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2024-10-13 09:00:33

マーケット > レポート > 日本株投資戦略 >  《3月株主優待銘柄》10万円未満で買え、好配当も期待の20銘柄は?

《3月株主優待銘柄》10万円未満で買え、好配当も期待の20銘柄は?

2022/3/18
投資情報部 鈴木英之

東京株式市場が落ち着きを取り戻してきました。ロシアとウクライナの停戦に向けた動きに期待感が強まってきたことや、FOMC(現地時間3/15〜3/16)が大過なく終わったこと、中国が経済や市場の活性化策を検討し始めたこと等が要因と考えられます。

そうした中、東京株式市場は、「3月末に権利が確定する配当・株主優待実施銘柄」の権利付最終日まで残る営業日はあとわずかです。そこで、今回の「日本株投資戦略」では、3月末に配当と株主優待の両方を実施する予定の銘柄について検討し、総合的に株主還元の魅力度が高いと考えられる銘柄を抽出してみたいと思います。

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。ぜひ、ご視聴ください。

日本株投資戦略新しいウィンドウで開きます。※YouTubeに遷移します。

執筆者のプロフィール
SBI証券 投資情報部長 鈴木 英之
・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味 ハロプロ(牧野真莉愛推し)の応援と旅行(乗り鉄)
・特技 どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん
・よくいくところ 京都
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

1《3月株主優待銘柄》10万円未満で買え、好配当も期待の20銘柄は?

東京株式市場が落ち着きを取り戻してきました。日経平均株価は3/14(月)から3/18(金)にかけて5営業日続伸となり、3/9(水)の安値からすると、2000円以上の上昇になりました。ロシアとウクライナの停戦に向けた動きに期待感が強まってきたことや、FOMC(現地時間3/15〜3/16)が大過なく終わったこと、中国が経済や市場の活性化策を検討し始めたこと等が要因と考えられます。

現地時間3/17(木)には、複数の債券保有者により、ロシアからのドルでの利払いが確認されたと報道され、ロシアのデフォルトが当面回避されたとみられることから、さらに安心感が強まっています。

そうした中、東京株式市場では、3月相場が後半戦に突入しました。「3月に権利が確定する配当・株主優待実施銘柄」のほとんどが3/29(火)を権利付最終日としています。そこまでの残る営業日はあとわずかです。そこで、今回の「日本株投資戦略」では、3/29(火)が権利付最終日で、配当と株主優待の両方を実施する予定の銘柄について検討し、総合的に株主還元の魅力度が高いと考えられる銘柄を抽出してみたいと思います。

以下、すべての条件を満たす銘柄をSBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い順(3/17時点)に20銘柄並べたものが図表1です。

(1)東証1部上場銘柄(証券は除く)。
(2)3/30に株主優待の権利確定を予定している3月末決算銘柄であること。
(3)株主優待の権利獲得に必要な最低投資金額が10万円未満の銘柄であること。
(4)3/17(木)までの10営業日で、1営業日あたりの最低売買高が1万株以上あること。
(5)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がないこと。
(6)継続企業の前提に疑義が生じている銘柄でないこと。
(7)2021/4〜12期の営業損益(同勘定項目がない場合は最終損益)が黒字。
(8)株主優待の内容がクオカード等金券の場合,1000円以上、お米券の場合2kg分以上。
(9)年間予想配当利回りが東証1部市場の予想配当利回り(3/17現在2.21%)以上であること。

今回は、配当と株主優待の両方を実施する予定の銘柄を分析対象としており、現物株での投資を前提に検討しております。

配当や株主優待の権利確定の際には、配当落ちや権利落ちにご注意ください。また、信用取引を活用した「つなぎ売り」をした場合、株主優待の権利確保でリスクを下げるメリットが期待できる一方で、実質的に配当を受け取れなくなるというデメリットがあります。これらを含めて下記注意事項の(ⅰ)〜(ⅲ)に十分ご注意ください。

今回のスクリーニングでは、(3)にあるように、株主優待の権利獲得に必要な最低投資金額が10万円未満の銘柄に絞っていますので、投資金額(予算)が100万円でも最低10銘柄(諸コスト未考慮)に分散投資することができます。これにより、業績変動等による株価変動リスクにも相当対応できると考えられます。

(ⅰ)配当落ち・権利落ちに関するご注意
3/29(火)が権利付最終日の場合、3/30(水)以降買い付けても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。
また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃると想定します。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多いです。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいと考えられます。

(ⅱ)つなぎ売りのメリット・デメリットについて
コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保できる可能性のある方法が「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点(下記(ⅲ)の注意点を御参照ください)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

(ⅲ)つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」について
権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受け取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがって、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。

  • ※現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。
  • ※一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。
  • ※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

図表1 《3月株主優待銘柄》10万円未満で買え、好配当も期待の20銘柄は?

