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2024-12-10 17:38:08

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底入れ期待のマザーズ市場〜チャートツールで「これから上昇?」の銘柄は?

2022/3/16
投資情報部 鈴木 英之

東京株式市場では年初来、総じて株価が下落傾向をたどってきました。インフレ・金利上昇に対する懸念に加え、ウクライナ情勢の悪化が主因となり、投資家のリスク回避姿勢が強まってきました。同様に新興市場でも、株価下落局面が続きました。

ただ、3/14(月)〜3/16(水)には日経平均株価が3営業日続伸となるなど、東京株式市場は落ち着きを取り戻しています。原油価格の上昇が一服し、当面のインフレ懸念が後退したことが要因です。

そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、SBI証券WEBサイトのチャート分析ツールを使い、仮にリバウンド相場が本格化した時に、上昇しそうな銘柄を抽出してみました。

新興株ウィークリー新しいウィンドウで開きます。※YouTubeに遷移します。

執筆者のプロフィール
SBI証券 投資情報部長 鈴木 英之
・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味 ハロプロ(牧野真莉愛推し)の応援と旅行(のりテツ)
・特技 どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん
・よくいくところ 京都
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

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1東京株式市場は反発局面、ただし、東証マザーズ市場の上値は重い

2022年の東京株式市場は総じて冴えない展開です。年初来〔昨年末終値から3/11(金)終値まで〕の下落率は、日経平均株価が12.6%、日経ジャスダック平均が10.1%、東証マザーズ指数が32.2%となっています。インフレ・金利上昇に対する懸念に加え、ウクライナ情勢の悪化が主因となり、投資家のリスク回避姿勢が強まってきました。

上記のように、下落率では東証マザーズ指数が圧倒的で、昨年2/16(火)の取引時間中に付けた高値から、3/11(金)までの下落率は約50.0%に達しました。米10年国債利回りの上昇等もあり、世界的に金利上昇観測が強まり、グロース銘柄の多い東証マザーズ市場の下げが厳しくなりました。

ちなみに、米10年国債利回り(※)は昨年12/3(金)の1.34%から本年2/15(火)の2.05%まで上昇した後、3/1(火)1.72%まで低下していました。ウクライナ情勢の悪化で、リスク回避姿勢が強まり、株売り・債券買いの動きが強まったためです。しかし、その後は3/15(火)の2.14%まで再び上昇し、グロース株の多い東証マザーズ市場にとっては逆風が強まりました。

物色的には、上記のような投資環境から、高PERのグロース銘柄が売られました。時価総額上位銘柄(図表2)では、メルカリ(4385)や、ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)等の下げが目立ちました。株価上昇が大きかった新興市場銘柄(図表3)では、アドベンチャー(6030)の上昇が目立ちました。3/7(月)に子会社設立に関する発表を行った後、3/8(火)以降の株価は連騰となっています。

※Bloombergデータを使用。小数点第三位以下切り捨て。

図表1 日経ジャスダック平均と東証マザーズ指数の推移

  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※2021/6/30終値を1として指数化。
  • 期間:2021/6/30〜2022/3/15

図表2 主な新興市場銘柄の値動き

コード 銘柄名 市場 株価(3/15) 週間 年初来
2702 日本マクドナルドホールディングス ジャスダックS 4,925 -0.1% -3.2%
4385 メルカリ 東証マザーズ 2,750 -11.9% -53.1%
7564 ワークマン ジャスダックS 5,100 1.2% -7.3%
4816 東映アニメーション ジャスダックS 9,490 3.3% -17.1%
6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ ジャスダックS 3,800 -13.0% -21.8%
4194 ビジョナル 東証マザーズ 7,570 -3.1% -22.0%
7071 アンビスホールディングス ジャスダックS 4,770 -0.2% -9.8%
1407 ウエストホールディングス ジャスダックS 4,685 3.7% -18.2%
2782 セリア ジャスダックS 2,760 4.0% -17.2%
6425 ユニバーサルエンターテインメント ジャスダックS 2,480 5.8% 1.6%
【ご参考】 日経平均株価 - 25,346.48 2.2% -12.0%
  TOPIX - 1,826.63 3.8% -8.3%
  日経ジャスダック平均 - 3,506.87 1.6% -9.6%
  東証マザーズ指数 - 667.47 -2.1% -32.4%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※新興市場(マザーズおよびジャスダック)の前月末時価総額上位10銘柄について、3/15時点での各種騰落率を掲載。
  • ※「週間」は3/8〜3/15の騰落率。
  • ※個別銘柄の「年初来」は昨年末〜3/15の騰落率(株式分割等を加味した実質ベース)。
  • ※指数の「年初来」は株価による単純計算。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

図表3 3/8(火)〜3/15(火)で株価上昇が大きかった新興市場銘柄

コード 銘柄名 市場 株価(3/15) 週間 年初来
6030 アドベンチャー 東証マザーズ 7,730 24.9% 7.8%
5381 Mipox ジャスダックS 964 22.6% -0.9%
3936 グローバルウェイ 東証マザーズ 262 20.7% -13.5%
7638 NEW ART HOLDINGS ジャスダックS 1,311 18.3% 9.5%
4374 ROBOT PAYMENT 東証マザーズ 1,826 16.1% -37.4%
4235 ウルトラファブリックス・ホールディングス ジャスダックS 2,751 16.1% 44.1%
4837 シダックス ジャスダックS 392 16.0% -16.9%
3628 データホライゾン 東証マザーズ 1,816 15.8% -1.8%
7048 ベルトラ 東証マザーズ 422 15.6% -6.2%
7685 BuySell Technologies 東証マザーズ 2,820 15.5% -14.5%
  • ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※新興市場(マザーズおよびジャスダック)の前月末時価総額上位10銘柄について、3/15時点での各種騰落率を掲載。
  • ※「週間」は3/8〜3/15の騰落率。
  • ※個別銘柄の「年初来」は昨年末〜3/15の騰落率(株式分割等を加味した実質ベース)。※指数の「年初来」は株価による単純計算。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

2底入れ期待のマザーズ市場〜チャートツールで「これから上昇?」の銘柄は?

