国内株式相場は少し落ち着きを取り戻してきたようです。日経平均株価は2/14(水)に一時20,950円まで下げましたが、その後は22,000円台を回復する場面もありました。米長期金利の上昇傾向は続いていますが、そろそろいい所まできたとの見方が出ている上、米国の景気・企業業績拡大基調自体には変化がないとの考え方が有力なようです。
そうした中、2月に株主の権利が確定する銘柄の権利付最終日である2/23(金)の取引が終わりました。投資家の関心はいよいよ「3月優待銘柄」に移ると考えられます。SBI証券の株主優待検索ページに掲載されている1,441銘柄のうち、「3月優待銘柄」の数は802銘柄にのぼります。今回の「日本株投資戦略」では、「3月優待銘柄」からどんな銘柄を選んで投資したらよいのか、そのヒントを「3つの視点」から探っていきたいと思います。
好配当・好業績が期待され、「金券」を株主優待に実施予定の銘柄 |
最初に、好配当・好業績が期待され、「金券」の贈呈を株主優待に実施予定の銘柄をご紹介したいと思います。クオカードをはじめとする「金券」は全国の多くの小売店・外食店で使用できるため、投資家にとっては利便性が高く、人気は高いといえます。
スクリーニング条件は以下の通りです。
(1)3月決算銘柄であること
(2)「3月優待銘柄」で当社サイトでの閲覧回数順ランキング100位以内であること
(3)最低投資単位(ここではすべて100株)での投資金額が20万円未満であること
(4)最低投資単位(ここではすべて100株)で株主優待の権利を受け取ることができる銘柄であること
(5)株主優待の権利を受け取る時に最低保有期間等の制限がないこと
(6)予想配当利回りが2%超の銘柄であること
(7)株主優待として「金券」(クオカード、JCBカード他)の贈呈を計画している銘柄であること
(8)第3四半期累計の営業利益が前年同期比で増益となっている銘柄であること
以上の条件をすべて満たす銘柄を年間の予想配当利回りが高い順に並べたものが表1となります。なお、予想配当利回りは中間配当と期末配当のすべてを受け取った時の利回りになります。
表1:好配当・好業績が期待され、「金券」を株主優待に実施予定の銘柄
取引 | チャート | コード | 銘柄名 | 株価 (2/22) |
中間配当 通期配当 |
予想配当 利回り |
最低投資単位での優待内容 | Q3累計 増益率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3023 | ラサ商事 | 927 | 15.0 | 3.24% | 500円相当の自社オリジナル・クオカード | 9.2% | ||
30.0 | ||||||||
8697 | 日本取引所グループ | 1,852 | 24.0 | 2.59% | 1,000円相当のクオカード | 18.5% | ||
48.0 | ||||||||
4671 | ファルコホールディングス | 1,730 | 20.0 | 2.54% | 1,000円相当のクオカード | 2.9% | ||
44.0 | ||||||||
1976 | 明星工業 | 768 | 8.0 | 2.34% | JCBギフトカード1,000円相当 | 3.6% | ||
18.0 | ||||||||
5909 | コロナ | 1,348 | 14.0 | 2.08% | クオカード500円相当 | 23.7% | ||
28.0 |
- 当社Webサイト、会社公表データをもとにSBI証券が作成。「中間配当」は2017/9末実績、「通期配当」は2018/3通期(年間)の会社予想一株当たり配当。予想配当利回りは下段の「通期配当」を株価(2/22)で割って求められた数値。なお、最低投資単位での株主優待(3月)内容の概要は、必ずしも株主優待内容のすべてを示している訳ではありません。正確な株主優待内容は各社Webサイト等でご確認ください。なお、上記5銘柄の権利付最終日はすべて3/27(火)になっています。「Q3累計増益率」は2017年4〜12月期の営業増益率(前年同期比)。
投資家や活用の仕方によっては「お得度」が高いとみられる株主優待実施企業は? |
表2では、自社商品やサービス等を株主優待として提供している企業を掲載しています。優待や割引の金額が大きい順に掲載しています。
スクリーニング条件は、表1の銘柄と(1)〜(5)までは共通しています。追加的な条件としては、最低投資金額での優待や割引の金額が合計で2,000円を超える銘柄とします。
これらの銘柄の株主優待の注意点としては、投資家の住所や嗜好等によって、株主優待で受ける商品やサービスの「お得度」や満足度が異なりやすいということです。外食店や宿泊施設であれば、自分の住んでいる場所の近くにある場合とない場合では異なります。例えば、お酒が好きな投資家にとってはワタミの株主優待は魅力的かもしれませんが、きらいな投資家にとっては魅力度が低いと感じられることでしょう。また、表2で最上位の銘柄は三井松島産業ですが、利用できる施設は京都、山梨、石川、三重、福井等の8施設であり、投資家によっては交通費が高くなるケースも出てきます。
表2:「割引」や「優待」等の金額が大きく、投資家によっては「お得度」が高いとみられる銘柄
