株式市場の上昇傾向が続いていますが、上昇しているのは株式市場だけではありません。原油や金などの一部のコモディティ相場も上昇傾向にあります。各種経済指標に見られるように経済活動は活発ですし、IMFが世界経済の成長見通しを上方修正するなど、コモディティ相場を取り巻く環境は上昇をサポートしているように思われます。コモディティ相場が業績に影響してくる企業もあることから、株式投資がメインという方もコモディティ相場に取り組むことで、株式投資に活かせることもあるかもしれません。
eワラントにはコモディティ相場を対象とする銘柄もあり、数千円程度から投資できますので、コモディティ相場に慣れていない方でも取り組みやすくなっています。また、対象となっているコモディティ相場よりも値動きが大きいので、値動きの大きさを楽しむことができるでしょう。以下ではeワラントで投資できるコモディティ相場のポイントとコモディティ相場に関連する日本株について紹介しています。
eワラントとは?
そもそもワラントってなに?3,000円程の少額から始められる「eワラントの魅力」をご紹介いたします。
金相場
金といえば宝飾品を思い浮かべる方も多いでしょう。金相場は「有事の金買い」と言われるように地政学的リスクが高まるときに買われることがあります。これは通貨を代替する価値があるためですが、特に米ドルとの関係には注目です。米国の政策金利の引き上げにより米ドル高が期待されましたが、政策金利の引き上げスピードは緩慢なのかもしれない、という見方から直近は米ドル安基調となっています。米ドルが安くなれば金は相対的に高くなることから、金相場の直近の上昇の要因は米ドル安であるという指摘もあります。
金相場に投資するなら一例として次の銘柄が挙げられます。なお、金リンク債とは金に概ね連動する債券のことです。金のeワラントは金リンク債を対象としていますが、実質的に金相場を対象としているのと同様の経済効果があります。リンク債は金相場以外にもあり、仕組みは金リンク債と同様です。
金リンク債コール第250回(権利行使価格4,600円、満期日8/8)
※チャートの左軸はeワラントの対象となっている相場(青のラインチャート)、右軸はeワラントの価格(買気配値、ローソク足チャート)です。緑の点線は権利行使価格を示しています。以下のチャートも同様です。
プラチナ相場
プラチナ(白金)は希少性が高く、かつては金よりも高額で取引されていましたが、近年では金価格を下回っています。また、産業金属としてディーゼル車の排ガスを浄化する触媒として注目されましたが、環境対策として主要国が電気自動車の普及に注力したことで、プラチナ価格は低迷しました。直近では他の貴金属の上昇に伴い、金との比較で希少性が改めて見直され、上昇傾向にあります。
プラチナ相場に投資するなら次の銘柄があります。
プラチナリンク債プラス5倍トラッカー1回(権利行使価格3,000円、満期日7/11)
銅相場
銅は発電、建築、自動車など用途が多岐にわたることから、産業用金属(ベースメタル)と呼ばれています。近年では電気自動車に利用されるモーターや配線などへの需要が増加すると見られています。特に中国は世界の銅需要の4割を占める銅の最大消費国ですので、銅相場の上昇は中国での建設、設備投資需要が拡大していることも示唆しているのかもしれません。
銅相場に投資するなら次の銘柄があります。
銅リンク債プラス5倍トラッカー9回(権利行使価格5,600米ドル、満期日7/11)
原油相場
ニュースなどで原油価格が報じられる場合、ほとんどの場合は原油そのものの価格ではなく、原油を対象にした先物価格を指すことが一般的です。とくに米国のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)と呼ばれる先物価格が有名です。最近の原油相場は上昇傾向にありますが、中東の産油国を中心とするOPEC(石油輸出国機構)加盟国やロシアなどの産油国が協調して原油生産量を減らして価格を上昇させる方針を採ったことが功を奏してきたと考えられます。
原油相場に投資するなら次の銘柄があります。
WTI原油先物リンク債2018年6月限コール1回(権利行使価格45米ドル、満期日5/9)
コーン相場
上記のようにコモディティと言っても相場に影響を与える主たる要因は異なっていますが、コーン(トウモロコシ)の場合はもっとユニークです。コーンは上記のコモディティと異なり、穀物であることが大きな違いです。つまり、米国など生産地の天候、作付け、収穫、在庫などが価格に影響を与えます。この点でコーン相場を対象とするeワラントは天候デリバティブとも言えます。
また、コーンからはバイオ燃料が作られることから、環境対策として利用が進めばコーンの需要が高まることになります。しかし、前述のように電気自動車が普及しつつあることや、コーン自体も品種改良が進んだためか米国での作付けが増えていることからコーン相場は上値が重い展開が続いています。
コーン相場に投資するなら次の銘柄があります。
コーン先物リンク債2018年5月限コール1回(権利行使価格3米ドル、満期日4/11)
コモディティ相場に関連する日本株
eワラントの対象となっている日本株のうち、コモディティ相場との関連性が高いと考えられる株式は次の通りです。また、eワラントでこれらの株式に投資する場合の参考銘柄もあわせて紹介します。
住友金属鉱山(5713)、三井金属鉱業(5706)
住友金属鉱山(5713)は金相場、三井金属鉱業(5706)は亜鉛相場のイメージがありますが、銅関連事業の比率も大きくなっており、むしろ銅相場関連銘柄と言えるかもしれません。
住友金属鉱山コール第199回(権利行使価格4,400円、満期日9/12)
三井金属鉱業コール第7回(権利行使価格6,000円、満期日6/13)
国際石油開発帝石(1605)、JXTGホールディングス(5020)
原油関連株の代表格と言えます。原油相場と株価の連動性が高くなっています。
国際石油開発帝石コール第145回(権利行使価格1,350円、満期日9/12)
JXTGホールディングスコール第37回(権利行使価格700円、満期日6/13)
コマツ(6301)
大手建機メーカーのコマツ(6301)は銅相場と株価の連動性が比較的高くなっています。これは鉱山開発による建機需要を反映したものと言えるでしょう。
コマツコール第139回(権利行使価格3,150円、満期日6/13)
三井物産(8031)、三菱商事(8058)
コモディティといえば商社です。原油相場や銅相場と株価の連動性が比較的高くなっています。
三井物産コール第151 回(権利行使価格1,850円、満期日3/14)
三菱商事コール第168回(権利行使価格2,750円、満期日6/13)
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)
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