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マーケット > レポート >  日本株投資戦略 〜『好業績&レーティング引き上げ銘柄』を先取り!?1Qの決算内容を検証〜

日本株投資戦略 〜『好業績&レーティング引き上げ銘柄』を先取り!? 1Qの決算内容を検証〜

2013/8/16
投資調査部 鈴木英之

2013年4月〜6月期は大幅増収/増益、年間の業績拡大ペースも継続へ

東証上場企業の2013年4〜6月期の決算発表が一巡しました。3月期決算の主要企業(※1)の売上高は前年同期比で9%増となり、本業の儲けを示す営業利益は前年同期比28%増、純利益は56%も増加しました。上場企業が大幅な増収・増益を達成できた理由は、主に以下3点とみられます。

(1) 為替相場が円安に転換(当四半期の平均ドル/円相場は99円、前年同期の80円から19円、23%の円安)したこと
(2) 「アベノミクス」(安倍首相の経済対策)への期待で株価が上昇し、資産効果もあり、消費が回復したこと
(3) 米国経済の回復が顕著になってきたこと

図1は、これら東証上場企業の営業利益を四半期ベースでみたものです。リーマン・ショック(2008年9月)後、回復途上にあった同利益水準は、東日本大震災(2011年3月)や円高(2011年8月には一時1ドル75円台まで進行)で伸び悩みました。しかし、当四半期に至り、ようやくリーマン・ショックの起きた2008年7〜9月期の水準を回復。2007年10〜12月期のピーク水準に対し78%の水準を回復しています。
なお、2014年3月期(通期)は、営業利益が前年度比25%増加する見通しとなっています。前期(2013年3月期)の年間・平均ドル・円相場は83円、ユーロ・円相場は107円ですので、現在の為替水準(1ドル96円、1ユーロ128円)でも、10数%の円安/ドル高/ユーロ高の円安効果が見込めますので、これが追い風になると見られます。今後、米国経済の回復に促される形で、中国や欧州の景気も回復してくれば、企業業績の拡大が加速してくる可能性も大きいと考えられます。

(※1)東証一部の時価総額1千億円以上(2013/8/9現在)の3月期決算銘柄で、銀行、証券・商品先物、保険、電力を除く全企業を対象とした。前期と今期の業績データが取れる銘柄が対象。

図1 3月期決算主要企業の営業利益(四半期利益)
図2 3月期決算主要企業の営業利益(年度利益)

Bloomberg、会社公表データをもとに、SBI証券投資調査部作成。
東証一部の時価総額1千億円以上(8/9現在)の3月期決算銘柄で、銀行、証券・商品先物、保険、電力を除く企業が対象。図1横軸は四半期終了年月を、図2横軸は年度終了年(2013年3月期ならば「2013年」と表記)を示している。2014年3月期は会社予想。2007年以降の連続した業績データのある企業。

2013年4月〜6月期決算発表で大きく上昇した銘柄・大きく下落した銘柄

今回の決算発表を通じ、株価が決算公表直後に大きく上昇した銘柄を「表1」に、大きく下落した銘柄を「表2」に示しています。ランキングの対象とした銘柄は、前述の東証1部上場で3月期決算とした主要企業です。
大きく上昇した企業「表1」は、2013年4〜6月の利益(ここでは営業利益)が、前年同期(2012年4〜6月期)に比べて、大きく増加した銘柄がほとんどとなっています。このうち、TOTO(5332)シチズンホールディングス(7762)日本電産(6594)は、通期(2014年3月期)の利益見通しも上方修正されています。投資家にとっては、前向きな驚き(ポジティブ・サプライズ)となり、株価は上昇しやすくなります。なお、通期見通しが上方修正されなくとも、四半期決算の増益率が高ければ、通期見通しが現在の会社予想を上回る期待が大きいとみられます。株価は投資家のそうした期待を反映して、上昇するケースが多いと言えます。まれに、四半期決算が減益でも、株価が上昇するケースはありますが、その理由は、アナリスト予想よりよかったケースや、直前に「警戒感」から株価が下落し、織り込み済みになっていたケースなどが想定されます。
逆に下落した企業「表2」は、赤字転落(ヤマダ電機(9831)日清紡ホールディングス(3105))や、業績予想下方修正(ニコン(7731)等)などが主因となっています。また、四半期営業利益が大幅に減益となった場合、投資家が通期業績見通しの達成に疑問を抱きやすくなるので、株価にはマイナス要因となりやすくなります。ただ、四半期業績が良くても、事前の投資家の期待が高かったため、売上や営業利益といったコアの部分での業績予想上方修正がなかったエイベックス(7860)などは、大きく下落してしまいました。

