き上げたことが好感され、6/7(月)には年初来高値更新の動きになりました。

図表1 ジャスダック平均・東証マザーズ指数の比較

  • ※SBI証券チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※2020/12/1終値を1として指数化。 期間は2020/12/1〜2021/6/8(日足)

図表2 おもな新興市場銘柄の値動き

コード 銘柄名 市場 株価(6/8) 6/1比 20/12末比
4385 メルカリ ジャスダックS 5,220 +0.2% +14.7%
2702 日本マクドナルドホールディングス ジャスダックS 5,010 +0.7% +0.2%
7564 ワークマン ジャスダックS 7,600 +1.6% -13.6%
6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ ジャスダックS 5,760 -2.9% -37.5%
4816 東映アニメーション 東証マザーズ 12,350 -0.5% +52.7%
4478 フリー 東証マザーズ 8,630 +5.9% -4.4%
3994 マネーフォワード ジャスダックS 6,380 +15.0% +30.7%
2782 セリア 東証マザーズ 3,840 -1.8% +1.3%
4483 JMDC ジャスダックS 4,385 -8.6% -23.3%
7716 ナカニシ 2,289 -0.1% +1.1%
【ご参考】 日経平均株価 28,963.56 +0.5% +5.5%
  TOPIX 1,962.65 +1.9% +8.8%
  日経ジャスダック平均 3,934.41 +1.0% +5.8%
  東証マザーズ指数 1,160.03 +1.6% -3.0%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※新興市場(東証マザーズ市場およびジャスダック市場)の時価総額上位10銘柄について、6/8時点での各種騰落率を掲載。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

図表3 6/1(火)と比較し、株価上昇が大きかったおもな新興市場銘柄

コード 銘柄名 市場 株価(6/8) 6/1比 20/12末比
4582 シンバイオ製薬 ジャスダックG 2,400 17.5% 533.2%
6890 フェローテックホールディング ジャスダックS 3,215 17.1% 82.8%
3994 マネーフォワード 東証マザーズ 6,380 15.0% 29.8%
2150 ケアネット 東証マザーズ 8,670 11.6% 84.9%
4883 モダリス 東証マザーズ 1,526 11.3% -31.0%
4970 東洋合成工業 ジャスダックS 12,260 10.7% 3.9%
4592 サンバイオ 東証マザーズ 1,572 10.0% 17.6%
6425 ユニバーサルエンターテインメント ジャスダックS 2,574 8.6% 8.2%
4480 メドレー 東証マザーズ 4,725 7.0% 4.1%
4880 セルソース 東証マザーズ 13,000 6.6% 19.7%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。新興市場(東証マザーズ市場およびジャスダック市場)の時価総額300億円以上の銘柄のうち、6/8時点での6/1比値上がり率が高かった上位10銘柄を掲載。
  • ※過去1ヵ月以内に新規上場した銘柄は除きます。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

2≪テンバガーを探せ≫連続増収・増益の“強い銘柄”とは

例年、5月後半から6月の株式市場については、決算発表に伴う業績変動リスクが後退することもあり、投資家が腰を据え、中長期的な観点から銘柄を選ぶには適した季節と言えます。
また、3月決算企業の場合、株主総会が本格化する月でもあり、経営や資本政策等に投資家の関心が向きやすい時期ともいえるでしょう。

そこで、今回は連続増収・増益の強さを持ちながらも、中長期的な視点から大きく成長することが期待できる次なる“テンバガー”を発掘すべく、スクリーニングを行いました。

≪スクリーニング条件≫
(1)東証マザーズ市場に上場している銘柄であること。
(2)直近3期の売上高がすべて10%以上増加(※1)している銘柄であること。
(3)直近3期の営業利益がすべて10%以上増加(※2)している銘柄であること。
(4)前期の売上高営業利益率が10%以上の銘柄であること。
(5)今期の予想営業増益率(会社予想)が10%以上の銘柄であること。

これらの条件をすべて満たした銘柄を、今期予想営業増益率が大きい順に並べたものが図表4となります。
今回は東証マザーズ市場の銘柄に限定しました。これは東証マザーズ市場の方が、ジャスダック市場よりもグロース銘柄=成長を期待されている銘柄が多い傾向にあるためです。
なお、スクリーニング条件(2)〜(4)を満たすことで、“コロナ禍”でも波乱の展開を乗り切る強い競争力を有していると考えられます。一般的に、提供している製品やサービスの競争力が弱いと、価格崩壊に巻き込まれ、売上は鈍化、利益率が低下して減益や赤字に陥りやすくなるためです。