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄 株価(3/17) 2021/9末配当(円) 2022/3末予想配当(円) 今期予想配当利回り 株主優待に必要な最低投資単位を保有する株主に対する株主優待内容の概要
4611 4611 4611 4611 大日本塗料 818 0.00 25.00 3.06% クオカード1,000円相当
9995 9995 9995 9995 グローセル 443 0.00 12.00 2.71% クオカード1,000円相当
8385 8385 8385 8385 伊予銀行 647 8.00 8.00 2.47% 今治タオル
7482 7482 7482 7482 シモジマ 977 11.00 11.00 2.25% クオカード1,000円相当
8596 8596 8596 8596 九州リースサービス 595 8.00 8.50 2.77% クオカード1,000円相当
8714 8714 8714 8714 池田泉州ホールディングス 185 3.75 3.75 4.05% (200株)定期預金金利アップクーポン(0.1%)
3167 3167 3167 3167 TOKAIホールディングス 894 15.00 15.00 3.36% 天然水(500ml)12本他から選択
7874 7874 7874 7874 レック 914 17.00 17.00 3.72% 3,000円相当の製品詰合せ
9997 9997 9997 9997 ベルーナ 695 9.50 9.50 2.73% 通信販売優待券1,000円他から選択
9324 9324 9324 9324 安田倉庫 975 12.00 12.00 2.46% おこめ券2kg分
9788 9788 9788 9788 ナック 992 9.00 28.00 3.73% 自社グループ会社商品(化粧品)
7743 7743 7743 7743 シード 506 0.00 12.00 2.37% 株主優待券、自社商品セット他から選択
8242 8242 8242 8242 エイチ・ツー・オー リテイリング 859 12.50 12.50 2.91% 株主優待券5枚他
8308 8308 8308 8308 りそなホールディングス 537.8 10.50 10.50 3.90% 「クラブポイント」のポイント付与(毎月)
8281 8281 8281 8281 ゼビオホールディングス 963 15.00 15.00 3.12% 20%割引券1枚、および10%割引券4枚
7455 7455 7455 7455 三城ホールディングス 270 3.00 3.00 2.22% 株主優待カード(20%割引)2枚
8881 8881 8881 8881 日神グループホールディングス 488 0.00 22.00 4.51% 新築マンション分譲価格1%割引優待券1枚他
7987 7987 7987 7987 ナカバヤシ 505 10.00 12.00 4.36% 自社製品他
7593 7593 7593 7593 VTホールディングス 465 11.00 11.00 4.73% 優待券1冊
8864 8864 8864 8864 空港施設 555 7.00 7.00 2.52% 自社指定提携ホテル宿泊割引券
  • ※Bloomberg、会社公表データをもとにSBI証券が作成。※予想期末配当は掲載企業の2022/3/17(木)時点での会社公表データに基づいています。
  • ※今期予想配当利回りは、2021/9末配当(実績)と2022/3末予想配当を合計した年間予想配当(1株当たりの数値)を株価(3/17)で割ったものです。
  • ※図表に記載の銘柄の権利付最終日は3/29(火)の予定です。3/30(水)以降に買い付けても配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。
  • ※図表において「株主優待に必要な最低投資単位」は池田泉州ホールディングス(8714)のみ200株で、他の銘柄は100株です。
  • ※池田泉州ホールディングス(8714)の定期預金金利アップクーポンは、定期1年もの店頭表示金利に年0.1%上乗せ(預金金額:10万円〜500万円、金利上乗せは初回満期日まで)になります。※ベルーナ(9997)の優待内容で記載のある通信販売優待券またはネット専用優待クーポンは自社総合通販(衣料品・生活雑貨・家具等)で利用可能です。
  • ※りそなホールディングス(8308)の株主優待内容は、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行に普通預金口座を保有している株主が対象。要申し込み。
  • ※ゼビオホールディングス(8281)の株主優待券は、買物1回につき1枚利用可能(買物限度額30万円)です。
  • ※三城ホールディングス(7455)の株主優待カードは、自社子会社店舗で利用可能です。なお、補聴器等は10%割引です。
  • ※「株主優待に必要な最低投資単位を保有する株主に対する株主優待内容の概要」は、株主優待内容のすべてを記載した訳ではありません。さらに株主優待の内容、権利確定月、権利付最終日等は随時変更される可能性がありますので、最新の情報は必ず当該企業のホームページ等をご確認ください。
  • ※SBI証券Webサイトでご紹介する株主優待情報は原則として毎月下旬に更新しており、また、提供元データは東洋経済新報社が作成にあたり調査した、毎月中旬までの公表情報に基づくものです。そのため、株式分割・売買単位変更等のコーポレートアクションにより、優待獲得最低株数・優待獲得最低金額等が実際とは異なる場合がありますのでご注意ください。

