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2024-12-10 18:22:07

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アナリストが高成長を予想する新興市場の8銘柄

2021/8/25
投資情報部 鈴木 英之

8/17(火)〜8/24(火)の騰落率は、日経平均株価+1.1%、TOPIX+1.0%、日経ジャスダック平均+0.3%、東証マザーズ指数+6.3%でした。全般的に反発局面で、特に東証マザーズ指数の戻りが際立つ状況でした。

決算発表終了後のこの時期は、アナリストによる見直しが進み、改めて、個別企業の中長期的な成長力が問われる局面になっていると考えられます。そこで今回の「新興株ウィークリー」では、アナリストが高成長を予想している新興銘柄を抽出したいと思います。

なお、当ページにつきましてはSBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。ぜひ、ご視聴ください。

新興株ウィークリー新しいウィンドウで開きます。※YouTubeに遷移します。

執筆者のプロフィール
SBI証券 投資情報部長 鈴木 英之
・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味 ハロプロ(牧野真莉愛推し)の応援と旅行(のりテツ)
・特技 どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん
・好きな場所 秋葉原
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

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1東証マザーズ指数が1,000ポイント割れから反発局面に

8/17(火)〜8/24(火)の騰落率は、日経平均株価+1.1%、TOPIX+1.0%、日経ジャスダック平均+0.3%、東証マザーズ指数+6.3%でした。全般的に反発局面で、特に東証マザーズ指数の戻りが際立つ状況でした。

この期間のうち、8/18(水)〜8/20(金)は下落局面で、日経平均株価は年初来安値を更新(8/20)しました。すでに中国でのIT業界や教育産業に対する規制強化が警戒されていましたが、他にも、米国経済の鈍化懸念につながった「ミシガン・ショック」、タリバンによる首都カブール占拠で地政学的リスクが拡大した「アフガン・ショック」、東南アジアでの新型コロナウイルス拡大を背景にトヨタ(7203)が減産を発表した「トヨタ・ショック」等の悪材料が重なりました。

しかし、8/23(月)・8/24(火)は上昇。8/19(木)以降、米国株(S&P500)が続伸基調になる中、日本株も悪材料出尽くし感が強まりました。新興株も基本的には同様の展開で、日経ジャスダック平均は8/20(金)に安値を付け、週明け以降は続伸となりました。こうした中、東証マザーズ指数は8/18(水)に一時993.29ポイントまで下げ、昨年8/12(水)以来約1年ぶりの1,000ポイント割れとなりました。しかし、このことで逆に、下げ一巡感が強まり、その後の上昇率は相対的に大きくなりました。

物色的には、東証マザーズ市場の中核的存在である情報通信関連株の上昇が目立ちました。

時価総額上位銘柄の中では、クラウド型会計ソフトを提供するフリー(4478)が大幅高となりました。8/13(金)に今期業績について赤字になる見通しを発表。これをはさんで、8/10(火)〜8/17(火)に6営業日続落(19.8%下落)となりましたが、8/18(水)〜8/24(火)は18.7%上昇する反発となりました。また、医療データ分析のJMDC(4483)も大きく上昇。8/5(木)に好決算を発表し、上昇基調に転換し、年初来高値更新の動きになりました。

広告枠の高速取引を主業務とするフリークアウト・ホールディングス(6094)が急伸。8/13(金)〜8/24(火)に8営業日連続高となり、この間の上昇率は52.6%に達しました。業績予想の上方修正(8/13)に加え、連結子会社デジタリフト(9244)の上場承認(8/23)等、好材料が重なりました。

図表1 日経ジャスダック平均と東証マザーズ指数の推移

  • ※SBI証券チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※2020/12/30終値を1として指数化。 期間:2020/12/30〜2021/8/24(日足)

図表2 主な新興市場銘柄の値動き

コード 銘柄名 市場 株価(8/24) 週間 年初来
4385 メルカリ 東証マザーズ 5,100 -2.3% 12.7%
2702 日本マクドナルドホールディングス ジャスダックS 5,270 5.0% 5.4%
4816 東映アニメーション ジャスダックS 15,440 2.5% 90.9%
6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ ジャスダックS 6,160 1.0% -33.2%
7564 ワークマン ジャスダックS 7,180 -2.8% -18.4%
4478 フリー 東証マザーズ 8,880 18.7% -0.8%
4483 JMDC 東証マザーズ 6,830 16.2% 19.8%
2782 セリア ジャスダックS 4,090 1.7% 7.9%
6960 フクダ電子 ジャスダックS 11,560 10.5% 44.7%
4194 ビジョナル 東証マザーズ 6,200 7.5% -
【ご参考】 日経平均株価 27,732.10 1.1% 1.0%
  TOPIX 1,934.20 1.0% 7.2%
  日経ジャスダック平均 3,905.21 0.3% 5.0%
  東証マザーズ指数 1,072.60 6.3% -10.4%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※新興市場(東証マザーズ市場およびジャスダック市場)の前月末時価総額上位10銘柄について、8/24時点での各種騰落率を掲載しています。
  • ※「週間」は8/17〜8/24の騰落率です。
  • ※個別銘柄の「年初来」は昨年末時価総額と直近時価総額の比較。「-」は、昨年末時点で上場していない銘柄。指数の「年初来」は株価による単純計算です。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