コロナ禍における事業環境は、企業にとって見通しを立てにくく、業績予想の発表を見送る企業も多くあります。それでも、あえて業績予想を公表し、好業績が見込める企業は、経営が自信を有している証(あかし)であるかもしれません。

上記スクリーニング条件をすべて満たすことは、多くの企業にとって困難です。そのため、図表4に掲載した銘柄は当面の間、株式市場で高い注目を集める可能性が大きいと考えられます。

※1 4期前の売上高データがない銘柄の場合「比較なし」としていますが、(2)の連続増収条件に含めています。
※2 4期前の営業利益データがなく、3期前が営業黒字の場合は「黒字」とし、(3)の連続営業増益条件に含めています。

図表4 ≪テンバガー有力候補?≫連続増収・増益・高利益率の新興銘柄

  株価
(6/8)
(上段)増収率(下段)増益率 前期売上高営業利益率 今期予想営業増益率
3期前 2期前 前期
7320 日本リビング保証 2,686 24.8% 28.0% 18.7% 10.4% 169.6%
141.8% 11.1% 13.3%
3674 オークファン 1,265 60.4% 13.2% 18.7% 10.4% 58.5%
100.0% 65.6% 20.8%
4495 アイキューブドシステムズ 4,555 18.9% 20.6% 17.3% 25.1% 29.1%
黒字 49.7% 64.8%
2385 総医研ホールディングス 474 31.5% 38.7% 23.0% 11.2% 24.2%
23.1% 166.5% 20.9%
4053 Sun Asterisk 2,079 比較なし 104.2% 18.5% 16.5% 24.2%
黒字 57.5% 86.9%
3482 ロードスター 1,008 10.0% 56.3% 12.3% 26.4% 21.8%
75.4% 52.7% 22.7%
4483 JMDC 4,385 233.0% 20.8% 37.9% 22.0% 16.4%
137.5% 50.7% 66.8%
7079 WDBココ 3,645 21.5% 28.3% 12.5% 20.4% 10.7%
13.8% 39.9% 10.8%
4496 コマースOneホールディングス 2,321 17.2% 11.0% 16.3% 22.7% 10.5%
18.1% 17.2% 52.5%
3970 イノベーション 3,505 比較なし 36.0% 52.5% 16.8% 10.3%
黒字 10.9倍 197.1%
  • ※会社公表データ、各種報道等をもとにSBI証券が作成。 ※増収率は売上高の前期比増加率、増益率は営業利益の前期比増加率。 ※「増益率」で「黒字」となる銘柄は、営業黒字だが前期の数字がないため、比較ができないことを示しています。 ※今期予想営業増益率は会社予想ベース。

日本リビング保証(7320) 住宅設備の延長保証を展開。今期業績予想を上方修正

■住宅設備の延長保証が主業務
住宅販売企業を経由し、住宅オーナーに安心で便利なサービスをワンストップで提供。売上高の約7割は、三井不動産グループや、東急リバブルなど大手住宅販売企業となっています。

業績は2017/6期以降、2桁の増収・増益基調が続いています。2021/6期も第3四半期までに売上高が前年同期比33.7%増、営業利益が同83.8%増と拡大。会社側は通期業績予想を上方修正し、営業利益は3.1億円から5.5億円(前期比169.6%増)と増益率が拡大する見込みです。

SBI証券 企業調査部では同社をカバレッジしています。営業利益は2022/6期6.6億円(前期比20.0%増)、2023/6期8.9億円(同34.8億円)と予想。6/4(金)付で目標株価を2,600 円から4,290円に引き上げ、投資判断は「買い」を継続しています。

■株価も順調に上昇
新型コロナウイルスの影響で、2020/4〜6期の営業損益が2百万円まで落ち込み、株価もそれを予見するかのように、2020/3に安値を付けました。その後は、業績の回復に合わせ、ほぼ右肩上がりの形に変わっています。

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。期間2年(週足)で表示。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

アイキューブドシステムズ(4495) エンタープライズモビリティ管理市場では国内最大手企業

■携帯端末管理ソフトをクラウドで提供
20年7月、東証マザーズに上場。エンタープライズモビリティ管理(EMM)市場では国内最大手企業です。
クラウドを介し、Saas(サービスとしてのソフトウエア)としてモバイル端末を管理するマネジメントサービスを提供します。

