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2024-11-05 06:35:14

マーケット > レポート > 日本株投資戦略 >  消費税引き上げで活躍期待大きい「生活防衛関連銘柄」は!?

消費税引き上げで活躍期待大きい「生活防衛関連銘柄」は!?

2019/9/27
投資情報部 鈴木英之

9月末に配当や株主優待の権利が確定する銘柄について、9/27(金)は「権利落ち日」となりました。日経平均株価の配当落ち影響額は160円程度と推定されますが、その株価下押し圧力もあり、この日の日経平均株価は169円34銭安となりました。

こうした中、東京株式市場は10月相場に突入します。10/1(火)は2019年の日本経済における最大級のイベントである消費税の引き上げが予定されています。米中通商摩擦の影響もあり、企業業績が踊り場を迎える中、消費税の引き上げで個人消費が打撃を受ければ、景気や企業業績がさらに下振れることが心配されます。

ただ、株式市場ではたくましく、こうした変化を投資チャンスと捉えている投資家も少なくないようです。特に「生活防衛関連」と位置付けられる銘柄の中にはにわかに、動意付く銘柄も出てきているようです。今回の「日本株投資戦略」では、そうした「生活防衛関連」銘柄にスポットを当て、ご紹介を試みたいと思います。

1消費税引き上げで活躍期待大きい「生活防衛関連銘柄」は!?

冒頭でも触れましたように、10/1(火)は2019年の日本経済における最大級のイベントである消費税の引き上げが予定されています。普通に考えれば、株式市場にとって「悪材料」に過ぎませんが逆に、たくましく、こうした変化を投資チャンスと捉えている投資家も少なくないようです。特に「生活防衛関連」と位置付けられる銘柄の中にはにわかに、動意付く銘柄も出てきているようです。

今回の「日本株投資戦略」では、以下の条件で「生活防衛関連」銘柄を絞り込んでみました。

(1)東証1部または2部の上場銘柄であること・・・・新興市場銘柄は機会を改めてご紹介します。
(2)メディアまたは当社Webサイトで「生活防衛関連銘柄」として紹介されている銘柄であること。
(3)前期実績・今期予想(会社予想)ともに営業増益の銘柄であること・・・・業績が好調な銘柄に絞り込みたいと思います。
(4)直近発表の四半期決算(累計)が営業増益となっている上、以下の条件を満たす銘柄であること・・・下方修正リスクが限定的とみられます。
・四半期営業増益率(累計)が今期予想営業増益率を上回っていること。
・または、四半期営業利益進捗率(累計)が、第1四半期ならば25%超、第2四半期ならば50%超、第3四半期ならば75%超であること。
(5)10/4(金)以前に決算発表を予定している銘柄でないこと。

上記の全条件を満たす銘柄をコード番号順に並べたものが表1となります。なお、銘柄名の前に◎を付けた銘柄は、当社Webサイトで、株式市場で話題になっている投資テーマに基づいた投資を容易にする「テーマキラー!」でもご紹介している銘柄となっています。同サイトでもご説明しているように、関連銘柄の中長期的パフォーマンスはTOPIXを上回っています。

例えば、消費税が引き上げられると一般的に、消費者の多くが生活防衛行動を取るとみられ、価格に一層敏感になると考えられます。価格比較サイトの草分け的存在である「カカクコム」の存在意義が改めて重視されるかもしれません。同社は今期、営業利益267億円(前期比6.5%増)を予想していますが、第1四半期の営業利益は前年同期比16.0%増となっており、まずまず好調なスタートと言えそうです。

なお、「生活防衛関連」銘柄には、小売・外食業(2月・8月決算が多い)が多く、10月上・中旬に決算発表を予定している会社も少なくありません。このため、メディア等による業績観測記事で株価が変動するケースも想定されますので注意が必要です。

表1 消費税引き上げで活躍期待大きい「生活防衛関連銘柄」は!?

