4月に入ってから半導体関連株や産業機械関連株の上昇が目立っているほか、ファーストリテイリング(9983)や任天堂(7974)の上昇も目立ちます。これらに共通するキーワードは“中国”かもしれません。米中対立から中国の景気見通しを懸念する見方も多くありましたが、4月以降はこの見方が修正されて買い戻されている印象です。決算発表が本格化していますが、企業の中国経済への見通しに楽観的な見方が増えてくれば中国関連株が注目されるかもしれません。
eワラントとは?
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中国による景気対策
中国国家統計局が4月17日に発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年比6.4%の増加となり、市場予想を上回りました。3月の鉱工業生産が前年同月比8.5%の増加となり、GDPの押し上げに貢献した形です。
また、米中通商協議の合意も近いと見られています。米国のトランプ大統領は5月25〜28日に国賓として来日し新天皇と会見する予定ですが、トランプ大統領は6月28、29日に大阪で開かれるG20首脳会議にも来日する予定です。5月又は6月のタイミングで中国の習近平国家主席と会談を行い、米中通商に関して合意する可能性が報じられています。
好調な経済指標の発表や通商協議の合意期待から中国の株価は上昇傾向にありますが、中国当局による金融緩和策の効果によるものも大きいと思われます。中国の実体経済に供給されている資金量を見るための指標として「社会融資総量」というデータがあり、「社会融資総量」を見れば中国当局がどれだけ金融緩和をしているのかを把握することができると考えられます。
4月以降の中国関連株の動き
中国の景気対策を受けて、中国でビジネスを展開している日本企業にも好影響があるかもしれません。中国で積極的に事業展開を進めている日本の50銘柄を選定した「日経中国関連株50」という株価指数がありますが、指数を構成する銘柄のうち、eワラントの対象原資産にもなっているのは次のとおりです。
セブン&アイ HD(3382)、東レ(3402)、信越化学(4063)、花王(4452)、JXTGHD(5020)、日本製鉄(5401)、住友金属鉱山(5713)、コマツ(6301)、日立建機(6305)、ダイキン工業(6367)、日立(6501)、パナソニック(6752)、ソニー(6758)、TDK(6762)、ファナック(6954)、村田製作所(6981)、日東電工(6988)、三菱重工(7011)、日産自動車(7201)、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、キヤノン(7751)、三井物産(8031)、東京エレクトロン(8035)、三菱商事(8058)、ユニ・チャーム(8113)、ファーストリテ(9983)
これらの銘柄に加えて、中国の広東省から「Nintendo Switch」の販売の許諾を受けた任天堂(7974)を加えた銘柄群でポートフォリオを作り、4月に入ってからのパフォーマンスを日経平均株価と比べてみたのが次の図です。ポートフォリオは3月末時点で、構成銘柄の比率は等しくなるようにしています(いわゆる「均等ウェイト」)。
もっとも上昇に寄与したのはファーストリテ(9983)、任天堂(7974)でいずれも15%を超す値上がりとなっていますが、信越化学(4063)、住友金属鉱山(5713)、コマツ(6301)、ソニー(6758)、TDK(6762)、ファナック(6954)、東京エレクトロン(8035)も10%を超す値上がりとなっていました。
中国関連株に投資するならeワラント
本稿で紹介した中国関連株はeワラントの対象になっており、eワラントを活用すれば1万円以下の金額から現物株投資よりもハイリスク・ハイリターン投資が可能ですので、相場が上昇すると思えばコール型eワラントを購入して現物株投資のように値上がり益を狙います。すべての現物株を買い付けるには多額の資金が必要ですが、eワラントであれば必要資金を小さくすることができます。
金融緩和には株式相場を上昇させる効果があるとすると、中国当局による金融緩和が続く限り株式相場は堅調に推移するかもしれません。今後決算発表が本格化してきますが、中国市場に関する見通しや中国の「社会融資総量」の動向には注目しておいた方がよさそうです。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)
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