今年のゴールデンウィークは10連休ですが、「日本の連休中に大きな相場変動が発生するかもしれない」というコメントなどが見受けられます。確かに年初の為替相場で起こった急変などを見ていると、日本の連休中に相場の急変があってもおかしくはありません。しかしながら、相場が連休中に大きく動いても、連休後に相場が元の水準に戻ってくる「往って来い」となった場合、現物の証券投資であれば影響は軽微です。そこで本稿では1965年以降の日経平均株価を用いて、11日後の変動率がどのようになっていたのかを調べてみました。
eワラントとは?
そもそもワラントってなに?3,000円程の少額から始められる「eワラントの魅力」をご紹介いたします。
1965年からの検証
毎営業日、11日後の日経平均株価の変動率を計算しました。計算に用いるのは終値とし、11日後が休場日であった場合は、それより前の直近の営業日の終値を用いました。計算イメージは次の通りです。
例えば今年の1月4日から11日後の1月15日の終値ベースの変動率は+4.50%、次の営業日の1月7日から1月18日の終値ベースの変動率は+3.40%でした。1月8日から11日後の1月19日は休場日でしたので、1月18日までのデータで計算して+2.55%としています。
計算期間の重複があるので、必ずしも一つ一つの変動率が独立したものとは言えませんが、傾向を見るにはこの程度の分析で足りると思われます。変動率の大きさ別に発生頻度をまとめたのが次の図です。
図を見ると発生頻度1,000回を超えるのは-2%から+4%の間であって、全体の68.3%でした。過去に発生した事象が将来も発生するという仮定を置けば、約7割の確率で11日後の日経平均の変動率は-2%から+4%の間に収まる、ということになります。11日後の動きがこの程度であれば大方の予想で「往って来い」になると考えられそうです。
では、大きな下落となる確率はどうかというと、例えば-5%を超える下落となったのは4.36%、-10%を超える下落となったのは0.45%でした。-5%を超える下落の発生確率はおよそ5%ですから、20回に1回起きるかという確率です。この発生確率をリスクと見るかは各投資家のリスク許容度次第と言えます。
連休中に取引できることは果たして安心なのか?
連休明け後に結果的に「往って来い」になるとしても、10連休中は海外の取引所で大きな相場変動が発生する可能性はあります。一番気を付けなければならないのは、保証金(委託保証金)や証拠金を担保として差し入れる取引です。
信用取引や225先物取引は連休明け後に相場水準が損失の出る方向に大きく変わっていた場合に追証が発生する可能性があります。また、FX取引などでも取引ができることがかえってリスクになるかもしれません。流動性の乏しい連休中の日本時間に一時的な相場変動で強制ロスカットが発生する可能性が高まると思われるからです。
一方で現物株や投資信託、eワラントは有価証券ですから「追証」は発生しませんし、連休中に大きな相場変動があっても強制ロスカットもありません。
eワラントで連休直前に投資戦略を考えるのであれば、次の3パターンが考えられそうです。
@強気派
連休前にポジションを落とす投資家が多いのであれば、連休後に買い戻す投資家も多いかもしれない。これを前提にすると日経平均株価や米ドルを対象とするコール型eワラントで相場上昇を狙う。
A弱気派
「セルインメイ」というアノマリーもあるし、ゴールデンウィークの10連休は危険。相場急落に備えて日経平均株価や米ドルを対象とするプット型eワラントを買って相場下落時の保険とする。
B中立派
上記@とAの両方があり得ると思うが、どちらに動くかは予想できないので、日経平均株価や米ドルを対象とするコール型eワラントとプット型eワラントを両方買って、どちらかに大きく動けば利益が狙えるポジションを取る。
いずれの3パターンにおいても連休後には、連休前に買ったeワラントをいったん売却しましょう。選ぶ銘柄ですが、初心者の方でしたらコール型は権利行使価格が対象となっている相場よりも低い銘柄、プット型は権利行使価格が対象となっている相場よりも高い銘柄を選びましょう。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)
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