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深堀り!注目セクター【VOL.2 銀行】〜「海外」または「独自の収益モデル」が成長のキーワード〜

2015/6/30
投資調査部 鈴木英之

前回より新コーナーとしてスタートしました、名付けて「深堀り!注目セクター」。注目しているセクターはあるけど、そのセクターの将来性がよくわからない上、どの銘柄を買ったらよいかわからない。そう感じる投資家の方は少なくないと思います。そこで、「日本株投資戦略」の鈴木が月に2回(原則15日と月の最終営業日)、注目セクター(業種)の深堀りレポートを配信しております。注目セクターは、SBI証券で保有金額の多い銘柄を参考に選びました。

掲載直後にお役に立つことはもちろんのこと、各種セクターのレポートが蓄積した後も、あるセクターについて知りたいときに、参考にできるようなコーナーにしたいと思っております。今回は「銀行セクター」を取り上げます。改めて、よろしくお願い申し上げます。

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【銀行セクターのアウトライン】「3メガバンク」が圧倒的存在・・・海外にはさらなる大手も

「3メガバンク」で時価総額の57%を占める

銀行業界は、企業や家計から預かった資金(預金)を、おもに貸出金として運用しています。その他、有価証券等で運用をしたり、各種手数料収入を得たりもしています。銀行の業務は、一般的に資金の運用者(預金者)からみると、融資先の顔を直接見ることはできないので「間接金融」と言われ、証券会社の「直接金融」とは、区別して呼ばれることが多くなっています。

一口に、銀行といっても、主に融資を主業務とする普通銀行の他、資産運用・管理等を営む信託銀行など、いくつかの種類があります。このうち、普通銀行は大手企業等を融資先とするメガバンクと、地方の企業や個人を融資先とする地方銀行に分けられます。かつては、大手企業への融資は「都市銀行」や「長期信用銀行」が担っていましたが、「失われた20年」や金融危機を経て、現在は集約が進んでいます。

このうち、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループは、普通銀行をコアとしつつ、他の金融事業を営む企業も子会社とする一大金融グループを形成し「3メガバンク」と称されています。その時価総額は合計で、銀行セクターの57%にも達し、まさに日本における金融の中核を担っています。

図表1:「銀行業」における主力企業

取引 チャート コード 銘柄名 株価
(円)
時価総額
(百万円)
構成比
(対「銀行業」)
現買信買 チャート 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 885.8 12,550,771 26.8%
現買信買 チャート 8316 三井住友フィナンシャルグループ 5,413.0 7,654,283 16.4%
現買信買 チャート 8411 みずほフィナンシャルグループ 265.1 6,532,211 14.0%
現買信買 チャート 8309 三井住友トラスト・ホールディングス 565.5 2,207,422 4.7%
現買信買 チャート 8308 りそなホールディングス 674.4 1,567,385 3.4%
現買信買 チャート 8332 横浜銀行 758.5 951,213 2.0%
現買信買 チャート 8355 静岡銀行 1,284.0 854,026 1.8%
現買信買 チャート 8331 千葉銀行 930.0 814,235 1.7%
現買信買 チャート 8304 あおぞら銀行 456.0 752,467 1.6%
現買信買 チャート 8358 スルガ銀行 2,682.0 677,874 1.4%
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。構成比は、各銘柄の時価総額が業種合計の時価総額に占める比率。2015/6/29現在。東証一部上場の銀行を時価総額の大きい順に10社表にした。

東証一部で時価総額7.9%を占める

銀行は、東証一部上場企業として86社あり、東証一部1,880社の4.6%を占める大きな勢力になっています。時価総額ベースでは、図表2で示した通り東証一部の7.9%を占める主要業種のひとつになっています。

東証一部上場の「銀行」を収益でみたのが図表3です。一般の企業でいう「売上高」に相当する「経常収益」で並べると、上位5番目までは時価総額の順番と同じです。ちなみに、3メガバンクが東証一部「銀行」に占める比率は、経常収益、経常利益のどちらでみても、6割程度を占め、時価総額同様に圧倒的な存在になっています。

図表2:東証一部全時価総額の7.9%を占める「銀行業」

図表2:東証一部全時価総額の7.9%を占める「銀行業」
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。2015/6/29現在。

海外勢では、米中銀行が大きな存在に

時価総額の面、収益の面では、銀行の中でもメガバンクが圧倒的な存在ですが、比較対象を海外に向けると、少々異なった景色が見えてきます。

融資を中心とするいわゆる銀行業務の世界では、時価総額の面で中国の銀行の巨大さが目立ちます。中国工商銀行35.5兆円、中国建設銀行27.7兆円、中国銀行25.6兆円(6/29現在・Bloomberg調べ・円換算)等が上位です。投資銀行まで含め、総合金融的な観点では、米国勢も比較対象となり、JPモルガン・チェース31.5兆円、バンク・オブ・アメリカ22.5兆円、シティ・グループ21.0兆円等となっています。

