長期金利が上がると株価が下がる
株価は、金利と密接な関係があります。
金利といってもさまざまありますが、ここでは「10年物国債」などの長期金利のことで、お金を借りるときの利息をイメージしても結構です。
株式投資の教科書には、公式のように「金利が上がると株価が下がる」「金利が下がると株価が上がる」と記されています。まずは、「そういうものなのか」と覚えてください。ただし、例外もありますから、そのしくみを説明しましょう。
金利と株価の公式
日本は公式と異なる経験を長くした
金利が上がると、企業が利息の支払いが増えるため、銀行からの借入を控えるようになります。資金調達が滞った企業は事業活動が低調になり、業績が悪化します。すると、株価も下がってしまいます。
金利が下がる場合は、これとは逆の展開で株価が上がります。
一方、投資家にとっては金利上昇が次のように影響を与えます。金利が上がって定期預金の金利が10%になったとすると、それまで株式投資に回していた資金を定期預金にする人が増えてきます。すると、株式投資の人気が相対的に下がり、参加する投資家の数も減り、株価が下がります。
ところが日本では、これがあてはまらない例外が続いたのです。
長期金利(長期国債10年物)と日経平均株価の推移
広い視点でみるときは公式の知識が必要
日本は長らく公定歩合をゼロ金利にしてきました。「金利が下がる」どころではなく、金利がゼロという状態です。しかし、このゼロ金利政策の間も、株価は上がりませんでした。
逆の高度成長期の日本や、最近の中国など、金利が上がっているという状況も存在します。
株式市場は多くの要素が複雑に絡み合って動いているため、必ずしも公式どおりにはなりません。ただし、全体で見るとそうなることのほうが多いのが公式です。世界の株式市場など、広い視点で見るときは必要な知識です。
日銀の2%インフレ目標で株価は?
現在、政府・日銀は長いデフレからの脱却を狙って、「2%のインフレ目標」をたてて、その実現のため、「異次元の量的・質的金融緩和」を行っています。中々、クリアが難しい目標ですが、実現のため政府・日銀は2%にインフレ目標を設定、その実現のため異次元の金融緩和を行って、様々な需要を喚起しています。
現在は、異次元の金融緩和によって、株式市場は総じて堅調ですが、実際にインフレ目標2%が達成された場合、日本の株式市場はどうなるのか、今後の注目が集まりそうです。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。