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≪決算発表前にチェック!≫好業績期待の13銘柄

2021/10/20
投資情報部 鈴木 英之

東京株式市場は10/6(水)をボトムに反発基調が続いています。
新興市場も同様に、好業績を発表した銘柄を中心に買いが広がっています。

今後、決算発表や物色の主役は、新興市場の主役ともいえる情報通信やサービスに属する企業に移っていく事が期待されます。そこで今回は、決算発表を直前に控えて、好業績が期待される銘柄をチェックしておきたいと思います。

新興株ウィークリー新しいウィンドウで開きます。※YouTubeに遷移します。

執筆者のプロフィール
SBI証券 投資情報部長 鈴木 英之
・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味 ハロプロ(牧野真莉愛推し)の応援と旅行(のりテツ)
・特技 どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん
・よくいくところ 京都
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

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1新興市場も上昇基調に。好業績銘柄が物色される

10/12(火)〜10/19(火)の東京株式市場は、日経平均株価が+3.5%、TOPIXが+2.2%、日経ジャスダック平均が+1.5%、東証マザーズ指数が+3.8%と、いずれも続伸しました。
米国では主要企業の好決算が相次ぎ、過度なインフレ懸念が後退したことで、主要株価指数は過去最高値水準まで戻っています。また、外為市場では円安・ドル高が加速しはじめたこともあり、東京株式市場でも上昇基調が続いています。

新興市場では、時価総額トップであるメルカリ(4385)も上昇基調となっています。特に目立った材料は見当たりませんが、10/19(火)には上場来高値更新となりました。
産業用ロボットや半導体に関連するハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)は10/14(木)〜10/19(火)に4営業日続伸。それに先立つ9/15(水)〜10/13(水)の19営業日中、17営業日で値下がりし、その間に約31%も下落したことで、自律反発の動きとなっています。

太陽光発電の関連事業を手掛けるウエストホールディングス(1407)は10/15(金)〜10/19(火)に3営業日続伸し、その間25.7%上昇しました。10/15(金)の本決算で、前期の9.7%増収・41.3%営業増益に続き、2022/8期も前期比34%増収・15%営業増益が見込まれることを発表。株式市場で「脱炭素」が有力な投資テーマとして注目される中、業績面の裏付けも再確認され、買い安心感が強まったようです。

この他にも、決算発表や業績予想上方修正で大幅高する銘柄が目立ちました。
中小企業向けに、法人営業支援サービスを手掛けるアイドマ・ホールディングス(7373)は10/15(金)に好決算と強い業績見通しを発表して、週明け10/18(月)はストップ高まで買われました。また、レーザー光源や計測装置開発を行うオキサイド(6521)も10/14(木)の業績予想上方修正が好感され、株価が上昇しています。

図表1 日経ジャスダック平均と東証マザーズ指数の推移

  • ※SBI証券チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※2020/12/30終値を1として指数化。
  • 期間:2020/12/30〜2021/10/12

図表2 主な新興市場銘柄の値動き

コード 銘柄名 市場 株価(10/19) 週間 年初来
4385 メルカリ 東証マザーズ 6,950 8.4% 54.5%
4816 東映アニメーション ジャスダックS 20,890 3.2% 158.2%
2702 日本マクドナルドホールディングス ジャスダックS 5,120 -1.0% 2.4%
6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ ジャスダックS 5,350 12.9% -42.0%
7564 ワークマン ジャスダックS 6,230 0.0% -29.2%
4483 JMDC 東証マザーズ 8,220 18.4% 44.3%
4478 フリー 東証マザーズ 8,200 3.9% -8.2%
4194 ビジョナル 東証マザーズ 8,640 10.3% -
2782 セリア ジャスダックS 3,855 -2.0% 1.7%
1407 ウエストホールディングス ジャスダックS 6,310 25.7% 72.9%
【ご参考】 日経平均株価 - 29,215.52 3.5% 6.5%
  TOPIX - 2,026.57 2.2% 12.3%
  日経ジャスダック平均 - 4,033.39 1.5% 8.4%
  東証マザーズ指数 - 1,141.40 3.8% -4.6%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※新興市場(マザーズおよびジャスダック)の前月末時価総額上位10銘柄について、10/19時点での各種騰落率を掲載。
  • ※「週間」は10/12〜10/19の騰落率。
  • ※個別銘柄の「年初来」は昨年末時価総額と10/19時点の時価総額の比較。「-」は昨年末時点で上場していない銘柄。
  • ※指数の「年初来」は株価による単純計算。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

