「この先日経平均株価が上昇すると考えているので、レバレッジをかけて収益機会にしたい」とお考えの場合、さまざまな投資手段を選ぶことができますが、eワラントにも日経平均の上昇を投資機会に変えられる商品がいくつかございます。具体的には、日経平均を対象とするコール型eワラント(日経平均コール)、日経平均を対象とするレバレッジトラッカー(日経平均プラス5倍トラッカー)、そして日経225レバレッジETF(リンク債)を対象とするレバレッジトラッカー(野村日経225レバETF債プラス5倍トラッカー)の3つのタイプがあります。いずれも株価指数などにレバレッジの効いた投資をすることができる商品ですが、追証発生のリスクはありませんので、レバレッジ投資初心者でも取り組みやすい商品設計になっています。
eワラントとは?
そもそもワラントってなに?3,000円程の少額から始められる「eワラントの魅力」をご紹介いたします。
日経平均コール
コール型eワラントとは、対象となっている資産の変動に合わせて価値が変動する商品です。日経平均を対象とするコール型eワラント(日経平均コール)であれば、日経平均が上昇すると、日経平均そのものよりもレバレッジが効いた価値の上昇が期待できます(他の条件を一定とした場合)。具体的には、日経平均が、短期間のうちに、大きく上昇するようなことがあれば、数割から数倍程度の収益が得られる可能性もあります。
また、コール型eワラントは少額から取引が可能な点も大きな特徴の一つです。銘柄によっては数千円程度の金額からお取引を頂くことも可能です。
ただし、リスクもあります。日経平均コールを含むすべてのコール型eワラントには「満期日」と「権利行使価格」と呼ばれる水準がそれぞれ設定されています(満期日と権利行使価格の違いによりそれぞれの銘柄は「第〇〇回」と区別されています)が、満期日時点で、対象となる資産の価格が権利行使価格に到達していなかった場合は、そのコール型eワラントは無価値と判断されてしまいます。日経平均コールの場合ですと、満期日の日経平均の始値が権利行使価格以下であれば、その銘柄は自動的に0円で決済され、投資元本全額が損失となってしまいます。
さらに、コール型eワラントは、他の条件が一定の場合、時間の経過により価値が目減りしていくという特性があります(時間的価値の減少)。相場水準が変わらないまま時間だけが経過すると、評価損が増えていくということにもなりかねませんので注意が必要です。
以上の点を考慮すると、日経平均コールは1日〜1週間程度のうちに、日経平均が大きく上昇するという相場観のときに向いた銘柄と言えそうです。
日経平均プラス5倍トラッカー
日経平均プラス5倍トラッカーも対象となる日経平均が上昇すると価格が上昇するタイプの銘柄です。ただし、その値動きは日経平均の変動幅のほぼ5倍となるように設計されています。
225先物取引やCFDと比較すると、日経平均の変動幅に連動する仕組みは同様ですが、レバレッジトラッカーはeワラントの一種なので、他のeワラントと同様に追証発生のリスクはありません。このため、レバレッジ取引に不慣れな方でも比較的取り組みやすいレバレッジ商品と言えます。
また、追証がないという点ではブル型の投資信託・ETFと同じですが、ブル型の投資信託・ETFの基準価額は変動率に対して〇倍という商品設計になっています。これにより、例えば相場がいったん上昇した後、再び同じ水準に戻るいわゆる「往って来い」となると基準価額は同じようには戻りません。特に相場が上げ下げを繰り返す状況では時間の経過とともに基準価額が押下げられていきます。この点、日経平均の変動幅のプラス5倍の値動きをするプラス5倍トラッカーは相場が戻れば買取価格(買気配値)がほぼ元の水準まで戻ってくるのはメリットと言えます(後述の自動ロスカットが実行済みである場合や、配当落ち日などを除く)。また、他のeワラント同様、取引時間は9:00〜23:50となっていますので、会社員の方でも取り組みやすいと言えるでしょう。
注意点としては、変動幅のプラス5倍という商品設計になっていることから、取引価格がマイナスにならないように自動ロスカット機能が具備されており、買取価格(買気配値)が一度でも1円を下回った場合、1円以下での 固定価格による買取のみとなります。なお、自動ロスカットが実行される前段階として、買取価格(買気配値)が2円を下回った場合は、原則として新規の販売を停止いたします。投資家の皆様が保有されているプラス5倍トラッカーを売却することは可能です。
野村日経225レバETF債プラス5倍トラッカー
日経平均そのものではなく、NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)にさらにレバレッジ効果のある投資をできるように開発されたのが野村日経225レバETF債プラス5倍トラッカーです(実際には同ETFに概ね連動する投資成果を目的とした野村日経225レバレッジETFリンク債を対象原資産としています)。
