先週(2013年5月13日〜5月17日)の国内マーケットではREIT(不動産投資信託)マーケットが乱高下しました。それまでは、日銀の大胆かつ異次元の金融緩和に伴うREITの買入れ、及び脱インフレ期待などを背景に高値圏で強含みの展開が続いていましたが、株高を受けて債券投資へのリスクが意識されたことで、円債市場において中長期国債の利回りが急伸、特に指標となる10年長期国債利回りは一時、約1年1ヶ月ぶりの高水準まで上昇(債券価格は下落)しました。この国債利回りの上昇で、これまで高分配金利回りが好感されていたREITの投資妙味が低下、指数下落に拍車をかける格好となっています。
しかしながら、相場の下落はREITの利回りが上昇するということであり、利回りに着目した押し目買いが広がる可能性が高まってくることが想定できると思われます。特に、足元では東証一部の利回りは連日の株高を背景に低下傾向を辿っていますが、東証上場REITの加重平均利回りは2013年5月22日現在で3.588%と依然として優位性を維持しています。また、今後も追加的な金融緩和により、日銀のREIT買入れ枠の拡大などが期待できる可能性がある上、不動産市況の緩やかな回復で脱デフレの筆頭候補としての注目度も高いと思われます。指数の下げ止まりのキッカケ、及び利回り妙味からの押し目買いのタイミングを見極めていくべきではないかと考えられます。
図1 REIT指標と長期金利の推移
- ※各種市場データを基にSBI証券が独自に作成
株高やそれに伴う債券投資リスクの台頭は気になるところであり、今後も国債利回りとの連動性を見極めていかなければならないのも事実です。ただ、安定的に分配金を受け取れるということは魅力的であり、事業の安定性などを加味すると下げた局面でのREITニーズは次第に高まると思われます。
下記の表1は時価総額800億円以上で予想分配金利回りが高い銘柄を掲載しましたので、投資をする際の参考とされたい。
表1:(参考)REIT時価総額から見た予想分配金利回り上位ランキング
|
コード |
銘柄名 |
時価総額 |
予想分配金利回り |
---|---|---|---|---|
1 |
8956 |
833 |
4.72 |
|
2 |
8985 |
1,004 |
4.36 |
|
3 |
3281 |
1,825 |
4.35 |
|
4 |
8959 |
1,739 |
4.31 |
|
5 |
8972 |
1,248 |
4.29 |
|
6 |
3240 |
859 |
4.25 |
|
7 |
8984 |
1,400 |
4.17 |
|
8 |
8986 |
925 |
4.17 |
|
9 |
3263 |
912 |
4.13 |
|
10 |
8968 |
1,085 |
4.12 |
- ※各種データを基にSBI証券が独自に作成
- ※2013年5月22日現在の時価総額800億円以上で予想分配金利回り4%以上で抽出し、上位10銘柄を掲載
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。