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2024-12-14 10:52:07

マーケット > レポート > 日本株投資戦略 >  3月に権利確定の「好配当利回り銘柄」〜20万円未満で買える銘柄のランキングも

3月に権利確定の「好配当利回り銘柄」〜20万円未満で買える銘柄のランキングも

2022/2/25
投資情報部 鈴木英之

2月第4週(2/21〜2/25)の東京株式市場では、日経平均株価(週足)が一時、前週末比5.0%以上下げるなど、続落となりました。ウクライナ情勢については、ロシアが同国への軍事衝突に踏み切る中、西側諸国が経済制裁で対抗するなど、混迷の度合いを強めています。ただ、日米株式市場では、大きく下げてきたハイテク株等に押し目買いが入るなど、相場の底入れを先取りする動きも出始めています。

そうした中、東京株式市場では2/25(金)から受け渡しベースで「3月相場」に突入しました。多くの企業が決算期末を3月としているので、3月に配当の権利を確定する銘柄が多くあります。ウクライナ情勢は何かと「不安の種」になりやすいですが、株安の中での「配当取り」となれば、中長期的なパフォーマンス向上につながる面もありそうです。

そこで、今回の「日本株投資戦略」では、3月決算銘柄を主な対象とし、「好配当利回り」が狙える銘柄を抽出してみました。

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。ぜひ、ご視聴ください。

日本株投資戦略新しいウィンドウで開きます。※YouTubeに遷移します。

執筆者のプロフィール
SBI証券 投資情報部長 鈴木 英之
・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味 ハロプロ(牧野真莉愛推し)の応援と旅行(乗り鉄)
・特技 どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん
・よくいくところ 京都
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

13月に権利確定の「好配当利回り銘柄」〜20万円未満で買える銘柄のランキングも

株式投資の目的とは何でしょうか。一般的には、預貯金に並ぶ資産運用の手段のひとつと言えるでしょう。元金が減ってしまう可能性もありますが、うまく運用することができれば、預貯金よりも資産を増やすことが可能です。

応援する気持ちで、中長期的に成長しそうな企業をみつけ、ある程度長い期間保有することで、安定した運用を行うこともできます。その際、単に値上がり益の獲得だけを狙うのではなく、定期的に配当を獲得しながら、トータルの収益を引き上げることが重要となります。

そこで重要となるのが、配当利回りです。株価に対し、1株当たりの配当が何%かを示す指標で、一般的にはその年度の予想1株配当をベースに考えます。今回の「日本株投資戦略」では、3月決算銘柄を中心に、予想配当利回りの高い銘柄を選んでみました。

図表1は、主要銘柄の中から、予想配当利回りの高い順に10銘柄を抽出したものです。抽出条件は以下の通りです。

(1)東証1部上場銘柄であること。
(2)時価総額1千億円以上であること。
(3)業績予想を公表しているアナリストが2名以上いる銘柄であること。
(4)証券商品先物業の銘柄を除く。

東証1部の主力銘柄について、予想配当利回り(Bloomberg集計の市場コンセンサス)の高い銘柄を10銘柄並べた形になっています。
海運や鉄鋼など、業種的に重複している銘柄もあれば、3月決算以外の銘柄もあります。

図表2の銘柄は、上記全条件に加え、以下の条件を加えて抽出した銘柄になっています。

(1)3月決算銘柄であること。
(2)業種の重複は除くこと。
(3)最低投資単位(100株)での投資金額が20万円未満であること。
(4)予想PER(Bloombergベースの市場コンセンサス)が15倍以下の銘柄であること。
(5)今期予想PBR(同)が1.0倍以下の銘柄であること。

図表2の銘柄は、これらの条件をすべて満たし、予想配当利回り(Bloombergベースの市場コンセンサス)の高い順に10銘柄並べたものです。
予想配当利回りは、あくまでも年間にもらえる予定の1株配当を株価で割ったものです。
東証1部企業の7割弱は3月末が本決算です。東証1部の平均予想配当利回りは2.25%(2/24現在)ですから、第10位の銘柄でも、予想配当利回り4%台というのは平均をかなり上回っています。
しかし、株式投資である以上、業績や株価が変動し、最悪の場合は配当が予想から減ってしまう時もあります。このランキングでは、(3)の条件があるため、仮に2022/2/24(木)の終値ベースで計算すると、投資金額120万円弱で、図表2の10銘柄すべてに分散投資をすることが可能となり、リスク分散も可能であると考えます。

なお、SBI証券では単元株未満でのお取引を可能とする「S株」のサービスも提供しています。「S株」でも配当を受けとることはできます。株式投資初心者の方であれば、「S株」で保有し、配当を受け取りながら「株主ライフ」のスタートを切られてはいかがでしょうか。

図表1 好配当利回り銘柄(東証1部・時価総額1,000億円以上他)

