5月18日付の「警報発動は近い!?プット・コールレシオの低下と取引戦略」でトレンドを把握するテクニカル指標のパラボリックと、eワラントの取引指標であるプット・コールレシオを組み合わせた簡単に実践できる取引モデルを紹介しましたが、先週から日経平均株価のトレンドが下落に転じており、「売り」シグナルの発現に注目です。
eワラントとは?
そもそもワラントってなに?3,000円程の少額から始められる「eワラントの魅力」をご紹介いたします。
パラボリックとプット・コールレシオの復習
テクニカル指標の1つであるパラボリックはチャートの下に丸が出れば上昇、つまり買いのシグナル、上に丸が出れば下落つまり売りのトレンドを示すシグナルとなります。パラボリックは売り・買いのサインが分かりやすいため、初心者でも使いやすいと思われます。本稿で紹介している取引モデルでは日経平均株価に対して日足のパラボリックの利用を推奨しています。注意点としては、パラボリックは大きなトレンドを早期に捉えられることがある一方で、トレンドが発生していないと効きにくいという欠点もあります。
日足のパラボリックは8月6日より下落トレンドに転換しています。日経平均株価のパラボリックはHYPER SBIの「チャート」画面の右側で「パラボリック」を選択するか(HYPER SBIについてはこちら)、又はeワラントチャートで日経平均株価を対象とする銘柄を選び、左上のメニューの「テクニカル選択」で「パラボリック」を選択すると表示することができます(例:日経平均プット第956回のeワラントチャート)。なお、eワラントチャートで表示される日経平均株価の値は参照価格であり、取引所取引における価格とは異なる場合がありますので、パラボリックの点灯タイミングなどは他のチャートと異なることがあります。
パラボリックがトレンドを把握する順張り型の指標であるのに対して、eワラントのプット・コールレシオは逆張り型の指標です。プット・コールレシオが高いとプットの取引が多いことを示し、悲観的な相場観を持つ投資家が多いことを意味しますが、これは買いのタイミングとも考えられます。プット・コールレシオが低いとコールの取引が多いことを示し、楽観的な相場観を持つ投資家が多いことを意味しますが、これは売りのタイミングとも考えられます。なお、eワラントホームページのプット・コールレシオは日本株を対象としたもので、毎営業日、eワラント取引終了時間の午後11時50分以降の夜間に更新されます。
取引モデル例
図1は2017年8月15日から2018年8月14日までの過去1年間の日経平均株価(日足)、パラボリックとプット・コールレシオです。これらを組み合わせた取引モデルは次の通りです。
【買いシグナル】
・日足のパラボリックが「買い」(チャートの下に丸がある)
・プット・コールレシオが0.2以上0.5未満
⇒日経平均株価のコール型eワラントの買い、CFD、225先物等の買い建て
【売りシグナル】
・日足のパラボリックが「売り」(チャートの上に丸がある)
・プット・コールレシオが0.2未満
⇒日経平均株価のプット型eワラントの買い、CFD、225先物等の売り建て
【上記以外=中立】
・ポジションを取らない
8月15日の寄り付き前、午前8時時点では、前日の8月14日の日経平均株価のパラボリックは「売り」、eワラントのプット・コールレシオは0.34でしたので、上記取引モデルでは「中立」となります。パラボリックが「売り」のままで、プット・コールレシオが0.2未満となりますと「売りシグナル」となりますので注視しておきましょう。
運用シミュレーションを更新
図1と同期間でこの取引手法を実践した場合のシミュレーションをしたのが図2です(2017年8月14日を100として指数化)。シグナルを午前9時前に確認し、シグナルに変更があれば始値で取引したものとしています。売りシグナルが出た場合には日経平均株価を新規にショート(売り建て)したものとし、仮に買い持ちしていれば売却した上で新規に空売りしたものとしています。100を起点にしてバイ&ホールド、いわゆる買い持ちした場合と比較しています。
シミュレーションの結果を見ると、2018年1月まではバイ&ホールドの方が取引モデルを上回る成績となっていますが、2018年の2月の下落で逆転しています。2018年1月末から2月中旬にかけて取引モデルは売りシグナルを出していたからです。直近ではパラボリックでは8月6日に下落に転じ、プット・コールレシオが8月8日と9日の取引後に0.2未満となったため、「売り」シグナル発現で9日と10日にショートしています。10日の日経平均株価は前日比1.33%の下落となりましたので、この下落を収益機会にできました。
実際の投資においては、「売り」シグナルが発現した場合にCFDや225先物でショートしたり、日経平均を対象とするプット型eワラントを利用することが考えられます。eワラントであれば小額から利用可能ですし、相場が反対に動いても最大損失は買付代金までに限定されますので、リスク管理が容易です。
