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マーケット > レポート > 日本株投資戦略 >  「波乱の秋相場」は「実力派好業績銘柄」で乗り切れ!?

「波乱の秋相場」は「実力派好業績銘柄」で乗り切れ!?

2016/09/09
投資調査部 鈴木英之

9月の「メジャーSQ」も終わり、秋相場の本番が近付いています。澄み渡る秋空のように透明感の強い相場を期待したいところですが、なかなかそうはいかないようです。秋相場を前に、長雨の季節のような不透明感が覆っているようです。

株式相場を覆っている雲の正体は、読み切れない日米の金融政策や為替相場、企業業績などであると考えられます。日経平均株価は約3ヵ月ぶりに17,000円を付け、形の上では「上放れ」になってきましたが、上昇加速には至っていません。様々な不透明要因を背景に、物色の主役が定まり切らないためです。

そこで今回の「日本株投資戦略」では、オーソドックスに、今後活躍が期待できる「実力派好業績銘柄」を抽出し、ご紹介することにしました。株式市場の不透明感が強い時には、そのような銘柄の株価も低迷を余儀なくされ、むしろ投資好機となっている可能性があるためです。「実力派好業績銘柄」を仕込み、「本格的な秋相場」に備えたいところです。

1

仕込み好機?「実力派好業績銘柄」はコレ!?

表1は東京株式市場に上場する主力銘柄(時価総額1,000億円以上、金融・電力等を除く)のうち、資本を効率よく生かす力が相対的に大きい上、当面好業績が予想される銘柄を抽出したものです。具体的なスクリーニング条件は以下の通りです。

(1)時価総額1,000億円以上(9/8現在)で、金融、電力、ETF、REITを除く銘柄
(2)今期予想営業利益(市場コンセンサス)が過去4週間で1%超、上方修正されている銘柄
(3)来期予想営業利益(市場コンセンサス)が10%超の増益予想である銘柄
(4)連結ROE(株主資本利益率)が10%超の銘柄
(5)今期予想PER(市場コンセンサス)が30倍未満の銘柄

表1は、上記の全条件を満たす銘柄を「実力派好業績銘柄」と定義し、来期予想営業増益率が高い順に並べたものです。

表1:仕込み好機?「実力派好業績銘柄」はコレ!?

取引 チャート コード 銘柄名 株価
(9/8)
今期予想
営業増益率
今期予想
営業利益
4週変化
来期予想
営業増益率
連結
ROE
連結予想
PER
現買信買 チャート 4849 エン・ジャパン 2,034 29.3% 1.0% 20.8% 13.1% 23.7
現買信買 チャート 8876 リログループ 14,970 24.7% 2.0% 16.1% 21.4% 24.6
現買信買 チャート 2270 雪印メグミルク 3,365 30.4% 5.8% 15.0% 11.4% 20.6
現買信買 チャート 2181 テンプホールディングス 1,705 16.8% 3.4% 14.4% 13.0% 19.3
現買信買 チャート 2269 明治ホールディングス 9,880 13.1% 1.8% 13.6% 14.9% 25.2
現買信買 チャート 4321 ケネディクス 473 25.0% 7.0% 12.7% 10.6% 11.6
現買信買 チャート 1860 戸田建設 539 -2.1% 6.7% 11.0% 11.3% 9.0
現買信買 チャート 4217 日立化成 2,321 -5.7% 1.7% 11.0% 10.6% 13.6
現買信買 チャート 9449 GMOインターネット 1,383 16.2% 1.5% 11.0% 21.6% 20.9
現買信買 チャート 8036 日立ハイテクノロジーズ 3,875 -4.4% 3.2% 10.4% 11.2% 15.1
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。計算の元となる予想営業利益・純利益は今期、来期ともにBloombergが集計した市場コンセンサス。ROEは前期純利益を前期純資産で割って計算。

冒頭でご説明したように、株式相場を覆う不透明感でもっとも重要なもののひとつに「企業業績」があげられます。日経平均株価の予想EPS(一株利益)は、2016/4〜6月期の決算発表が終わった8月半ばには1,200円超ありましたが、9月に入り1,180円台まで低下しています。日経平均株価を計算している日本経済新聞社が、日経平均構成銘柄の業績見通しを見直しているためと考えられます。前四半期決算が終了した時点では、会社側から業績見通しを下方修正する企業は多くなかったものの、日本経済新聞社は今後、業績予想の下方修正を決断する企業が多いとみているのかもしれません。

このような中、アナリストが企業調査の結果、業績見通しを引き上げている企業は、それなりに希少価値があると考えられます。したがって、今回のスクリーニング条件では(2)が大きなポイントといえるかもしれません。ただ、今期予想営業利益について、増益であることを条件としなかったのは、輸出企業をいたずらに排除したくなかったためです。円高による減益見通しのかなりの部分は、ある程度株価に織り込みが進んだと考えられます。ただ、現状で為替の影響が小さくなる来期見通しについては、高めの増益率が予想されていることを条件としました。

厳しい事業環境下で、着実に利益を計上できる企業は、資本効率に長けた企業であることも多いと思います。そこで「実力派企業」を抽出する手段としてROEを使いました。無論、市場シェアや競争力の他、定性分析などで実力派企業を抽出することもできるでしょうが、全銘柄を正しく比較することは難しいので、ここでは客観的な条件を用いることにしました。

2

「実力派好業績銘柄」の投資ポイント

我が国の有効求人倍率は現在1.37倍(2016/7)で、1991年以来の高水準になっています。こうした中、生産年齢人口の減少を背景とする構造的な人材需要の高まりを背景に、求人・派遣関連銘柄の業績が好調です。

エン・ジャパン(4849)はネット求人大手です。2017/3期は営業利益が前期比11.4%増の予想ですが、第1四半期は前年同期比46.4%増益と好調なスタートでした。我が国の7月求人広告件数は前年同期比で15.9%増と事業環境は良好な状態が続いています。株価は8/18高値から押し目を形成しており、仕込み好機となっている可能性があります。

なお、転勤留守宅の賃貸管理や福利厚生代行を手掛けるリログループ(8876)や人材派遣大手のテンプホールディングス(2181)も同じ追い風に乗る企業とみられます。

景気変動への抵抗力が強く、近年株式市場で注目されている「最小分散投資」で組み込まれることの多い食品株ですが、表1で取り上げた2社の業績は好調です。雪印メグミルク(2270)は今期7.1%の営業増益見通し(会社計画)ですが、第1四半期は約4割の増益率をキープしています。明治ホールディングス(2269)も今期減益見通し(会社計画)ですが、第1四半期は3割超の営業増益です。

図2は雪印メグミルク(2270)のチャートです。200日移動を下値支持ラインにリバウンドの兆しがみえ、25日移動平均が下げ止まりそうになっています。

ケネディクス(4321)は不動産ファンド大手です。今後も緩和的金融政策が長期化することがより明確になれば、それが追い風になりそうです。10月末までに1,200万株を上限とする自社株買いを実施中で、8月末までに538万株を購入済みです。

戸田建設(1860)は業績堅調ですが、予想PER、連結PBRともに低位で割安感が強い銘柄と考えられます。第1四半期末の純資産を基準とした場合、BPSは531円と計算され、時価以下では下げ渋る可能性も強まりそうです。

日立化成(4217)および日立ハイテクノロジーズ(8036)は半導体関連の一角です。半導体シリコンサイクルが浅くなる兆しを見せており、2社に限らず関連銘柄は幅広く注目される可能性がありそうです。

図1:エン・ジャパン(4849)日足

図2:雪印メグミルク(2270)日足


  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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