図表3 8/17(火)〜8/24(火)で株価上昇が大きかった主な新興市場銘柄

コード 銘柄名 市場 株価(8/24) 週間 年初来
6094 フリークアウト・ホールディングス 東証マザーズ 2,383 31.7% 185.6%
4448 Chatwork 東証マザーズ 1,031 30.0% -18.7%
2158 FRONTEO 東証マザーズ 1,413 28.1% 129.0%
4167 ココペリ 東証マザーズ 4,005 20.3% -40.8%
4478 フリー 東証マザーズ 8,880 18.7% -0.8%
4499 Speee ジャスダックS 4,620 18.0% 57.7%
4475 HENNGE 東証マザーズ 3,420 17.9% -58.3%
4485 JTOWER 東証マザーズ 8,200 17.8% -18.4%
4880 セルソース 東証マザーズ 15,790 16.4% 46.4%
4483 JMDC 東証マザーズ 6,830 16.2% 19.8%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※新興市場(東証マザーズ市場およびジャスダック市場・前月末時価総額250億円以上)において、株価上昇率が大きい上位10銘柄を掲載。
  • ※「週間」は8/17〜8/24の騰落率です。
  • ※個別銘柄の「年初来」は昨年末時価総額と直近時価総額の比較。「-」は、昨年末時点で上場していない銘柄。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

2アナリストが高成長を予想する新興市場の8銘柄

決算発表シーズンは8/16(月)までで終了しました。決算発表時は、発表された収益が会社計画や市場の期待と比べて大きいのか、小さいのか等が主要関心事でした。しかし、決算発表終了後のこの時期は、アナリストによる見直しが進み、改めて、個別企業の中長期的な成長力が問われる局面になっていると考えられます。

そこで今回の「新興株ウィークリー」では、アナリストが高成長を予想している新興銘柄を抽出したいと思います。

(1)東証マザーズ市場、またはジャスダック市場に上場。
(2)時価総額250億円以上。
(3)予想EPSを公表しているアナリストが2名以上付いていること。
(4)過去3期、平均10%超の売上成長。
(5)市場コンセンサスで、今後3年間、最低でも年10%超の売上高・営業利益の増加予想。
(6)直近決算が四半期決算の時、以下の条件のいずれかを満たすこと。
   ・四半期累計営業増益率が会社予想の通期営業増益率を上回っていること。
   ・四半期累計営業利益が前年同期比で黒字転換。
   ・四半期累計営業利益の進捗率が「標準」以上・・・例えば3四半期(9ヵ月)累計の時、「標準」は75%です。

これらの条件をすべて満たす銘柄を時価総額の大きい順に並べたものが図表4です。

図表4 アナリストが高成長を予想する新興市場の8銘柄

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄 株価
(8/25)
前期営業利益(億円) 今期市場予想営業利益(同) 来期市場予想営業利益(同)
4483 4483 4483 4483 JMDC 6,880 36.95 49.69 64.89
4485 4485 4485 4485 JTOWER 8,150 4.19 4.75 12.13
7071 7071 7071 7071 アンビスホールディングス(J) 7,260 18.27 35.05 48.50
4480 4480 4480 4480 メドレー 3,980 3.96 6.51 11.60
3966 3966 3966 3966 ユーザベース 2,158 1.04 17.02 25.42
9270 9270 9270 9270 バリュエンスホールディングス 2,800 6.31 10.00 18.00
3798 3798 3798 3798 ULSグループ(J) 5,370 14.17 17.83 21.18
4308 4308 4308 4308 Jストリーム 2,584 23.42 27.75 33.25
  • ※Bloombergデータ・会社公表データをもとにSBI証券が作成。 ※銘柄名の右側に(J)と記載された銘柄はジャスダック上場銘柄。無印は東証マザーズ銘柄。 ※市場予想は、Bloomberg集計の市場コンセンサスです。 ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

以下、図表4でご紹介した銘柄から一部の銘柄について、その投資ポイントをご紹介します。

JMDC(4483)  「ビッグデータ」や「遠隔医療」を武器に成長

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2021/3/2〜2021/8/25(日足)

■「ヘルスビッグデータ」と「遠隔医療」が売上の8割
ペン先や金属部材の製造・販売を行うノーリツ鋼機(7744)が親会社で保有比率は49.1%です。

主力事業は「ヘルスビッグデータ」(前期売上構成比61%)。健保組合のデータを分析したり、PHR(個人が自身の健康・医療データを手元で管理する仕組み)サービスの提供、医療機関に対する医療データ分析サービス等を行っています。

