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米ドル/円相場と原油価格にラマダーンのアノマリーはあるか?

2016/06/13

2016年は6月6日から7月5日までがイスラム暦9月のラマダーン(断食月)です。市場関係者が「いよいよラマダーン入りですね〜」などと言うのを耳にすると、「で、相場はどう動くの?」と聞きたくなるところです。本コラムで以前調べてみた際には、20年ほど前まではラマダーンに日本株が安いことがあったようなのですが、現時点では有意な関係は見出せませんでした。米国株にいたってはかつてもラマダーンに下げるということはなかったようです。そこで今回は、米ドル/円相場とWTI原油の値動きとイスラム暦の関係を調べてみました。

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米ドル・円相場にもイスラム暦アノマリー!?

イスラム暦は西暦622年をヒジュラ暦元年とした太陰暦です。月の満ち欠け(29.53日)を基にしているので、30日間の月と29日間の月が交互にあり、1年は354日または355日です(30年に11回閏年)。また、イスラム暦では太陽暦とのズレを修正しないので、毎年、西暦では11日ほどイスラム暦の新年が早まります。

なお、日本株(TOPIX)と米国株(S&P500)に関しては、イスラム暦6月に下落することが多いことやラマダーン(イスラム暦9月)はおそらく無関係であることが分かっています(詳細はバックナンバーの「イスラム暦のアノマリーがTOPIXにあった」 2016/03/14および「米国株のイスラム暦のアノマリー」2016/03/28をご覧ください)。

さて、図1は米ドル/円の日次の平均騰落率のイスラム暦各月平均です。これをみると過去20年間では、イスラム暦1月(直近では2015年10月14日から11月12日)にはドル高円安となりやすく、イスラム暦6月(直近では2016年3月10日から4月7日)はドル安円高になりやすいようです。また、イスラム暦9月(ラマダーン)とドル円相場には一貫した関係がなさそうです。念のためイスラム暦各月とドル円相場の関係について統計的に意味がある関係があるか調べてみたところ、ラマダーンは見たとおり無関係な一方、唯一イスラム暦6月だけ1日あたり0.07%(ドル円相場換算で7銭程度)円高ドル安になる傾向がある(信頼度95%)ということがわかりました。つまり、イスラム暦6月は円高になりやすい(日米株も安い)ようです。

図1:米ドル/円レートのイスラム暦月別変化率(1996.1-2016.5)

※ロイターデータよりeワラント証券が作成

荒れ年はイスラム暦5月と6月にドル安円高?

日本株(TOPIX)とイスラム暦の関係を見る際には大きな影響を与えている可能性があると考えられた、相場の荒れ具合との関係も合わせて調べてみました。図2は米国株の恐怖指数として知られるS&P VIXが高い日が多かった年(西暦1997-2003年、2007年-2011年、2016年)を“荒れた年”、それ以外を“平穏な年”として、イスラム暦の各月のドル円相場の騰落率を比較したものです。

興味深いことに、“荒れ年”ではイスラム暦5月(2016年は2月10日〜3月9日)と6月(2016年は3月10日〜4月7日)に大きく円高になりやすいようです。実際、2016年2月10日に113.32円/ドルだったのですが、4月7日には108.22円/ドルと急速に円高が進んでいます。

一方、平穏な年なら、イスラム暦1月、2月、5月、8月にドル高円安となっているので、ドル円相場へのイスラム暦アノマリーの影響を考える際には、VIXで相場の荒れ具合も確認するとより効果的な判断材料となる可能性があります。

図2:荒れ年はイスラム暦5月と6月に円高?(1996.1-2016.5)

※ロイターデータよりeワラント証券が作成

原油相場はラマダーンに下がる?ただし、市場構造の変化と大災害などに注意

日米株に加えてドル円相場もラマダーンには関係がないようなのですが、原油相場では状況が異なっているようです。図3は過去20年間のWTI原油価格($/バレル)の日次騰落率のイスラム暦各月の平均をみたものです。過去20年の全期間(図中茶色グラフ)をみても、それを1996年からの10年(図中オレンジ斜線グラフ)とその後の10年(青横線グラフ)でみても、イスラム暦3月と5月にWTI原油価格が上昇し、逆にイスラム暦9月のラマダーンと12月には下落しているように見えます。