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄 株価(2/24) 予想配当利回り 予想1株配当金(円)
      9104 商船三井 8,760 10.81% 947.03
      9101 日本郵船 9,800 10.12% 991.54
      5411 ジェイ エフ イー ホールディングス 1,671 8.14% 136.00
      5401 日本製鉄 2,020 6.98% 140.91
      2914 日本たばこ産業(12) 2,191.5 6.92% 151.67
      4902 コニカミノルタ 475 6.24% 29.64
      1820 西松建設 3,825 5.89% 225.17
      2121 ミクシィ 2,237 5.74% 128.33
      8304 あおぞら銀行 2,635 5.55% 146.16
      9504 中国電力 892 5.61% 50.00
  • BloombergデータをもとにSBI証券が作成。銘柄名右に(12)とある銘柄は12月決算銘柄。

図表2 20万円未満で買える好配当利回り銘柄(東証1部、時価総額1,000億円以上、低PER・低PBR)

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄 株価(2/24) 予想配当利回り 予想1株配当金(円) 予想PER 予想PBR
      5411 ジェイ エフ イー ホールディングス 1,671 8.14% 136.00 3.65 0.52
      6178 日本郵政 941.2 5.31% 50.00 7.78 0.26
      8411 みずほフィナンシャルグループ 1,566 5.13% 80.39 6.86 0.42
      5020 ENEOSホールディングス 453.7 4.95% 22.44 4.53 0.56
      8053 住友商事 1,829 4.99% 91.25 5.75 0.81
      1808 長谷工コーポレーション 1,458 4.80% 70.00 7.28 0.94
      5105 TOYO TIRE 1,529 4.58% 70.00 6.45 0.84
      4005 住友化学 554 4.33% 24.00 6.18 0.80
      8593 三菱HCキャピタル 595 4.44% 26.40 8.62 0.67
      9503 関西電力 1,179 4.24% 50.00 15.00 0.61
  • BloombergデータをもとにSBI証券が作成。

2抽出銘柄のコメント

ここでは、図表2でご紹介した銘柄の一部について、業務内容や配当を中心に、コメントを掲載します。

ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)〜予想配当利回りは8%台、インフレ・金利上昇にも強いバリュー銘柄

  • 期間:2021/8/31〜2022/2/25 13:00時点(日足)
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■国内第2位の高炉メーカー

当社は、粗鋼生産量で国内第2位の高炉メーカーです。鉄鉱石を原料に、鉄鋼製品を生産する「鉄鋼事業」が主事業です。鉄鉱石や原料炭の価格などが上昇傾向ですが、大口需要家向け長期契約に関する「ヒモ付き価格」の引き上げや早期価格転嫁の交渉を進めたことで利幅が拡大し、業績は改善傾向です。

経常利益は2022/3期・上半期で1,932億円(前年同期から3,139億円の増加)でしたが、第3四半期(10〜12月期)も1,106億円(同2.2倍)と改善傾向を維持しています。これを受け、会社側は2/8(火)付で、上半期の1株60円に続き、下半期に同80円、通期で140円とする配当計画を発表。予想配当利回りは会社計画でも8%を超える見込みとなっています。

■「インフレ」「金利上昇」へも強い?

時価総額を「親会社所有者に帰属する持分」で割ったPBRは約0.6倍(第3四半期末・実績)で、会社予想EPSに対するPERも約4倍にとどまっており、典型的なバリュー銘柄と見受けられます。このため、今後金利が全般的に上昇し、バリュー銘柄優位の投資環境になった場合、相対的に有利な投資環境が長期化するかもしれません。

東証33業種の中で「鉄鋼」は、CRB商品先物指数との相関係数も0.393(2022/2/24までの10年間・月足ベース)と、上位から5番目で、インフレ圧力にも強い銘柄と考えられます。

住友商事(8053)〜大手総合商社の中では予想配当利回りが高め

  • 期間:2021/8/31〜2022/2/18 14:00時点(日足)
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■今期最高益を更新へ

1919年に「住友総本店」を中心に、「大阪北港」として設立しました。その後、1952年に社名を現社名へ変更しました。現在は住友グループの総合商社となっています。

売上構成比(前期)は資源・化学品が24%、生活・不動産が24%、金属が20%、輸送機・建機が15%となっています。歴史的には、北米鋼管事業に強みをもっています。

業績は好調です。2/4(金)に今期業績予想が上方修正され、予想純利益は従来予想から800億円上方修正され、4,600億円(前期比6,130億円増加)と最高益を更新する見込みです。上方修正後の年間配当は1株110円を見込みます。

■予想配当利回りは大手総合商社の中で最高見通し

大手総合商社5社(伊藤忠、丸紅、住友商事、三井物産、三菱商事)の予想配当利回り(会社予想)は平均(2022/2/25時点)で4%を超えた程度です。そうした中、当社の予想配当利回り(同)は、5%台と平均を大きく超え、総合商社の中ではもっとも高くなっています。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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