表1 決算発表後の株価上昇率が大きかった企業

(金額単位:百万円)

銘柄
コード

銘柄名

決算発表日

決算前後
騰落率

当四半期
営業利益
(実績値)

営業利益
増減率
(前年同期比)

当期会社予想
営業利益

会社予想
営業利益増減率
(前年度比)

5332

2013/07/31

16.4%

4,467

151.2%

33,300

42.5%

7762

2013/08/09

16.2%

3,541

7.9%

19,500

68.8%

4182

2013/08/01

15.6%

6,848

513.1%

16,000

40.1%

4183

2013/08/01

14.5%

9,302

34.0%

28,000

552.7%

8281

2013/08/02

14.2%

4,540

6.8%

12,896

7.1%

7988

2013/07/30

13.9%

3,223

15.0%

11,500

9.0%

5214

2013/07/24

13.8%

3,359

-56.9%

18,000

27.9%

6594

2013/07/23

13.7%

18,080

-19.7%

75,000

325.5%

7313

2013/07/31

12.2%

10,422

82.5%

28,500

17.7%

6961

2013/07/30

12.0%

4,094

389.6%

13,000

185.4%

表2 決算発表後の株価下落率が大きかった企業

(金額単位:百万円)

銘柄
コード

銘柄名

決算発表日

決算前後
騰落率

当四半期
営業利益
(実績値)

営業利益
増減率
(前年同期比)

当期会社予想
営業利益

会社予想
営業利益増減率
(前年度比)

9831

2013/08/08

-16.3%

-3,888

赤字

45,900

35.3%

7731

2013/08/08

-15.4%

6,032

-74.2%

65,000

27.4%

7860

2013/08/08

-13.7%

3,011

32.8%

15,600

11.2%

3774

2013/08/06

-13.1%

1,305

-5.0%

9,400

21.2%

6727

2013/07/30

-12.2%

1,035

24.7%

11,380

43.8%

7296

2013/07/26

-10.7%

2,773

8.4%

13,000

18.6%

3105

2013/08/07

-10.1%

-678

赤字

14,000

4.5%

9086

2013/07/26

-9.6%

3,026

-41.4%

26,500

35.7%

2871

2013/07/30

-9.6%

2,464

-40.3%

17,000

-5.2%

7205

2013/07/26

-9.6%

31,979

110.0%

85,000

30.5%

Bloomberg、会社公表データをもとに、SBI証券投資調査部作成。
決算発表前日(休日の場合は直前営業日終値)と決算発表翌日株価(休日の場合は直後営業日)を比較。
当四半期は2013年4〜6月の期間を、当期は2014年3月通期を表す。

レーティング引き上げ対象となるような銘柄が予想できる!?

決算発表前後をはさみ、株価が大きく動くケースが多いことは、前項からも明らかであると考えられます。したがって、次回の決算発表には、投資対象銘柄の業績動向に注意を払うべきであることは言うまでもありません。
ただし、決算発表が終わりではありません。決算発表翌日から、次の決算発表へ向けての歩みが始まると考えてよいでしょう。決算発表と同時に多くの企業が、アナリスト向けの決算説明会を開催します。アナリストは通常、この決算説明会参加を経て下した評価をもとに、株価格付け等を行います。ただし、多くのアナリストにとって、この段階でもいまだ企業分析の初期段階です。多くの場合、アナリストはさらに、企業訪問や電話取材等を通じ、その決算に対する理解を深め、企業を再評価してゆくことになります。そして、これらのアナリストの「株価格付け(レーティング)」によっても、株価が大きく動くケースがあります。

