日経平均株価は10月上旬に24,000円を超える水準にありましたが、10月23日には日中の安値で22,000円を割り込み、東京株式市場は全面安商状となりました。上昇トレンドにある株式は少なくなり、一方で下落トレンドに入ったとみられる株式が多くなり、上昇トレンドを前提とする投資戦略は考え直す時期に来ていると思われます(図1)。本稿では相場が下落トレンドにあっても収益の獲得を期待できるプット型eワラントを活用したルールベースのトレード手法を紹介します。
eワラントとは?
そもそもワラントってなに?3,000円程の少額から始められる「eワラントの魅力」をご紹介いたします。
下落トレンドにある原資産を探す
今回紹介するトレード手法は、eワラントが対象としている相場(以下、「原資産」と言います)の下落時に利益を狙えるプット型eワラントの買い持ち戦略です。相場下落で利益を狙うことに不慣れな方もいらっしゃるかと思いますが、相場の潮流に変化が生じていれば投資戦略も変化させていくことが肝要と思われます。
本稿で紹介する手法の考え方は、下落トレンドにある原資産に、レバレッジのかかったプット型eワラントで代替投資して、下落トレンドの一部を取っていくイメージです。eワラントにはレバレッジがかかっているので1週間でも数割程度の上昇を期待することができます(もちろん、数割程度の下落になることもあります)。また、買い持ちと言っても1週間です。1週間後には上手くいっても失敗しても一旦売却して、新たに原資産と買付タイミングを検討しましょう。
<イメージ>
原資産の選択とタイミング
原資産としては、例えば過去6カ月程度の期間で安値を更新してきている原資産が候補になるでしょう。eワラント提供元のeワラント証券ではeワラントジャーナルというサイトで「主要原資産のマルチチャート」を公開しています。これを参考にすると、このトレード手法に合う原資産を選びやすいでしょう。
eワラント原資産のマルチチャート(eワラントジャーナル)
右肩下がりになっているチャートを見つけます。余裕があれば、なぜ株価が下落しているのか、業績動向や材料となるニュースなどを調べてみましょう。
原資産が決まったらタイミングが重要です。買い付けタイミングを考える上でeワラントホームページの原資産ランキングが参考になりますので、以下のリンクから見てみましょう。
eワラント原資産価格ランキング(eワラントホームページ)
原資産が「参照原資産価格騰落率トップ20」に入っているかチェックします。もし、トップ20ランキングに入っていれば、戻り売りのタイミングとしてプット型eワラントの買いを検討します。
買い付けするeワラントは、権利行使価格が高めで、満期日までの期間が数カ月以上の銘柄を選択します。慣れてきたら実効ギアリング(別称:ワラントレバレッジ)が相対的に高い銘柄に挑戦してみても良いでしょう。
利食いの売りも損切りの売りも機械的に
このトレード手法の重要なポイントは買い付けから1週間後に買ったeワラントが上昇していようが下落していようが機械的に売却することです。できれば購入したeワラントの価格は1日1回は見るのと、原資産の下落トレンドに変化が生じていないかについても確認します。相場に織り込まれていない株高となる好材料が出た場合は撤退するのが理想的ではありますが、撤退の判断は非常に難しいと思われます。
1週間としているのは、eワラントはレバレッジが効いていて、原資産の値動きを増幅させたような動きをしますので、1週間程度でも数割上昇することも珍しくはないからです。また、原資産が予想に反して上昇した場合には含み損を抱えがちですが、1週間というルールを決めることで損切りを実行しやすくなるメリットもあるかと思われます。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)
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