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄 株価
(9/27)
予想営業
増益率
四半期
増益率
銘柄ポイント
2371 2371 2371 2371 カカクコム 2,653 6.5% 16.0% 価格比較に便利
2652 2652 2652 2652 まんだらけ 608 0.8% 10.9% 漫画専門古書最大手
2670 2670 2670 2670 ◎エービーシー・マート 6,960 2.9% 3.9% スポーツシューズが柱
3038 3038 3038 3038 神戸物産 5,080 4.9% 23.0% 業務スーパー
3046 3046 3046 3046 ジンズホールディングス 6,380 19.4% 24.5% 眼鏡等を製造小売
3093 3093 3093 3093 ◎トレジャー・ファクトリー 1,380 0.4% 26.5% リサイクルショップ
3179 3179 3179 3179 シュッピン 1,068 9.0% 53.2% 中古品ネット販売
3349 3349 3349 3349 ◎コスモス薬品 21,560 0.1% - 九州中心にドラッグストア
3376 3376 3376 3376 オンリー 823 7.4% 4.3% 紳士服製造小売り
7532 7532 7532 7532 ◎パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 1,800 4.6% - 「ドン・キホーテ」を運営
9278 9278 9278 9278 ブックオフグループホールディングス 1,251 16.1% - 中古本首位
9936 9936 9936 9936 王将フードサービス 6,930 3.0% 26.3% 「餃子の王将」を展開
  • ※Bloomberg、会社公表データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。予想営業増益率は今期会社予想。四半期増益率は、直近公表した決算が四半期決算の場合、その累計営業増益率で、本決算の場合は「-」としている。なお、表1は9/26(木)までの情報をもとに作成されており、その後に報道や業績修正があった場合、反映できない場合がありますので、注意が必要です。

2生活防衛関連銘柄の投資ポイント

最後に、生活防衛関連銘柄の一部について、投資ポイントを、短期的な業績推移とともにご説明します。

神戸物産(3038)
業務スーパーを展開、といっても一般消費者も購入可能。海外からの直輸入により安価な商品提供を可能にしています。

足元はタピオカブームに乗り、若い世代を呼び寄せたことに加えて、人気 TV 番組など メディアにおける紹介効果も大きく、客数の大幅な増加による既存店売上高の 好調が続いているようです。同社の場合、普段は広告宣伝をほとんどしていないため、メ ディアへの露出効果が大きいと考えられます。さらに、メディア露出の件数増加のみならず、メ ジャーなメディアが増えていることも効果を大きくしているとみられます。

9/12(木)に発表された2019年10月期・第3四半期(累計)営業利益は前年同期比23.0%増。 既存店売上高が前年同期比6.5%増と好調に推移。売上総利益率に ついても、国内グループ工場や自社輸入商品など粗利益率の高い PB 商品の 販売が好調、日欧EPA による関税の引き下げ効果もあり、前年同期比0.9pt改 善したことが大きく寄与しました。

SBI証券・企業調査部の9/24(火)付レポートでは、目標株価5,000円で投資判断「中立」としています。

ジンズホールディングス(3046)
眼鏡の小売店舗「JINS」を運営。駅ビル、SC、スーパーなどの店舗内立地が多いですが、今後はロードサイドへの出店を増やしていく意向です。中国にも出店しています。安価かつ均一料金(5、8、12千円の3種類)の商品が特徴です。デザインも海外デザイナーを起用するなど意匠性が高く、TVのCMなども活用して一気に知名度を上げました。

2019年8月期の営業利益は72.5億円(前年度比19.4%増)の予想ですが、第3四半期累計の営業利益は前年同期比24.5%と好調。本決算の発表は10/11(金)の予定です。

トレジャー・ファクトリー(3093)
1997年からリサイクルショップ事業を開始し、FCを含め多店舗展開を開始。インターネットでの通信販売も手がけています。2007年にマザーズに上場、2014年に東証1部に市場変更となりました。店舗展開では家電、家具、雑貨、衣料品、スポーツ用具など専門形態の出店を特徴としています。

家電、家具などの大型商品の構成比が約2割を占めます。出張買取体制を含む自社仕入れの比率が8割前後と高いのがポイント。2020年2月期の会社側計画では0.4%営業増益予想。ただし、第1四半期は26.5%増と好調なスタートでした。8月・中間決算の発表は10/9(水)の予定です。

図1 神戸物産(3038)・日足

図2 ジンズホールディングス(3046)

図3 トレジャー・ファクトリー(3093)

  • ※図1〜図3は当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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