これもドル円相場と同様に統計的に意味があるか調べてみたところ、「イスラム暦5月(2016年は2月10日から3月9日)は1日当たり0.22%($50/バレル換算で11セント、信頼度90%)上がる傾向があり、イスラム暦9月(ラマダーン、2016年は6月6日から7月5日)は1日当たり0.23%($50/バレル換算で12セント、信頼度90%)下げる傾向がある」ことが分かりました。なお、2016年のWTI原油価格は2月10日に$27.54/バレルだったものが、3月9日には$37.62/バレルに上昇していたので、イスラム暦5月のアノマリーどおりだったといえます。

また、日米株とドル円相場にも影響を与えている可能性があるように思われた“荒れ年”(S&P VIXが高い日が多い=米国株の不確定要素が多く、多くの場合下落する)とそれ以外の年でみると、なぜか荒れ年には、イスラム暦1月から3月と5月は総じて堅調(図中赤点線グラフ)となっていました。興味深いのは、荒れ年かどうかにかかわらず、イスラム暦9月のラマダーンとイスラム暦12月は下落し、イスラム暦11月は堅調になっているように見えると言う点です。

なお、原油相場に関しては、業界の構造自体がここ20年で大きく変動しているので、過去のアノマリーが通用しなくなっている可能性があることに注意が必要です。特に、シェール革命で米国が世界最大の産油国になり、かつては大量の原油を輸入していたのに輸出するようになったことで中東産油国の影響力が相対的に落ちているとするなら、イスラム暦に起因するアノマリーも影響が少なくなっているかもしれません。さらに、2014年のロシアによるクリミア併合の結果、原油価格の下落誘導が原油や天然ガスへの依存度が高いロシアへの経済制裁の一環として行われているという見方もあるようです。さらに、2016年になってカナダのオイルサンド産出地での大規模火災が発生し、またナイジェリアでの武装勢力による油田攻撃で原油生産量が大きく減少しています。こういった平時とはいえない状況にあることを考慮すれば、仮にアノマリーによる上昇・下落要因が未だにあるとしても他の一時的な要因の影響で打ち消されてしまうことも十分考えられます。

図3:WTI原油価格のイスラム暦月別騰落率(1996.5-2016.5)

※ロイターデータよりeワラント証券が作成

図4:荒れた年はイスラム暦前半が堅調?(WTI原油, 1996.1-2016.5)

※ロイターデータよりeワラント証券が作成

投資に活かすなら

「イスラム暦6月は円高、日米同時株安になりやすい」という米ドル/円相場、日本株、米国株に関するアノマリーは、直近(2016年3月10日から4月7日)でも概ねアノマリーどおりの値動きでした。次はヒジュラ暦1438年6月が2017年2月28日から3月28日となります。来年もイスラム暦アノマリーが有効と考えるのであれば、米ドルや日米株の買いポジションを一時手仕舞ったり、米ドルプット、日経平均マイナス3倍トラッカー、NYダウプットを購入することも一案です。また、2017年が荒れ年かどうかも影響がある可能性があり、米国株の恐怖指数であるS&P VIXが20を上回るようだとイスラム暦アノマリーの実現可能性が高くなりそうです。
一方、原油相場については市場構造の変化や国際政治・自然災害などの影響も大きいので、過去の値動きで統計的に有意であったとしても、イスラム暦アノマリーが今後も有効かどうかは疑問が残ります。とはいえ、原油相場が上がる傾向がある次のイスラム暦5月は2017年1月29日から2月27日、下がる傾向があるイスラム暦9月のラマダーンは2016年6月9日から7月5日、2017年5月27日から6月24日です。一時的な他の要因の影響が少なく、イスラム暦のアノマリーが継続すると考えるのであれば、WTI原油コールやプット、各種原油ETFなどを機動的に用いる投資機会となる可能性があります。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)

eワラント証券 チーフ・オペレーティング・オフィサー 土居雅紹(どい まさつぐ)

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