CLOMOサービスでは、EMM(エンタープライズモビリティ管理)として、幅広く高度な管理機能をモバイル端末に提供。CLOMO SECURED Appsサービスは、モバイル端末の活用を支援する企業向けモバイルアプリケーションで、ビジネスで利用するブラウザ、メール、スケジュール、アドレス帳、ファイル共有の5アプリケーションを提供しています。

なお、同社の強みはソフトウエア開発からライセンス販売、サービス運用、プラットフォームの管理、カスタマーサポートなど、すべての業務を自社で行っている点です。

■5/12(水)に業績予想を上方修正。株価も底打ちの兆し
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、テレワークの導入やセキュリティ環境の整備等の需要が拡大し、当社が属するEMM市場は拡大傾向にあります。
そうした中、同社は5/12(水)に予想営業利益を4.5億円から5.32億円に上方修正。足元で株価は底値を固めつつあるように思われます。

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。期間1年(週足)で表示。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

Sun Asterisk(4053) 事業開発支援で成長

■携帯端末管理ソフトをクラウドで提供
2020年7月に東証マザーズに上場。デジタルを活用した新たな事業開発を行うクリエイティブ&エンジニアリングサービスと、人材紹介のタレントプラットフォームサービスが両輪です。

クリエイティブ&エンジニアリングサービスでは、専門チームが顧客の事業アイデア創出からプロダクト開発までを支援。ベトナムのハノイ、ダナン、ホーチミンに拠点を持つ子会社を活用したグローバルITチームが顧客のニーズに合わせた素早いプロダクト改善を実施し、成長プロセスを高速で実行することで事業価値の最大化を目指します。
また、タレントプラットフォームサービスでは、デジタライゼーションを促進する人材の育成と、就職の支援を手掛けます。

■第1四半期も好調なスタート
2021/12期・第1四半期の営業利益は前年同期比39.2%増となり、24.2%増益を見込む通期計画に対して好調にスタート。主力の事業開発支援への引き合いは活発なようです。

市場コンセンサスでは2021/12期に前期比38%の営業増益後、2022/12期、2023/12期ともに20%超の営業増益が予想されています。

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。期間1年(週足)で表示。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

JMDC(4483) ヘルスビッグデータ事業を展開〜遠隔医療支援も

■ヘルスビッグデータ事業が主翼
ノーリツ鋼機(7744)の子会社で、ヘルスビッグデータ事業などを展開しています。医療ビッグデータビジネスで、健康保険組合から二次利用許諾を得て受領したレセプトデータや健診データの匿名加工データから、600万人規模の医療ビッグデータを構築。製薬企業や研究機関、生損保企業などに対し、必要なデータを抽出・分析するアドホック販売などを行っています。
遠隔医療事業では、「いつでもどこでも、高品質の画像診断を」をモットーに契約読影医群をデジタル環境でつなぎ、医療機関に対して遠隔画像診断サービスを提供。調剤薬局支援事業ではレセコン、電子薬歴など調剤薬局向けの業務システムを提供。薬剤を処方する薬剤師が必要な情報を適切に患者に提供できる環境「スマートファーマシー」の構築を目指しています。

■中期的にも営業増益が期待されている
複数のアナリストが長めの業績予想を行っており、その意味では注目度の高い1社と言えそうです。
営業利益の市場コンセンサスは2022/3期が30%超増益予想で、その後2026/3期まで年20%超の営業増益が予想されています。

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。期間1年(週足)で表示。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

コマースOneホールディングス(4496) ECサイト運営支援をSaaS型で提供

■中堅・中小のECサイトを支援
ECサイトの信頼性を認証する「トランスマーク」の付与サービスで06年に創業。ECサイト構築支援や在庫管理システムに進出しています。システムはSaaS(サービスとしてのソフトウェア)形式でワンストップに提供されます。顧客は中小企業が中心。17年に純粋持ち株会社に移行し、20年6月に東証マザーズに上場しました。

■予想PERは低め?
2021/3期は売上高16.3%増、営業利益52.3%増と3期連続で2桁以上の増収・営業増益を達成。今期も会社側は10.5%営業増益を予想しています。
6/9(水)現在、予想PERは40.7倍で、高い増収・増益が予想される東証マザーズの情報・通信関連企業としては、予想PERが低めで、割安感が強い銘柄と言えそうです。

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。期間1年(週足)で表示。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
  • ※NISA口座で上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。

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