2月6日の日経平均株価は1,071円84銭の大幅下落となり、チャートを見ると下落トレンドに入ったと考えられます。大幅に相場が下落すると順張りで下落トレンドに乗るべきなのか、それとも翌日は反発するのでは?と言う期待から短期的な逆張りをすべきなのか悩みどころです。プット型eワラントを上手に活用することで、下落相場においても収益の獲得を期待することができると考えられますが、本稿では過去の暴落後の動きを振り返って買付けのタイミングについて検討しています。
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日経平均株価の暴落とトレンド転換の可能性
図1は昨年夏以降の日経平均株価のチャートです(日足)。2月6日の下落がいかに大きかったのかが分かります。チャートにはトレンドを示す移動平均線に加え、パラボリックと言う、こちらもトレンドを示すテクニカル指標も記載しています。パラボリックはローソク足チャートの下側にあれば「買い」、上側にあれば「売り」のシグナルとされ、1月26日から「売り」となっています。つまり、下落トレンドに入っているということです。
図1:日経平均株価(日足、2017/8/1-2018/2/6)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
なお、2月6日の日経平均株価の下落幅は歴史的に見ても大きなものですが、株価が高値圏にあれば下落幅が大きくなるのは当然のことですので、過去と比較するのであれば1営業日当たりの変動率で見たほうが良いでしょう。表1は1990年以降の終値ベースの下落率ランキングです。2月6日の下落率は44位でした。
表1 1990年以降の下落率ランキング
順位 |
日付 |
変動率 |
変動幅(円) |
---|---|---|---|
1 |
2008/10/16 |
-11.41% |
-1089.02 |
2 |
2011/03/15 |
-10.55% |
-1015.34 |
3 |
2008/10/10 |
-9.62% |
-881.06 |
4 |
2008/10/24 |
-9.60% |
-811.9 |
5 |
2008/10/08 |
-9.38% |
-952.58 |
6 |
2016/06/24 |
-7.92% |
-1286.33 |
7 |
2013/05/23 |
-7.32% |
-1143.28 |
8 |
2000/04/17 |
-6.98% |
-1426.04 |
9 |
2008/11/20 |
-6.89% |
-570.18 |
10 |
2008/10/22 |
-6.79% |
-631.56 |
44 |
2018/02/06 |
-4.73% |
-1071.84 |
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
過去の事例
さて、暴落後の投資方針を考える上で、過去の事例を見てみます。表1の下落率ランキングの上位を占めた2008年10月前後のチャートが図2です。2008年9月15日に米国の投資銀行大手リーマン・ブラザーズが破綻したことで株式市場は大きく下落し、10月に入っても下落の勢いは止まりませんでした。この時期、移動平均線やパラボリックを見ると10月は下落トレンドにあることが分かりますが、大きく反発している日もあることが分かります。
図2:日経平均株価(日足、2008/9/12-2008/11/12)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
また、図3は2016年6月から7月にかけての事例です。6月24日はEU離脱を巡る英国の国民投票でEU離脱派が勝利したことを受けて日経平均株価が大きく下落しました。6月中は下落トレンドにあり、7月12日に上昇トレンドに転換するまでの間、トレンドの中で上昇と下落が発生しています。
図3:日経平均株価(日足、2016/6/1-2016/7/27)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
今後の投資方針
あらためて今年に入ってからの状況を図4で確認しますと、1月26日に日経平均株価は下落トレンドに入ったと考えられます。下落相場を想定するならプット型eワラントを買う、ということが考えられますが、過去の事例を見ると下落トレンドの中でも大きく上昇する局面もあることから、買付けのタイミングによっては大きな損失となる可能性もあります。では反発に期待してコール型eワラントを買えばよいかと言うと、図2にあるように数日連続で下落することもありますし、そもそも底値を捉えるのは非常に難しいものです。
以上を踏まえると、下落トレンドを確認している現状においては、反発局面が発生するのを待ち、上値が重くなったところでプット型eワラントを買う、と言うことになるかと思います。トレンドが長く続くことも想定して、満期日までの期間は長めの銘柄で、かつ、権利行使価格は相場水準に近いものか、相場水準以上の銘柄を利用すると良いでしょう。
図4:日経平均株価(日足、2018/1/4-2018/2/6)
出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)
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