同トラッカーは、対象原資産となるETFのレバレッジ効果(変動率の2倍)にプラス5倍トラッカーのレバレッジ効果(変動幅の5倍)を加えることで、日経平均に10倍近いレバレッジをかけて投資ができるという商品です。下記の図及び表は日経平均と日経平均プラス5倍トラッカー、日経レバレッジETF、野村日経225レバETF債プラス5倍トラッカーのそれぞれの価格推移をイメージ化したものです。
レバレッジトラッカーの特徴として、上下を繰り返すこう着相場でも基準価額が押し下げられないことをご紹介しました。しかし、同トラッカーは対象原資産(野村日経225レバETF債)の性質から、相場が上げ下げを繰り返すと基準価額が押下げられていく点には注意が必要です。
そのため、相場で上昇しているときはいいですが(2、5日目)、相場が上下を繰り返して元に戻ってきたときの評価額(4、7日目)は日経平均プラス5倍トラッカーよりも悪くなってしまいます。この点を考慮すると、相場が短期〜中期的に上昇することを見込んでいるときに向いた銘柄と言えそうです。
銘柄の選び方
一口に「日経平均が上昇する」といっても、その期間や上昇の仕方は様々です。上記それぞれの銘柄の特性を考えると以下のような観点で銘柄を選んでみるのも良いでしょう。ぜひ相場観に併せて使い分けてみてください。
・日経平均コール
期間:短期(1日〜1週間)
上昇の仕方:短期間に大きな上昇を予想
メリット:数割〜数倍のリターンが得られる可能性
・野村日経225レバETF債プラス5倍トラッカー
期間:短期〜中期(数日〜1カ月)
上昇の仕方:強い上昇基調が続くことを予想
メリット:10倍近いレバレッジ効果
・日経平均プラス5倍トラッカー
期間:中期(1カ月〜数カ月)
上昇の仕方:上下を繰り返しながら緩やかに上昇することを予想
メリット:時間経過による目減りの影響がない
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 多田 幸大
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- eワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株式(上場投資信託等を含む)・株価指数、預託証券、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動、時間経過(一部の銘柄を除き、一般に時間経過とともに価格が下落する)や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与えるので、投資元本の保証はなく、投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります(ただし、eワラントの価格が極端に低い場合には、対象原資産の値動きにほとんど反応しない場合があります)。
- ニアピンeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数や為替相場の変動や、時間経過(同日内を含む)など様々な要因が価格に影響を与えるので、元本の保証はなく投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります。最大受取可能額は1ワラント当たり100円に設定され、満期参照原資産価格がピン価格から一定価格以上乖離した場合は満期時に価格がゼロになります。同一満期日を持つ全ての種類のニアピンeワラントを購入しても、投資金額の全てを回収することができない可能性があります。
- トラッカーeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与える有価証券です。このため、投資元本の保証がなく、損失が生じる恐れがあります。トラッカーeワラントの価格は、eワラントに比べると一般に対象原資産の価格により近い動きをします(ただし、レバレッジトラッカーは同方向または逆方向に増幅されたような値動きとなります)が、任意の二時点間において対象原資産の価格に連動するものではありません。また、金利水準、満期日までの予想受取配当金及び対象原資産の貸株料等の変動によって、対象原資産に対する投資収益率の前提が変化した場合には、トラッカーeワラントの価格も影響を受けます。さらに、取引時間内であっても取引が停止されることがあります。詳細は、最新の外国証券情報をご参照ください。
- SBI証券におけるカバードワラント取引手数料は無料です。また、お客様の購入価格と売却価格には価格差(売買スプレッド)があります。トラッカーeワラントの購入価格には年率で計算された管理コストが予め織り込まれています。管理コストは、計算時点におけるマーケット・メーカーのヘッジコスト(金利水準、ヘッジ対象の流動性、資金調達コスト等を含む)の予想に基づいて設定され、銘柄および購入時点によって異なる可能性があります。
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