なお、純利益(前期実績)の面では、中国工商銀行4.7兆円、中国建設銀行3.9兆円等、やはり、中国勢が大きな存在です。国内トップの三菱UFJフィナンシャル・グループが1.0兆円ですので、やや水をあけられている感じです。ただ、米国勢との比較では2.5兆円余りの純利益となるJPモルガン・チェースを除けば、十分対抗できる利益水準です。

図表3:「銀行」の経常収益・上位企業(前年度)

取引 チャート コード 銘柄名 経常収益
(百万円)
経常利益
(百万円)
利益率
現買信買 チャート 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 5,638,402 1,713,001 30.4%
現買信買 チャート 8316 三井住友フィナンシャルグループ 4,851,202 1,321,156 27.2%
現買信買 チャート 8411 みずほフィナンシャルグループ 3,180,225 1,010,867 31.8%
現買信買 チャート 8309 三井住友トラスト・ホールディングス 1,203,554 292,483 24.3%
現買信買 チャート 8308 りそなホールディングス 861,278 333,316 38.7%
現買信買 チャート 8303 新生銀行 397,394 73,082 18.4%
現買信買 チャート 8332 横浜銀行 305,462 108,074 35.4%
現買信買 チャート 8354 ふくおかフィナンシャルグループ 228,007 60,763 26.6%
現買信買 チャート 8331 千葉銀行 224,266 84,244 37.6%
現買信買 チャート 8355 静岡銀行 211,585 75,130 35.5%
  • ※Bloomberg、会社公表データをもとにSBI証券が作成。2015/6/29現在。
    東証一部上場の銀行のうち、経常収益の大きい順に10社を表にした。
2

【銀行業界の現状を深堀り!】一部輸出企業よりも為替変動に敏感・・・バリュエーション面で割安感が目立つ

「銀行業」と各種指数との関係性は?

図表4は、業種別株価指数「銀行業」とTOPIX(東証株価指数)の動きを比較したものです。

市場全体の動きを示すTOPIXと概ね連動した動きですが、2015年に入ったあたりから、銀行業の動きが市場全体をアウトパフォームする傾向となっています。日銀緩和・円安を背景とする製造業の「復権」から、内需の回復へと相場のテーマが変わってきたからかもしれません。

ちなみに、TOPIXとの相関係数(過去150週)は0.90と強く、東証33業種中第5位になっています。しかし、日経平均との相関係数(同)は0.83と、それに比べると低くなっています。
前述したように、銀行は東証時価総額の7.9%を占める大きなセクターですが、日経平均へのウェイトは1.3%と低くなっていることが要因とみられます。なお、この他の主要指標との相関係数は、

ドル・円・・・・0.604
原油相場・・・・・0.124
CRB商品先物指数・・・・・-0.009
10年国債利回り・・・0.224

となっています。ドル・円相場については円安の方が株価が上昇しやすいという「意外な結果」ですが、これは、円安の方がTOPIXや日経平均全般が上昇しやすく、それに銀行業の株価も引っ張られる傾向があるためと考えられます。それにしても、東証33業種中で、輸送用機器と精密機器に次いで第3位というのは、やや驚きです。

さらに驚きは、ユーロ・円相場との相関かもしれません。銀行指数とユーロ・円相場の相関係数は0.439と、ドル・円よりは低いですが、全業種中では商品・証券に次ぎ第2位です。過去150週の相関係数ですから、2012年8月以降なので、欧州問題が強く影響してそうです。すなわち、この間は、欧州の重債務国問題と、ユーロ相場と、日本の銀行株の間に、強い関係があったと考えられます。

ちなみに、銀行業は、利ざやを稼ぐビジネスで、長期金利が上昇し、短期金利との差が開いた方が、利益が増えやすいという指摘があります。このため、長期金利の上昇は、銀行株の上昇にもプラスとの見方があります。

金利の上昇局面は、景気の回復・拡大局面であり、融資先企業の貸し倒れが発生しにくい上、手数料ビジネスも拡大しやすいことは確かです。

ただ、長期金利である10年国債利回りとの相関係数は、決して強いとは言えないのが現実です。

相関係数

2つの指数・指標の間の連動性の強弱を示しています。
-1から+1までの値をとり、数字により次のような傾向があります。

1・・・・まったく同一方向に連動して動く
0・・・・相関性が全くない
-1・・・・まったく逆方向に動く

図表4:業種別指数「銀行」とTOPIX(週足150週)

図表4:業種別指数「銀行」とTOPIX(週足150週)
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。2015/6/29現在。2014年最終週を1として指数化している。

主要銀行のバリュエーション・業績見通し

なお、主要小売業の各種投資指標や、業績見通しは図表5および図表6の通りです。

東証一部の予想PERが16倍前後であることを考えると、主要銀行のPER(特にメガバンク)は総じて低めです。PBRも多くの銀行で、いわゆる「解散価値」とされる1倍を割り込んでいます。投資指標でみる限り、日本の銀行株は大きく出遅れていると考えられます。