図表3 10/12(火)〜10/19(火)で株価上昇が大きかった新興市場銘柄

コード 銘柄名 市場 株価(10/19) 週間 年初来
7373 アイドマ・ホールディングス 東証マザーズ 6,700 32.1% -
1407 ウエストホールディングス ジャスダックS 6,310 25.7% 72.9%
6521 オキサイド 東証マザーズ 8,170 22.1% -
7826 フルヤ金属 ジャスダックS 9,280 21.3% 53.4%
4169 ENECHANGE 東証マザーズ 5,670 18.7% 175.9%
4483 JMDC 東証マザーズ 8,220 18.4% 44.3%
6337 テセック ジャスダックS 2,778 18.0% 210.0%
5381 Mipox ジャスダックS 1,180 16.7% 209.7%
6890 フェローテックホールディング ジャスダックS 3,515 16.2% 108.0%
4397 チームスピリット 東証マザーズ 899 15.4% -54.1%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※新興市場(マザーズおよびジャスダック・前月末時価総額100億円以上)において、週間の株価上昇率が大きい上位10銘柄を掲載。
  • ※「週間」は10/12〜10/19の騰落率
  • ※「年初来」は昨年末時価総額と10/19時点の時価総額の比較。「-」は昨年末時点で上場していない銘柄。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

2銘柄選択の尺度は「業績」に。好業績期待の新興銘柄とは

冒頭で触れましたように、今回は決算発表を直前に控えて、好業績が期待される銘柄をチェックしておきたいと思います。

以下のスクリーニング条件を全て満たした銘柄が図表4です。
(1)ジャスダック市場、または東証マザーズ市場に上場の銘柄。
(2)時価総額200億円以上。
(3)過去20営業日の1日当たり平均売買高が5万株以上。
(4)決算期が3月、または6月、9月、12月。
(5)今期(通期)予想営業利益が増益予想(黒字転換含む)。
(6)四半期営業利益(累計)の前年同期比増益率が、今期予想増益率以上。
(7)上記を満たさない場合、四半期営業利益(累計)の通期会社予想営業利益に対する進捗率が「標準」(※)以上。
  ※12月決算銘柄の場合は50%以上

図表4 好業績が期待される新興市場銘柄

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄 株価(10/19) 決算月 決算発表
予定日
四半期営業
増益率
今期予想営業増益率
4308 4308 4308 4308 Jストリーム 1,149 3 10/28(木) 134.6% 18.5%
3966 3966 3966 3966 ユーザベース 2,156 12 11/4(木) 黒字転換 1566.6%
4483 4483 4483 4483 JMDC 8,220 3 11/5(金) 131.4% 36.5%
4053 4053 4053 4053 Sun Asterisk 2,418 12 11/10(水) 42.6% 43.8%
7071 7071 7071 7071 アンビスホールディングス 8,680 9 11/11(木) 91.1% 92.6%
2150 2150 2150 2150 ケアネット 1,436 12 11/11(木) 200.4% 46.4%
4480 4480 4480 4480 メドレー 3,625 12 11/12(金) 81.9% 81.0%
6094 6094 6094 6094 フリークアウト・ホールディングス 1,876 9 11/12(金) 668.8% 325.5%
4493 4493 4493 4493 サイバーセキュリティクラウド 2,700 12 11/12(金) (進捗76.8%) 73.4%
6580 6580 6580 6580 ライトアップ 3,880 3 11/12(金) 665.4% 41.1%
4482 4482 4482 4482 ウィルズ 1,070 12 11/12(金) (進捗64.9%) 13.3%
2158 2158 2158 2158 FRONTEO 2,124 3 11/15(月) 1395.0% 136.6%
7082 7082 7082 7082 ジモティー 3,905 12 11/15(月) 76.9% 8.6%
  • ※Bloombergデータ、会社公表データ等をもとにSBI証券が作成。 ※「四半期営業増益率」は累計。3月決算銘柄は2021/4〜6期、9月決算銘柄は2020/10〜2021/6期、12月決算銘柄は2021/1〜6期が対象。 ※「今期予想営業増益率」は、会計基準の変更を加味していません。比較不能な場合は、カッコ書きで会社予想営業利益に対する進捗率を記載。アナリストが2社以上カバーしている銘柄は市場コンセンサスで、それ以外は会社予想営業利益。

以下、一部の銘柄について、投資ポイントをご紹介します。

Jストリーム(4308) ネット上で映像・音声等のコンテンツを配信

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2021/4/23〜2021/10/20 (日足)

