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10月相場の命運を握るのは欧州勢か?

2019/9/27

日本株市場の関係者のコメントの中で、「海外投資家の買い(又は売り)が〜」などと語られることがあります。実際、現在の日本株市場、特に東証一部の取引に占める海外投資家の売買シェアは高く、そのフローによっては日本株市場は大きく影響をうけます。しかし、一口に海外投資家といっても拠点は異なりますし、もちろんその投資戦略もそれぞれです。

ただし、その中でもある特定の地域の投資家による売買シェアは特に高く、取引のパターンがやや特徴的です。それは、欧州の投資家です。このパターンが今後も続くのであれば、それに則った投資戦略が有効に働くかもしれません。

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特に影響が大きいのは欧州投資家

日本株市場が大きく上昇した時期は海外投資家が日本株を買い越していたり、逆に日本株市場が大きく下落したときは海外投資家が日本株を売り越していたりすることがあります。東京証券取引所の「投資部門別売買状況」によると海外投資家の日本株の売買シェアは7割近くあり、日本株市場は海外投資家の動向次第と言えるでしょう。

海外投資家といっても米国や欧州など拠点は異なります。東京証券取引所は毎月の海外投資家の地域別売買動向を翌月20日前後に公表しています。図1は直近24ヵ月の北米、欧州、アジア、その他地域で分け、買い越し金額から売り越しの金額を差し引いた金額を示しています。プラスであれば買い越し、マイナスであれば売り越しとなります。欧州投資家(赤線)は他地域の投資家と比べて、買い越し・売り越しの振れ幅が大きいのが特徴的です。

欧州投資家の売買動向と日経平均?

欧州投資家の買い越し・売り越しの金額が日本株市場に大きな影響を与えるという前提に立てば、欧州投資家と同じように売買することで投資パフォーマンスを向上できるかもしれません。

図2は欧州投資家の買い越し・売り越し金額と日経平均の月間変化幅の推移です。東京証券取引所の公開資料はタイムリーな情報ではないため、欧州投資家の動向を事前に把握することは不可能に近いですが、数ヵ月売り越しが続いた後に大きく買い越すという傾向がありそうです。

以前にご紹介したコラム(8月の日本株は欧州勢による売り越しか?相場の下落に注意?)では欧州投資家の買い越し・売り越しは数ヵ月スパンで変わる傾向にありましたが、買い越しとなる期間が短くなっているようにも見えます。

9月の欧州投資家の売買動向はまだ出ていませんが、9月24日現在で日経平均が1,300円近く上昇していることや、8月までの4ヶ月間売り越しが続いていたことを考えると、今月欧州投資家は買い越しとなる可能性が高いと考えられます。

とすれば、過去2年間の傾向が続くという前提に立つと、10月は再び売り越しに転じてしまうかもしれません。欧州投資家の売買動向が日本株相場に与える影響を考えると、日経平均は再び下落となる可能性も考えておいたほうがいいかもしれません。

投資に活かすなら

保有株に下落の保険をかける
現物株を保有しているのであれば、その保有株を売却しておくことも検討しても良いかもしれませんが、売却すると逆に上昇した際の機会利益を放棄することになります。

そこでプット型eワラントを現物株とあわせて保有しておくことで、訪れるかもしれない下落相場への保険とすることも考慮してみるのも一手です。具体的には、当該株式を対象とするプット型eワラントを買い付けて1ヵ月間保有します。当該株式を対象とする銘柄が無い場合は、同業他社株や日経平均株価を対象とするプット型eワラントでも構いません。

権利行使価格は相場水準よりも低くなっているプット型eワラントを選択しましょう。下落があればプット型eワラントの含み益で保有株の含み損を相殺する効果が期待できます。相場が下落しなければプット型eワラントの買付け代金そのものがなくなる可能性がありますが、掛け捨ての保険料と考えることができます。

下落相場を投資機会とするなら
相場の下落を想定するのであれば、プット型eワラントを利用することで相場の下落を投資機会に変えることができるかもしれません。特に昨年10月のような大幅な相場の下落を想定するのであれば、権利行使価格が相場水準よりも下(例えば、21,000円や20,500円など)で、満期日が11月や12月など比較的短い銘柄が投資候補として考えられます。

このような状態にある銘柄は、相場の急落によって大幅な値上がりを見込むことができます。ただし、相場の下落が小さい場合は時間経過による価格の目減りの影響も大きくなりますので、短期かつ急落という相場観で利用する銘柄と言えるでしょう。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)

eワラント証券 投資情報室

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