今年の12月以降は例年のパターンですと欧州投資家が日本株を売ってくる周期に当たると考えられ、過去の欧州投資家と日本株市場の関係からすると、日本株市場は下落する可能性に注意が必要かもしれません。
eワラントとは?
そもそもワラントってなに?3,000円程の少額から始められる「eワラントの魅力」をご紹介いたします。
影響力の大きい欧州投資家
10月6日付のレポート「eワラントを極める!」におきまして「10月の日本株は欧州勢による買い越しで上昇する?」で紹介いたしましたように、日本株市場の数カ月単位の変動に関して欧州投資家の影響力が大きく、日本株の株価変動の4〜5割程度は欧州投資家の買い越し・売り越しの金額である程度説明ができると考えられます。
同レポートでは欧州投資家の動きをモデル化して日経平均の動向を予想しており、10月は買い越しの周期に当たるため日経平均株価の上昇が期待できることを予想していました。結果として10月の日経平均株価の値上がり幅は1,655円となりました。11月20日に公表された欧州投資家の10月の売買動向は2兆41億円の買い越しであり、単月の買い越し額としては過去10年で最大となっていました。
図1:地域別海外投資家の日本株売買動向(直近24ヵ月、億円)
出所:東京証券取引所よりeワラント証券投資情報室作成
図1は北米、欧州、アジア、その他地域で分け、買い越し金額から売り越しの金額を差し引いた金額を示しています。プラスであれば買い越し、マイナスであれば売り越しとなります。金額の振れ幅が大きいのは欧州投資家であることが分かります。10月の欧州投資家の買い越し額は他を圧倒するものでした。
欧州投資家は12月以降に売り越してくる?
さて、12月以降の日経平均株価ですが、筆者の欧州投資家の行動パターンモデルで欧州投資家の売買動向を予想すると、図2にあるように12月は売り越しの周期に当たる可能性があり、日経平均株価の下落に注意が必要かもしれません。
図2:欧州投資家の日本株売買動向(左軸、億円)と日経平均株価の月間変化幅(右軸)
※2017年11月の日経平均株価の月間変動幅は21日までのデータ。
出所:ロイター及び東京証券取引所よりeワラント証券投資情報室作成
急落を予想するなら
10月の欧州投資家の買い越し額が記録的なものであった反動から、売り越し額も大きくなる可能性があり、相場の急落があるかもしれません。このシナリオを前提とするなら、相場の下落を想定するのでプット型eワラントを利用します。例えば日経平均株価が21,000円台を割ってくることを予想する場合、権利行使価格21,000円のプット型を検討しても良いでしょう。
急落は無いが時間をかけて下落していくと予想するなら
短期的な急落は考えていないけれども、時間をかけて下落すると予想しているという場合は、トラッカー型eワラントを利用します。日経平均株価を対象としたトラッカー型eワラントなら日経平均マイナス3倍トラッカーという銘柄があります。
マイナス3倍トラッカーはプット型eワラントに比べて大きな値上がり益は期待しにくいですが、その半面、プット型eワラントに存在する、相場が変動しない場合に時間経過によって価格の下落することがありません。そのため、ジワジワと下落していく相場を予想する場合はマイナス3倍トラッカーの方が利用しやすいと考えられます。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)
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