■トランスコスモス・KDDIにより設立
1997年にトランスコスモス(現在保有比率44.5%)と現KDDI(同10.8%)により、インターネットを利用するストリーミング配信を行う会社として設立されました。
現在、企業の説明会、広告、教育映像、イベント映像や音楽、映画など、あらゆる映像・音声コンテンツを配信しています。また、映画・音声などをネットワーク配信するためのデジタル圧縮変換(エンコード)作業、ライブイベント会場での映像コンテンツの作成、製薬や金融などの業界で多く利用されるインターネット上でのプロモーション用の映像制作などのプロフェッショナル・サービスを提供しています。

■2022/3期・第1四半期は好調なスタート
2022/3期第1四半期(2021年4〜6月)の連結業績は、売上高31.7億円(前年同期比37.4%増)、営業利益5.6億円(同2.3倍)でした。
動画配信は、感染症対策も含めて需要が急増した各種イベントのライブ配信や、社内情報共有・教育等のオンデマンド動画配信ニーズに対応し、「ライブ中継サービス」や「J-Stream Equipmedia」を中心にサービス提供を推進しました。 2022/3期の連結業績予想は、売上高138.7億円(前期比6.9%増)、営業利益24億円(同2.5%増)を据え置いています。
なお、市場予想の営業利益は27億円超となっており、業績は上方修正含みと考えられます。

ユーザベース(3966) 企業向けデータサービスと経済データメディアを運営

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2021/4/23〜2021/10/20(日足)

■データサービスやニュース等を提供
「SPEEDA事業」、および「NewsPicks事業」等の運営を行っています。
「SPEEDA事業」(上半期・売上構成比41%)では、契約数に応じた利用料金を徴収。財務データ、統計データ、分析レポートなど、企業・業界分析を行う際に必要となる情報をインターネット上のプラットフォームを通じて提供。顧客基盤は金融機関やコンサルティング会社を中心に、事業会社にも広がっています。
また、「NewsPicks事業」(同47%)は有料課金収入と広告収入を主な収益源としています。各種メディアの経済ニュースや同社の編集・作成した記事を閲覧できるほか、各業界の専門家のコメントを閲覧、自分の意見を発言、ニュースを共有できるSNS(交流サイト)としての機能も備えています。

■2022/12期の見方は分かれる
2020/12期は営業利益1億円を計上も、米国事業の売却で特別損失を計上し、64.7億円の最終赤字になりました。
2021/12期上半期は売上高78.6億円(前年同期比23.8%増)、営業利益12.3億円(前年同期は5.5億円赤字)を計上。「SPEEDA事業」でID獲得が進んだうえ、「NewsPicks事業」では法人向け有料課金が堅調に増加しました。通期では、売上高156億円(前期比13.0%増)、営業利益13.8億円(同13.8倍)が会社予想。市場では営業利益17.3億円がコンセンサスになっています。
2022/12期については見方が大きく分かれています。
東洋経済は、人件費増により営業減益を予想。対する市場コンセンサスでは、営業利益28億円の見込みです。

Sun Asterisk(4053) 事業開発支援で成長

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2021/4/23〜2021/10/20(日足)

■事業開発支援で成長
2020年7月に東証マザーズに上場。
デジタルを活用した新たな事業開発を行うクリエイティブ&エンジニアリングサービスと、人材紹介のタレントプラットフォームサービスが両輪です。
クリエイティブ&エンジニアリングサービスでは、専門チームが顧客の事業アイデア創出からプロダクト開発までを支援。ベトナムのハノイ、ダナン、ホーチミンに拠点を持つ子会社を活用したグローバルITチームが顧客のニーズに合わせた素早いプロダクト改善を実施し、成長プロセスを高速で実行することで事業価値の最大化を目指します。 また、タレントプラットフォームサービスでは、デジタライゼーションを促進する人材の育成と、就職の支援を手掛けます。

■市場では中期的に大幅増益継続を予想
2021/12期・第2四半期の営業利益は前年同期比42.6%増となり、24.2%増益を見込む通期計画に対して好調を維持。進捗率も71.0%と「標準」(50%)を上回っています。 主力の事業開発支援への引き合いは活発なようです。

市場コンセンサスでは2021/12期に前期比43.9%の営業増益後、2022/12期に33%増、2023/12期に23%の営業増益が予想されています。
株価は第2四半期の決算発表(8/12)を経て、急騰局面となりました。その後は10/5(火)まで調整局面となりましたが、その後再びリバウンドとなっています。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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