8月中旬以降の日本株市場は指数で見ると下落トレンド入りしたように見えますが、上昇トレンドにある業種・銘柄もあります。そのような業種・銘柄の特色として、中国関連株や原油安恩恵関連株であることが挙げられます。本稿では日本株市場の物色先となっている中国関連株や原油安恩恵関連株と、これらの銘柄に最大損失を限定して投資する手段としてeワラントを活用する方法について紹介しています。
eワラントとは?
そもそもワラントってなに?3,000円程の少額から始められる「eワラントの魅力」をご紹介いたします。
指数を上回っている業種
図1は直近24営業日の期間において、東証業種別株価指数のうちTOPIXを顕著に上回っている業種別株価指数を抽出したものです。この期間で上昇が目立ったのは石油・石炭製品、非鉄金属、空運業、海運業でした。
各業種別指数の構成銘柄で比率の大きい銘柄を見てみますと、石油・石炭製品においてはJXTGホールディングス(5020)、出光興産(5019)、昭和シェル(5002)などが含まれますがJXTGホールディングス(5020)の株価上昇が顕著です。非鉄金属においては住友電気工業(5802)の株価は横ばい傾向ですが、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、三井金属鉱業(5706)などの上昇が目立ちます。構成銘柄数が少ない空運業においてはANAホールディングス(9202)に遅れて上昇してきた日本航空(9201)の上昇が寄与しています。海運業においては日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)が直近上昇傾向にあります。
図1:業種別指数の推移(直近24営業日、2017年7月18日を100として指数化)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
上昇銘柄の共通点は中国関連と原油安恩恵関連
上昇業種・銘柄の共通点として、中国関連株または原油安恩恵関連株であることが挙げられそうです。中国では環境汚染対策として政府主導の電気自動車の導入が進んでいますが、電気自動車の動力源であるリチウムイオン電池の生産増加に伴って、使用される銅などの非鉄金属の需要が高まると考えられます。リチウムイオン電池はスマートフォンなどの最新機器でも使われており、銅製品を手掛ける企業の株価は上昇傾向にあります。
空運業や海運業の株価上昇は原油安の恩恵と言えるでしょう。原油価格は下落トレンドにあることから、燃料油価格の下落も連想され、空運業や海運業における費用の減少と営業収益の改善が期待できるためと思われます。なお、石油・石炭製品にとって原油安は好材料ではありませんが、JXTGホールディングス(5020)の株価は堅調です。同社は銅製品を手掛ける金属事業も行っており、この事業分野での業績貢献が期待されている模様です。
このような状況下におけるeワラントの活用法
eワラントは対象となっている相場の上下を予想して利益を狙う商品ですが、中国関連株と原油安恩恵関連株のさらなる上昇を期待する場合、これらの株式を対象とするコール型eワラントに投資します。eワラントは数万円もあれば投資できるので、現物株式を買うにも資金が足りなかったり、まとまった金額を現物株に投資するのはちょっと怖い、という場合に使い勝手が良い商品です。一般的に現物株式よりも値動きは大きいので、投資金額が小さくても大きな利益を期待することができます。リスクとして、投資した元本を全て失う可能性はありますが、金額を限定することで最大損失を限定することができるでしょう。
次は中国関連株と原油安恩恵株のうちeワラントの対象となっている株式と、eワラントで投資する場合の参考銘柄です。
図2:JXTGホールディングス(日足、3/1-8/22)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
参考銘柄:JXTG コール 第35回(権利行使価格500円、満期日2017年12月13日)
図3:住友金属鉱山(日足、3/1-8/22)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
参考銘柄:住友鉱 コール 第189回(権利行使価格1,400円、満期日2017年12月13日)
図4:三井金属鉱業(日足、3/1-8/22)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
参考銘柄:三井金 コール 第3回(権利行使価格440円、満期日2017年11月8日)
図5:日本航空(日足、3/1-8/22)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
参考銘柄:JAL コール 第64回(権利行使価格3,500円、満期日2017年10月11日)
図6:川崎汽船(日足、3/1-8/22)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
参考銘柄:川崎船 コール 第75回(権利行使価格300円、満期日2017年11月8日)
図7:ヤマシンフィルタ(日足、3/1-8/22)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
参考銘柄:ヤマシンフィルタ コール 第6回(権利行使価格2,800円、満期日2018年2月14日)
なお、ヤマシンフィルタは中国において建機用フィルタの需要増などが期待されているため、中国関連株としてここで挙げています。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)
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商号等 / eワラント証券株式会社
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