また、「遠隔医療」(同24%)も稼ぎ頭のひとつで、医療機関と放射線読影医や放射線診断専門医を結びつけています。

2022/3期・第1四半期は売上高45.3億円(前期比41.0%増)、営業利益8.3億円(同131.4%増。市場コンセンサスは6.7億円)と大幅増収・増益。季節特性で、第1四半期の数字は弱くなりやすいことを考えれば、好スタートと言えそうです。

■市場では、中期的に年率で30%超の営業増益を予想
2022/3期の会社予想売上高は210億円(前期比25.2%増)、営業利益43億円(同16.4%増)ですが、市場コンセンサスでは営業利益を49.7億円(前期比34.5%増)とみており、業績予想上方修正が期待されています。

営業利益については、市場コンセンサスではさらに、2023/3期64.9億円(前期比30.6%増)、2024/3期84.6億円(同30.3%増)と年30%以上の増益継続が予想されています。「ビッグデータ」や「遠隔医療」等、テーマ性も豊かで、新興市場の高成長期待銘柄の一翼を担う存在と言えそうです。

JTOWER(4485) 大手通信事業者と提携し、さらなる飛躍か。決算発表後は株価トレンドに変化

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2021/3/2〜2021/8/25(日足)

■屋内携帯インフラの構築を一本化
中心は国内IBS(イン・ビルディング・ソリューション)事業です。これまで携帯事業者各社が単独で行ってきた屋内携帯インフラの構築を独自開発した共用設備で一本化します。

2022/3期の連結業績予想は、売上高46億円(前期比31.4%増)、営業利益2.6億円(同37.8%減)と慎重ですが、市場コンセンサスでは営業利益が2022/3期4.75億円、2023/3期12.1億円、2024/3期26.5億円と拡大する見込みです。

■株価は上昇後、200日移動平均線前後に到達
2021/5/14(金)にKDDI(9433)と資本業務提携契約の締結、KDDI、NTTに対して第三者割当による新株発行を行うことを発表しました。

KDDIとは(1)インフラシェアリング推進、(2)IBS・ルーラルタワー、スマートボール等の展開計画の精度向上、(3)技術支援・ノウハウ共有などについて協議していく方針。第三者割当はKDDI、NTTそれぞれに55万3,473株を割り当て(1株発行価額6,640円)、約73億円を調達しました。

8/4(水)に2022/3期・第1四半期の決算を発表。売上高は9.3億円(前年同期比13.6%増)、営業利益1.22億円(同21.2%増)と増収増益となり「計画通り」(会社側)のスタートになった模様です。株価は決算発表後順調な推移でしたが、足元は200日移動平均線が上値抵抗ラインになっているようです。

メドレー(4480) NTTドコモとの資本業務提携の効果が表れ始めた可能性

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2021/3/2〜2021/8/25(日足)

■「人材」と「オンライン診療」が主力
当社は、医療ヘルスケア領域に特化したインターネット企業として2009年6月に設立されました。医療ヘルスケア分野における日本最大級の人材採用システム「ジョブメドレー」(人材プラットフォーム事業・第2四半期累計売上高構成比は74.8%)が主力事業です。

このほか、日本最大級のオンライン診療システムである「CLINICSオンライン診療」を中核として、患者のための医療情報サービス「MEDLEY」、市民のための介護情報サービス「介護のほんね」などの医療プラットフォーム事業(第2四半期累計売上高構成比は23.1%)も手掛けています。

医療機関は患者をオンラインで診察する際「CLINICS」を活用すれば、スムーズな業務が可能になります。PC上で患者の予約状況を一元管理し、ビデオカメラなどでの診察中にはチャットでのやり取りが可能となり、必要な画像ファイルも送受信できます。

会社側は当面、ある程度損益を犠牲にしても、投資や買収を積極的に行っていく方針です。

■NTTドコモと業務資本提携〜早くもその効果が示現か
当社は4/22(木)にNTTドコモとの業務資本提携を発表。当社は51億円の資本注入を得て、NTTドコモの約8千万人の顧客基盤を生かしつつ、オンライン診療システムの普及を図ります。

こうした中、8/13(金)に2021/12期・上半期決算を発表。売上高55.4億円(前年同期比55.4%増)と高成長を維持しつつ、営業利益8.24億円(同81.9%増)を確保しました。 2021/12期・会社予想営業利益は1.6〜6.6億円(中心は4.1億円)ですが、市場では6.5億円を予想。また、2022/12期は11.6億円、2023/12期は16.8億円が市場コンセンサスです。

8/23(月)には、NTTドコモと共同で、患者と医師を予約なしでつなぐオンライン診療システム提供を発表。同社との提携効果が見え始めています。これら一連の前向きな動きを背景に、株価の底値固めが進みつつあるようです。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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