取引 | チャート | コード | 銘柄名 | 株価 (2/22) |
中間配当 通期配当 |
予想配当 利回り |
最低投資単位での優待内容 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1518 | 三井松島産業 | 1,469 | 0.0 | 2.72% | 宿泊割引券(3,000円相当)2枚。自社子会社運営宿泊施設にて利用可 | ||
40.0 | |||||||
7918 | ヴィア・ホールディングス | 719 | 0.0 | 0.00% | 優待券5,000円相当。国内自社グループ店舗(一部店舗除く)で利用可 | ||
0.0 | |||||||
3205 | ダイドーリミテッド | 474 | 0.0 | 2.11% | 自社取扱商品(衣料品・雑貨)4,500円相当 | ||
10.0 | |||||||
7524 | マルシェ | 816 | 5.0 | 1.23% | 株主優待飲食券(1,000円)3枚 | ||
10.0 | |||||||
2730 | エディオン | 1,309 | 13.0 | 1.99% | 優待券(500円)6枚。2,000円の買物ごとに1枚利用可 | ||
26.0 | |||||||
7522 | ワタミ | 1,307 | 0.0 | 0.38% | 優待券(500円)6枚。自社グループ店舗、宅食事業で利用可。 | ||
5.0 | |||||||
7421 | カッパ・クリエイト | 1,270 | 0.0 | 0.00% | 株主優待カードのポイント(3,000円分)を付与 | ||
0.0 | |||||||
4837 | シダックス | 509 | 0.0 | 2.95% | レストランカラオケ割引券(540円)5枚 | ||
15.0 |
- 当社Webサイト、会社公表データをもとにSBI証券が作成。「中間配当」は2017/9末実績、「通期配当」は2018/3通期(年間)の会社予想一株当たり配当。予想配当利回りは下段の「通期配当」を株価(2/22)で割って求められた数値。なお、最低投資単位での株主優待(3月)内容の概要は、必ずしも株主優待内容のすべてを示している訳ではありません。正確な株主優待内容は各社Webサイト等でご確認ください。なお、上記8銘柄の権利付最終日はすべて3/27(火)になっています。
表3では、活用によって株主優待の「お得度」が異なって感じられやすい銘柄をあげています。スクリーニング条件は、表1の銘柄と(1)〜(5)までは共通しています。これらの全条件を満たす銘柄の中から、活用によって株主優待の「お得度」が異なって感じられやすい銘柄を例示しています。
日産自動車の場合は、新車を購入する計画の有無により、株主優待の魅力度は大きく異なるとみられます。三越伊勢丹ホールディングスでは、利用限度額が大きいので、それをフル活用するか否かで大きく異なると思われます。ただ、表3に掲載した銘柄は、株主優待をフルに活用した場合、魅力度は相当に大きいと思われます。
表3:【ご参考】活用の仕方によって「お得度」が大きく異なるとみられる株主優待実施企業
取引 | チャート | コード | 銘柄名 | 株価 (2/22) |
中間配当 通期配当 |
予想配当 利回り |
最低投資単位での優待内容 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
7201 | 日産自動車 | 1,112 | 26.5 | 4.77% | 新車購入時特典(5,000円相当のギフトカード、5,000円相当のカタログギフト) | ||
53.0 | |||||||
3289 | 東急不動産ホールディングス | 805 | 7.0 | 1.80% | リゾートホテル宿泊優待券1枚、宿泊優待共通券2枚、スポーツ優待共通券2枚 | ||
14.5 | |||||||
3099 | 三越伊勢丹ホールディングス | 1,262 | 6.0 | 0.95% | 株主優待カード(10%割引)(利用限度額30万円) | ||
12.0 | |||||||
2764 | ひらまつ | 551 | 7.0 | 2.91% | 自社経営レストラン・ホテル10%割引 フェアへの有償招待 婚礼飲食代10%割引 オンラインショップでワイン20%割引 |
||
16.02 |
- 当社Webサイト、会社公表データをもとにSBI証券が作成。「中間配当」は2017/9末実績、「通期配当」は2018/3通期(年間)の会社予想一株当たり配当。予想配当利回りは下段の「通期配当」を株価(2/22)で割って求められた数値。なお、最低投資単位での株主優待(3月)内容の概要は、必ずしも株主優待内容のすべてを示している訳ではありません。正確な株主優待内容は各社Webサイト等でご確認ください。なお、上記4銘柄の権利付最終日はすべて3/27(火)になっています。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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