ちなみに、アナリストはどのような場合に、株価格付け(レーティング)を引き上げるのでしょうか。一概には言えませんが、アナリストが分析して導き出した業績予想(特に利益)が、会社の見通しを上回る場合が代表的です。この場合「会社の見通しは保守的(慎重すぎる)ため、将来、上方修正される可能性も大きい」として、格付けを上げることになります。この時、アナリストは調査対象企業が属す産業やライバルの動向を、同時に調査することが多いとみられます。そして、バリュエーション面でも割安感が強ければ、さらに「強気」の度が増すことになります。
我々投資家が、同じような手法を取れれば、投資成績は着実に向上すると期待されます。しかし、実際には、相当に難しいといわざるを得ません。そこで、大きなヒントとなるのが4〜6月期決算の実績なのです。
下の表3は、@前年同期比で増益した"当四半期営業利益額"が、A前年比で(会社側が)増益を予想している"通期営業利益額"に対し、どの程度の割合になっているかをB達成率とし、その比率が大きい順に並べました。加えて、今期の営業利益見通しが、アナリスト見通しよりも下回る「保守的」な計画の企業に絞りました。
つまり、「実績は良かったものの、会社予想が保守的であり、アナリストはもっと利益を上げることが可能と予想している企業」と言えましょう。

決算発表シーズンという大きなイベントを通過した後は、決算内容を踏まえて、このような目線でスクリーニングし、個別銘柄を探すのも良い投資手法と言えるのではないでしょうか。

表3 アナリストによる「好評価」が期待できそうな主力企業

(単位:百万円)

コード

銘柄

当四半期
営業利益
(実績値)

当期会社予想
営業利益

当期市場予想
営業利益
(市場コンセンサス)

@
当四半期
営業利益
増減額
(前年同期比)

A
当期
会社予想
営業利益増減額
(前年度比)

B
達成率

4661

25,863

82,780

100,270

9,026

1,313

687.4%

5706

5,227

17,100

19,700

2,697

543

496.7%

7262

43,250

135,000

151,871

5,413

1,960

276.2%

9409

6,708

14,000

16,925

1,552

584

265.8%

9987

1,149

12,800

14,225

2,513

1,524

164.9%

6724

8,010

37,000

40,708

24,127

15,745

153.2%

4182

6,848

16,000

19,322

5,731

4,579

125.2%

5233

9,174

48,000

54,196

8,684

7,341

118.3%

7313

10,422

28,500

32,725

4,710

4,281

110.0%

7205

31,979

85,000

110,406

16,750

19,882

84.2%

5232

3,777

16,000

17,778

1,639

2,041

80.3%

9962

5,164

17,500

19,220

491

691

71.1%

3092

2,874

10,320

11,717

1,238

1,790

69.2%

7270

69,635

198,000

269,333

52,303

77,589

67.4%

6806

8,094

25,000

28,805

2,673

4,015

66.6%

4205

8,680

27,000

32,510

2,087

3,304

63.2%

6967

4,546

6,300

15,368

2,061

3,288

62.7%

6395

4,682

15,500

17,100

2,787

4,575

60.9%

7012

16,752

60,000

67,008

10,011

17,938

55.8%

7261

36,515

120,000

170,360

34,715

66,064

52.5%

7203

663,383

1,940,000

2,420,249

310,240

619,110

50.1%

6981

24,941

100,000

115,605

18,833

41,364

45.5%

7988

3,223

11,500

13,025

421

951

44.3%

8136

4,678

21,500

23,741

570

1,302

43.8%

4063

45,530

170,000

196,154

5,192

12,957

40.1%

5334

10,816

38,000

44,625

5,500

14,246

38.6%

6961

4,094

13,000

16,133

3,258

8,446

38.6%

6506

6,364

24,000

26,610

4,184

10,930

38.3%

7735

2,210

6,500

7,288

3,989

13,486

29.6%

1662

5,512

20,722

23,026

1,870

6,816

27.4%

Bloomberg、会社公表データをもとに、SBI証券投資調査部作成。
東証一部・時価総額1千億円以上で、3月期決算の主要企業。達成率の大きい順に表示。市場コンセンサスの予想営業利益を、会社予想営業利益で割った数値が10%以上の企業に絞っている。「市場コンセンサス」は、8月12日時点のコンセンサスを採用。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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