新興市場は大型株に比べ、出遅れ感が強い展開です。しかし、足元の株式市場は徐々に落ち着き始めています。FOMCが現地時間3/16(水)に通過し、米国の金利上昇が落ち着いてくれば、我が国のグロース株にも追い風が吹くかもしれません。

どのような銘柄の上昇が期待できるでしょうか。そこで、今回の「新興株ウィークリー」はチャート分析で銘柄を選んでみます。そこで、ご紹介したいのがSBI証券WEBサイトのチャート分析ツールです。今、SBI証券WEBサイトの国内株式ページで銘柄検索ウィンドウの右下に「チャート形状」という箇所があります。ここをクリックしてみてください。

そうすると、様々なパターンのチャート形状をもつ銘柄を抽出できるツールにたどり着きます。今回はここで、東証マザーズ銘柄の過去1ヵ月チャートを対象という条件で、「これから上昇?」と期待できるチャート形状に絞り、銘柄を抽出しました。

抽出された銘柄をさらに、Bloombergデータ、会社資料を使い、

・過去20日間の1日当たり平均出来高2万株以上
・今期会社予想純損益が黒字

という条件を満たす銘柄を、絞り込んだのが図表4です。

銘柄抽出は3/15(火)に行い、更に3/16(水)時点で見直した際ネガティブな評価に変わっていない銘柄のみ掲載しました。

図表4  SBI証券チャート分析ツールで「これから上昇?」に分類され、一定の出来高を有する銘柄

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄 株価(3/15) 今期予想増益率
7803 7803 7803 7803 ブシロード 1,300 黒字転換
7047 7047 7047 7047 ポート 733 黒字転換
2987 2987 2987 2987 タスキ 792 17.1%
2342 2342 2342 2342 トランスジェニック 388 284.6%
2497 2497 2497 2497 ユナイテッド 1,789 4.6%
3970 3970 3970 3970 イノベーション 2,052 19.5%
9214 9214 9214 9214 Recovery International 1,683 33.0%
7676 7676 7676 7676 グッドスピード 1,695 20.7%
  • ※当社チャートツール、Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
  • ※今期予想増益率は会社予想。

以下、2銘柄について詳細をご紹介します。

ブシロード(7803)〜スマホゲームやトレーディングカード軸に幅広くコンテンツを展開

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2021/12/16〜2022/3/16 15:00現在

■「新日本プロレス」にも展開

当社は、デジタルIP事業、ライブIP事業として、IP(知的財産)を活用した各種コンテンツ、イベント、グッズなどの企画、開発、製造、販売を手掛ける会社です。

デジタルIP事業は、TCG(トレーディングカードゲーム)部門、MOG(モバイルオンラインゲーム)部門、MD(マーチャンダイジング)部門、メディア部門で構成されています。トレーディングカードゲームの代表タイトルには「カードファイト!! ヴァンガード」があります。

モバイルオンラインゲームは「ブシモ」のブランドで、自社IPの「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」などを展開。ライブIP事業は、音楽ライブ等の事業を担う音楽部門、新日本プロレスリングなどスポーツ興行等の事業を担うスポーツ部門から構成されています。

■ 25日移動平均線を回復

2/24(木)1,074円、3/7(月)1,151円とダブルボトムを付けたうえ、ネックラインの3/1(火)高値の1,250円を超え、チャート上では底値が確認された形です。さらに3/15(火)は25日移動平均線も明確に回復してきました。

チャート的には強い形になってきたという印象です。次の節目は2/14(月)安値の1,412円(窓埋め)とみられます。

タスキ(2987)〜投資用住宅の開発販売およびDXコンサル

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • 期間:2021/12/16〜2022/3/16 15:00現在

■投資用住宅の開発販売およびDXコンサル

当社は、相続税対策、資産承継を目的に、1棟の新築投資用IoTレジデンスの開発、販売と、ソリューション提供を手掛けています。投資しやすい価格設定の上に、利便性、セキュリティーの向上に加え、資産価値を高めるため、最先端テクノロジーを導入しています。2019年10月からはフィンテックを活用した、企業の従業員向け福利厚生のアウトソーシングサービスを開始しました。

22年9月期第1四半期(21年10〜12月)の非連結業績は、売上高25億円(前年同期比34.0%増)、営業利益3.3億円(同64.3%増)でした。積極的な販売活動の結果、9件の引き渡しを行いました。21年10月には不動産投資型クラウドファンディングプラットフォーム「TASUKI TECH FUNDS」の提供を開始、第1号導入先が決定しました。12月には「TASUKI TECH TOUCH & PLAN」の社内運用を開始し、効果検証を行いながら外販開始に向けた機能改修などを行いました。

22年9月期の非連結業績予想は、売上高130億円(前期比41.5%増)、営業利益15.4億円(同23.1%増)を据え置きました。

■25日移動平均線回復。「ダブル底確認」なるか?

2/24(木)696円、3/8(火)729円とダブルボトムを付けた形で、これでネックラインの3/3(木)の863円を超えてくれば、チャート上の「底値確認」というさらに良い形になりそうです。3/16(水)に株価が25日移動平均線近辺に進んでおり、上昇期待が持てそうです。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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