次回12月19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)において、米連邦準備理事会(FRB)は政策金利の誘導目標を2.25%〜2.50%に引き上げると見られています。その一方で、米国株が高値を更新しなくなってきたことや、各種経済指標から景気減速が懸念され、FRBが近く追加利上げを停止するのではという見方も出てきました。本稿では2018年12月11日時点の米国の雇用環境と住宅市況から米国景気の状況を確認するとともに、今後の取引戦略について紹介しています。
eワラントとは?
そもそもワラントってなに?3,000円程の少額から始められる「eワラントの魅力」をご紹介いたします。
雇用環境
米国の雇用に関する指標はいくつかありますが、本稿では代表的な指標の1つである失業率を採り上げます。図1は米国の失業率、失業率の5ヵ月の移動平均、NYダウ平均株価の月次データです。移動平均を載せているのは、失業率が長期的に上昇しているのか低下しているのかの傾向を見るためです。月次データは上下にブレるので移動平均を用いると認識しやすくなります。
失業率と株価の関係を見ると、失業率が低下傾向にあるとき株価は上昇傾向にあり、失業率が上昇傾向にあるとき株価は下落傾向にあることが分かります。好況時には雇用が増えて失業者が減り、不況時には雇用が減って失業者が増えるためです。株価と失業率の関係を見ると、失業率の低下傾向が止まり、横ばい傾向になるとその後に米国株が下落していました。失業率の動向は米国株下落の前兆として役に立ちそうです。
図2は図1の移動平均の傾き、つまり、上昇していればプラス、低下していればマイナスを示すものです。2000年のITバブル崩壊、2007年から2008年のサブプライムローンバブル崩壊の前には傾きがプラスに転じています(図2の丸の部分)。2016年にもこの傾きが一旦プラスに転じた時期がありましたが、2016年といえばトランプ氏が大統領選挙に勝利した年です。トランプ氏による減税策などが期待されて株式市場が上昇に転じ、失業率もさらに低下しました。
今月発表された11月の失業率は3.7%と過去最低水準です。しかし、9月から3ヵ月連続で3.7%と横ばい傾向が続いています。失業率の低下傾向が止まったとはまだ言えませんが、さらに低下していくのか、上昇に転じるのか今後の失業率にも注目です。
住宅市況
毎月公表されている住宅の販売市況のデータも参考になると思われます。図3は直近24ヵ月の米国の新築一戸建て住宅販売件数の推移です。直近では2017年11月にピークをつけており、その後は下落トレンドにあります。
図4でより長い期間で見ると、水準は違いますが、新築一戸建て住宅販売件数と株価の動く方向は似ていると言えそうです。とくに2007年には新規一戸建て住宅販売件数がピークアウトした後で株価の下落が生じており、株価の先行指標となっていました。直近の新規一戸建て住宅販売件数の低下は米国景気の後退を暗示しているのかもしれません。
eワラント取引戦略
失業率と新規一戸建て住宅販売件数を総じて見ると、米国経済はピークアウトし、後退局面に差し掛かったのかもしれません。株価も高値更新は難しくなり、今後は株式相場が上昇する日よりも下落する日が増えてくるかもしれません。eワラント投資戦略としては、中長期的な米国株安や米ドル安を想定し、満期日までの期間が長めの銘柄、かつ、権利行使価格がなるべく高いプット型eワラントを選択することで、株式相場の下落トレンドから収益の獲得を狙うことが考えられます。
参考銘柄は次の通りです。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均 プット 332回
ダウ・ジョーンズ工業株価平均 プット 342回
ダウ・ジョーンズ工業株価平均 プット 346回
米ドル ドル安(プット)型 872回
米ドル ドル安(プット)型 883回
米ドル ドル安(プット)型 895回
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)
eワラントの関連コンテンツ
ちょっとe(イー)銘柄の見つけかた
ご注意事項
- eワラント、ニアピンeワラントおよびトラッカーeワラントは取引時間内であっても取引が停止されることがある等、リスクがあります。詳しい情報はホームページの「手数料及びリスク説明:必ずお読み下さい」をご参照下さい。
- 本資料は情報の提供を目的としており、本資料によって何らかの行動を勧誘するものではありません。本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、当社は本資料が正確、完全あるいは/且つ最新のものである事を表明するものではなく、またその責任も負いません。尚、当社及び当社の関連会社、役員、社員その他本資料の作成に携わった関係者が本資料に記された企業の証券または(オプションなどの)派生商品の買い持ちや売り持ち、及び売買を時として行うことがあり得ます。本資料に掲載されている内容の著作権は、原則としてeワラント証券に帰属します。事前に当社の書面による許可なく、本文の一部または全部を第三者へ再配布することを禁じます。
- eワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株式(上場投資信託等を含む)・株価指数、預託証券、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動、時間経過(一部の銘柄を除き、一般に時間経過とともに価格が下落する)や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与えるので、投資元本の保証はなく、投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります(ただし、eワラントの価格が極端に低い場合には、対象原資産の値動きにほとんど反応しない場合があります)。
- ニアピンeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数や為替相場の変動や、時間経過(同日内を含む)など様々な要因が価格に影響を与えるので、元本の保証はなく投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります。最大受取可能額は1ワラント当たり100円に設定され、満期参照原資産価格がピン価格から一定価格以上乖離した場合は満期時に価格がゼロになります。同一満期日を持つ全ての種類のニアピンeワラントを購入しても、投資金額の全てを回収することができない可能性があります。
- トラッカーeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与える有価証券です。このため、投資元本の保証がなく、損失が生じる恐れがあります。トラッカーeワラントの価格は、eワラントに比べると一般に対象原資産の価格により近い動きをします(ただし、レバレッジトラッカーは同方向または逆方向に増幅されたような値動きとなります)が、任意の二時点間において対象原資産の価格に連動するものではありません。また、金利水準、満期日までの予想受取配当金及び対象原資産の貸株料等の変動によって、対象原資産に対する投資収益率の前提が変化した場合には、トラッカーeワラントの価格も影響を受けます。さらに、取引時間内であっても取引が停止されることがあります。詳細は、最新の外国証券情報をご参照ください。
- SBI証券におけるカバードワラント取引手数料は無料です。また、お客様の購入価格と売却価格には価格差(売買スプレッド)があります。トラッカーeワラントの購入価格には年率で計算された管理コストが予め織り込まれています。管理コストは、計算時点におけるマーケット・メーカーのヘッジコスト(金利水準、ヘッジ対象の流動性、資金調達コスト等を含む)の予想に基づいて設定され、銘柄および購入時点によって異なる可能性があります。
商号等 / eワラント証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2526号
加入協会 / 日本証券業協会
提供:eワラント証券