コロナショック以降、安定飛行に入った株式市場。その株高を背景にボラティリティが下落しています。
昨年初めに一時80ポイント台まで上昇したVIX指数ですが、足元では10ポイント台まで落ちてきています。
2019年1月からのNYダウ株価指数とVIX指数の推移を下図に表しました。

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コロナショックの影響で株価回復直後もボラティリティが高い数字が続いておりましたが、ショックから一年以上経過したせいか、さすがにボラティリティも落ちてきており、ショック以前と同水準の10%台で取引されています。
次にスキュー指数の値を見てみましょう。
■スキュー指数とは?
米シカゴ・オプション取引所(CBOE)では、S&P500指数を対象とするオプション取引から、毎日独自のルールで計算されたスキューを指数化し、スキュー指数として公表しています。
スキューとは、アップサイドのボラティリティとダウンサイドのボラティリティを比較した値になりますが、通常は100を超えます。なぜなら、ダウンサイドのボラティリティの方が、アップサイドのボラティリティよりも高い値で取引されるのが一般的であるからです。
CBOEのスキュー指数で言えば、大体110〜120のレンジで推移するのが通常値だと思っていただいて結構かと思います。
しかし、稀に140を超えて取引されることがあり、それはダウンサイドのボラティリティが高くなっていることを意味し、更に言い換えるなら、ダウンサイドのプットオプションを買っている投資家がいる、ということを示唆します。
それでは、直近のスキュー指数はどうなっているでしょうか?
下のグラフをご覧ください。

如何でしょうか?
VIX指数と合わせて見比べてみてください。
コロナショック以前のように、VIX指数が10%台で推移しているときは、相場のクラッシュの可能性は低いと市場では判断され、ダウンサイドのプットオプションへのニーズは落ちます。その結果、スキュー指数は下落し、120ポイント前後で推移することが通常でしょう。
しかし足元では不穏なことが起こっています。
VIX指数は10%台に落ちてきているのに対し、スキュー指数は依然高い水準を推移しているのです。
これは、ボラティリティの絶対的水準が下がったことをチャンスと捉え、将来の相場下落に備えて、安くなったダウンサイドのプットオプションを買い拾っている投資家がいる、ということを意味します。
従って、もし相場が何らかの要因で下落した場合、そのプットオプションを反対に売った投資家達が、ロスカットを余儀なくされ、先物市場に大量の売り注文を出してくるかもしれません。
そうなれば、売りが売りを呼ぶ展開になることに繋がります。
足元の相場は、堅調なように見えて、何かのきっかけでダウンサイドに潜んでいる爆弾が爆発するリスクも兼ね備えた状態だということを心に留めておいてもらえればと思います。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 吉野 真太郎
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