国内での資金需要低迷が長期化しており、銀行にとっては国債運用が利益獲得の重要な手段でした。しかし、そうした国債運用も、日銀による量的緩和で、運用手段としては魅力を失いつつあります。株式市場は、こうした銀行の将来的な収益性を課題視しているのかもしれません。

図表5:主要銀行の投資指標

取引 チャート コード 銘柄名 予想PER
(倍)
ROE PBR
(倍)
現買信買 チャート 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 11.7 7.4% 0.73
現買信買 チャート 8316 三井住友フィナンシャルグループ 9.9 9.2% 0.72
現買信買 チャート 8411 みずほフィナンシャルグループ 10.5 8.6% 0.67
現買信買 チャート 8309 三井住友トラスト・ホールディングス 12.4 7.2% 0.81
現買信買 チャート 8308 りそなホールディングス 8.8 11.1% 0.73
現買信買 チャート 8332 横浜銀行 13.7 8.3% 0.94
現買信買 チャート 8355 静岡銀行 17.7 5.7% 0.92
現買信買 チャート 8331 千葉銀行 15.4 7.0% 0.95
現買信買 チャート 8304 あおぞら銀行 17.5 10.9% 1.33
現買信買 チャート 8358 スルガ銀行 19.4 12.1% 2.32
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。予想は市場コンセンサス。データは2015/6/29現在。ROEは会社発表数値(前期)。PBRの計算のもととなる純資産は前期実績値。

図表6:主要銀行の業績見通し

取引 チャート コード 銘柄名 予想純利益
(百万円)
予想純利益
(前年度比)
予想PER
(倍)
現買信買 チャート 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 1,073,278 3.8% 11.7
現買信買 チャート 8316 三井住友フィナンシャルグループ 769,759 2.1% 9.9
現買信買 チャート 8411 みずほフィナンシャルグループ 620,363 1.4% 10.5
現買信買 チャート 8309 三井住友トラスト・ホールディングス 178,431 11.8% 12.4
現買信買 チャート 8308 りそなホールディングス 178,701 -15.5% 8.8
現買信買 チャート 8332 横浜銀行 69,215 -9.3% 13.7
現買信買 チャート 8355 静岡銀行 48,299 -3.3% 17.7
現買信買 チャート 8331 千葉銀行 53,043 -7.0% 15.4
現買信買 チャート 8304 あおぞら銀行 42,975 -1.6% 17.5
現買信買 チャート 8358 スルガ銀行 34,867 6.0% 19.4
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。予想は市場コンセンサス。データは2015/6/29現在。
3

【銀行業界の今後を深堀り!】「海外」または「独自の収益モデル」が成長のキーワード

こうした中、日本の銀行が有力な投資対象として浮かび上がってくる要因がいくつか顕在化しつつあるとみられます。

(1)1997年〜98年に金融危機を経験し、不良債権処理を進めてきたため、世界の中でも相対的に経営安全度が高いという評価が固まりつつある。
(2)ノンバンクの過払い金返還がヤマ場を越し、それを抱える銀行グループの利益が増えやすくなっている。
(3)海外での融資が貸し出しの一定規模まで拡大し、収益への貢献が期待できるようになってきた。

そして、こうした追い風を強く受けられるのは、言うまでもなく、銀行業界で時価総額上位を占めるメガバンクであると考えられます。特に、海外事業拡大の動きは注目です。各社の開示基準に違いがあるため、一概には言えませんが、3メガバンクの海外貸出は全体の2〜3割に、その中心は米国やアジアとなっています。今後の米国景気の拡大やアジアの成長を、メガバンクは十分取り込める体制になってきていると考えられます。

なお、公的資金を2015年6月に完済したりそなホールディングスや、独自のATM展開で高収益力を誇るセブン銀行(8410)も、成長余地が膨らんできたと考えられます。

図表7:成長が期待される主要銀行の動き

取引 チャート コード 銘柄名 投資のポイント
現買信買 チャート 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 我が国最大の金融グループ。銀行、信託、証券等を抱える。95兆円弱の貸出のうち、海外向けが約29%。現地銀行が堅調。
現買信買 チャート 8316 三井住友フィナンシャルグループ 銀行、証券、消費者金融等を擁する我が国屈指の金融グループ。銀行単体の貸出68兆円のうち、海外店分等が28%弱。収益力が高い。
現買信買 チャート 8411 みずほフィナンシャルグループ メガバンクの一角。国内融資の伸び悩みを金融商品販売で補う。資産運用会社を統合し、収益柱の一角に。
現買信買 チャート 8308 りそなホールディングス 業務粗利益が前期に底打ちし、収益が改善傾向。土日・祝日に住宅ローンを融資するなど、サービス強化に力。公的資金完済。
現買信買 チャート 8410 セブン銀行 グループ店舗や、駅などの利便性の高い所にATMを設置し、高い利益率を誇る。外国人利用者も拡大で訪日外国人増加の追い風。
  • ※各種報道、会社資料等をもとにSBI証券が作成。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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