日経平均株価は10月に5.9%、11月に5.1%、12月も16日現在で前月末比6%近い上昇率になっています。しかし、株価の上昇が永久に続く訳ではなく、下がる時もあります。そこで投資パフォーマンスをあげるには配当や株主優待の権利を着実に享受しておくことが重要だと考えられます。
そこで、今回の「日本株投資戦略」では、権利付最終日が接近してきた12月決算銘柄の中から、好配当利回りが見込め、株主優待も享受できる10銘柄をご紹介したいと思います。
「好配当利回りが見込め、株主優待も享受できる12月決算銘柄」はコレ!? |
12月末に決算を迎える企業の権利付最終日が12/27(火)に接近しています。今回の「日本株投資戦略」では、そうした12月決算銘柄の中から好配当利回りが見込め、株主優待も享受できる銘柄をご紹介します。
スクリーニング条件は以下の通りです。
(1)権利付最終日が12/27(火)の12月決算銘柄で、株主優待を実施する予定の企業
(2)予想年間配当利回り(会社予想ベース)が東証1部の平均(1.68%)以上
(3)株主優待を受けるための最低投資金額が20万円未満
下表は、上記の全条件を満たす銘柄を、当社「株主優待検索」のページで「閲覧回数順」の上位から10銘柄並べたものです。
東証一部の予想配当利回りは平均で1.68%(12/15現在)です。したがって、予想配当利回りがそれ以上期待できる銘柄は、株主還元の面で相対的に魅力が大きいと考えられます。表の銘柄は、そうした市場平均を上回る配当利回りにとどまらず、株主優待の権利も受けられる銘柄であり、投資妙味はその分大きいと考えられます。
キリンホールディングス(2503)は、12月に株主優待の権利が確定する全147銘柄の中で「閲覧回数順」トップ企業(12/16現在)です。ほとんど全ての投資家がその名を知る有名企業であり、時価総額も1.7兆円を超える大企業です。投資経験の少ない投資家が中長期投資の観点で保有する際に、相対的な安心感が強いと考えられます。また表の中では、すかいらーく(3197)なども知名度が高い企業と言えるでしょう。
なお、(2)および(3)の条件にこだわらなければ、サッポロホールディングス(2501)や第一屋製パン(2215)、不二家(2211)、楽天(4755)、日本マクドナルドホールディングス(2702)など知名度の高い企業も株主優待実施予定企業です。
近年、多くの企業でクオカードの提供を株主優待にしているようです。本質的に株主優待は、自社製品等を提供して自社の業務内容を知ってもらうなど、実施企業にとっては「広告宣伝」の意味もあることも多いわけですが、クオカードですと、そうした効果を期待できないというデメリットがあります。しかし投資家にとっては、全国的に多くの店舗で使うことができる利便性は大きな魅力であり、実際に好まれる投資家の方も多いようです。
表1:好配当と株主優待の両面で魅力?の12月決算銘柄
取引 | チャート | コード | 銘柄名 | 株価 (12/15) (円) |
予想一株 年間配当 (円) |
実施済み 中間配当 (円) |
予想配当 利回り (年間) |
最低投資金額での株主優待内容 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2503 | キリンホールディングス | 1,916 | 38 | 19 | 2.0% | 酒類、清涼飲料詰め合わせ等を1点選択 | ||
3197 | すかいらーく | 1,612 | 38 | 15 | 2.4% | 優待食事券(1,000円相当) | ||
5959 | 岡部 | 999 | 24 | 12 | 2.4% | クオカード(500円相当) | ||
5816 | オーナンバ | 453 | 10 | 5 | 2.2% | クオカード(500円相当) | ||
9384 | 内外トランスライン | 1,178 | 30 | 15 | 2.5% | 商品(1,500円相当)をカタログより選択 | ||
4286 | レッグス | 874 | 18 | 0 | 2.1% | クオカード(1,000円相当) | ||
9757 | 船井総研ホールディングス | 1,790 | 36 | 15 | 2.0% | クオカード(500円相当) | ||
9656 | グリーンランドリゾート | 392 | 8 | 3 | 2.0% | 遊園地等無料入場券2枚(北海道・九州) | ||
4245 | ダイキアクシス | 1,134 | 30 | 15 | 2.6% | クオカード(1,000円相当) |
- ※Bloombergデータ、および当社WebサイトのデータをもとにSBI証券が作成。配当政策や株主優待の内容は2016/12/16現在のものであり、その後は変更される可能性もあります。また、上記の「最低投資金額での株主優待内容」は、単元株数分その銘柄を買った場合の優待内容であり、優待内容は投資株数によって異なる場合があります。正確な株主優待内容については各社公式サイト等でご確認ください。なお、予想配当利回りは中間配当、期末配当をすべて受け取った場合の利回りになります。
配当や株主優待を活かし、より豊かな株主ライフを |
多くの投資家にとり、株式投資における最大の魅力は、値上がり益の追求かもしれません。その意味では、日経平均株価は10月に5.9%、11月に5.1%上昇し、12月も16日現在で前月末比6%近い上昇率になっています。このような動きが今後も続くのであれば、株式市場は魅力的な存在であり続けることになるでしょう。
しかし、株価が毎月上昇し続ける訳ではないことは明らかです。当然、株価下落が長引く局面は今後も出現すると考えられます。そうした意味で、確保できる利益は着実に確保し、少しでも投資パフォーマンスをあげる努力は必要でしょう。その意味で、配当や株主優待の権利を享受できるのであれば、着実に享受しておくことは大切であると考えられます。
図1は、東証一部の予想配当利回りと一般的な金利水準の象徴としての10年国債利回りを比較したものです。東証一部の予想配当利回りは1.68%(12/15現在)で、10年国債利回りである0.085%を1.595%上回っています。この数字は一時に比べれば縮小したものの、過去5年間の中ではまだ上位の方にあり、配当利回りの相対的な魅力はいまだ大きいと考えられます。これに株主優待の活用も取り入れることで、株主ライフをより豊かなものにしたいものです。
図1:金利水準と比べ相対的な魅力は依然大きい配当利回り
- ※日経新聞が公表の東証一部市場データおよび国債利回りデータをもとにSBI証券が作成。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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