なお、シミュレーションでは取引に係る手数料は考慮されておりません。また、直接指数へ取引することはできず、eワラント、CFD、225先物など各種金融商品を通じて投資を行うことになりますから、運用シミュレーションは実際の投資成果とは異なること、また、将来の投資成果を保証するものではないことにはご注意ください。本稿で紹介している取引モデルだけでなく、将来必ず収益が得られる保証のある取引モデルは存在しません。しかしながら、ご自身が有効と思われる取引モデルを複数同時に実践し、投資戦略の分散を図ることは有効かと思われます。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)
eワラントの関連コンテンツ
ちょっとe(イー)銘柄の見つけかた
ご注意事項
- eワラント、ニアピンeワラントおよびトラッカーeワラントは取引時間内であっても取引が停止されることがある等、リスクがあります。詳しい情報はホームページの「手数料及びリスク説明:必ずお読み下さい」をご参照下さい。
- 本資料は情報の提供を目的としており、本資料によって何らかの行動を勧誘するものではありません。本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、当社は本資料が正確、完全あるいは/且つ最新のものである事を表明するものではなく、またその責任も負いません。尚、当社及び当社の関連会社、役員、社員その他本資料の作成に携わった関係者が本資料に記された企業の証券または(オプションなどの)派生商品の買い持ちや売り持ち、及び売買を時として行うことがあり得ます。本資料に掲載されている内容の著作権は、原則としてeワラント証券に帰属します。事前に当社の書面による許可なく、本文の一部または全部を第三者へ再配布することを禁じます。
- eワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株式(上場投資信託等を含む)・株価指数、預託証券、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動、時間経過(一部の銘柄を除き、一般に時間経過とともに価格が下落する)や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与えるので、投資元本の保証はなく、投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります(ただし、eワラントの価格が極端に低い場合には、対象原資産の値動きにほとんど反応しない場合があります)。
- ニアピンeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数や為替相場の変動や、時間経過(同日内を含む)など様々な要因が価格に影響を与えるので、元本の保証はなく投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります。最大受取可能額は1ワラント当たり100円に設定され、満期参照原資産価格がピン価格から一定価格以上乖離した場合は満期時に価格がゼロになります。同一満期日を持つ全ての種類のニアピンeワラントを購入しても、投資金額の全てを回収することができない可能性があります。
- トラッカーeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与える有価証券です。このため、投資元本の保証がなく、損失が生じる恐れがあります。トラッカーeワラントの価格は、eワラントに比べると一般に対象原資産の価格により近い動きをします(ただし、レバレッジトラッカーは同方向または逆方向に増幅されたような値動きとなります)が、任意の二時点間において対象原資産の価格に連動するものではありません。また、金利水準、満期日までの予想受取配当金及び対象原資産の貸株料等の変動によって、対象原資産に対する投資収益率の前提が変化した場合には、トラッカーeワラントの価格も影響を受けます。さらに、取引時間内であっても取引が停止されることがあります。詳細は、最新の外国証券情報をご参照ください。
- SBI証券におけるカバードワラント取引手数料は無料です。また、お客様の購入価格と売却価格には価格差(売買スプレッド)があります。トラッカーeワラントの購入価格には年率で計算された管理コストが予め織り込まれています。管理コストは、計算時点におけるマーケット・メーカーのヘッジコスト(金利水準、ヘッジ対象の流動性、資金調達コスト等を含む)の予想に基づいて設定され、銘柄および購入時点によって異なる可能性があります。
商号等 / eワラント証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2526号
加入協会 / 日本証券業協会
提供:eワラント証券