2「3月株主優待銘柄」のご紹介

ここでは、図表1でご紹介した銘柄の一部について、業務内容や株主優待 内容を中心に、コメントを掲載します。

TOKAIホールディングス(3167)〜エネルギーや情報サービス等に展開。静岡県地盤。

  • 期間:2021/9/22〜2022/3/18 11:30時点(日足)
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■M&Aに積極的


当社はグループで、LPガス販売や情報通信サービスなど数多くの事業を手掛けています。売上構成比(2021/3期)は、エネルギー39%、建築設備不動産12%、CATV17%、情報通信26%、アクア4%他となっています。

エネルギー事業では、LPガス小売事業が国内大手です。また、電力小売事業では東京電力HDと業務提携しています。M&A投資枠を設けて積極的に実行し、顧客基盤の拡大を図っています。

1/27(木)に2022/3期4〜12月期業績を発表しました。売上高は1,494億円(前期比6.9%増)、営業利益が92.4億円(同6.6%減)でした。主力のエネルギー事業では、顧客増と 販売価格上昇(仕入価格に連増)により 、増収を確保したものの、顧客獲得コストの増加で減益になりました。


■株主優待の選択肢が幅広いのが特徴


2022/3期(通期)は売上高2,070億円(前期比5.2%増)、営業利益152億円(同0.1%増)の計画です。2021/9期末に1株15円の配当を実施済みで、2022/3期末には同15円、年間では計30円の配当を計画しています。3/17(木)株価894円に対する予想配当利回りは3.36%と計算されます。

3/29(火)に100株以上を保有する投資家に対しては、下記のいずれかが贈呈される予定です。


(1)天然水(500ml入)12本、

(2)天然水宅配サービス(12l入)1本

(3)クオカード500円相当

(4)自社グループ食事券1,000円相当

(5)自社グループ会員サービスポイント1,000ポイント付与

(6)自社モバイルデータ通信サービス利用料割引(350円割引×6ヵ月分)


これらは、300株以上の保有、または5,000株以上の保有でさらに高額の贈呈になる予定です。

なお、100株以上を保有する投資家に対してはさらに、自社グループ結婚式場婚礼10%割引券と、自社グループ食事20%割引券12枚も贈呈される計画です。

シード(7743)〜コンタクトレンズ大手。海外にも展開。

  • 期間:2021/9/22〜2022/3/18 11:30時点(日足)
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

■コンタクトレンズ大手


当社は、コンタクトレンズの研究開発および製造販売を中心に展開し、それに関連したところで、コンタクトレンズケア用品、眼鏡フレームおよび眼鏡備品等を展開しています。

国内コンタクトレンズメーカー市場では、メニコンに次ぎ市場シェアで第2位の大手企業となっています。

コンタクトレンズ事業は主力の1日使い捨てタイプを中心にきめ細やかな製品をラインナップしています。海外事業はアジア地域、ヨーロッパ地域を中心に40以上の国と地域に展開しています。

2/10(木)に2022/3期4〜12月期業績を発表しました。売上高は213.8億円(前期比0.9%増)、営業利益が9.67億円(同30.4%減)でした。新型コロナウイルスの感染拡大は在宅勤務の定着やマスク着用によるメイク機会の減少をもたらし、当社業績にも逆風となりました。

2022/3期(通期)は売上高295億円(前期比3.1%増)、営業利益12.5億円(同4.6%増)が会社計画です。


■株主優待は自社商品セット等3つから選択


2022/3期(通期)は上期配当はなく、2022/3期末に1株12円の配当を計画しています。3/17(木)の株価506円に対する予想配当利回りは2.37%と計算されます。

3/29(火)に100株以上を保有する投資家に対しては、下記のいずれかが贈呈される予定です。


(1)株主優待券

(2)10,000円相当の自社商品セット(コンタクトケア用品)

(3)優待ポイント1,000ポイント


このうち(1)は全国の対象施設で利用可能で、コンタクトレンズは優待特別価格販売、メガネは30%割引(割引限度額1万円)になります。また、(3)はポイントに応じて地方名産品・クオカード・寄付と交換が可能です。1ポイントで1円相当になります。

上記の(3)は、1,000株以上の保有で3,000ポイント、3,000株以上の保有で4,000ポイントの贈呈になる予定です。また、3年以上継続保有の株主には、さらにポイントの増額がある予定です。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
  • ※NISA口座で上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。

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免責事項・注意事項

  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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