新型コロナウィルスによる影響は依然色濃く残っているものの、ワクチン接種の普及や東京オリンピックの開催など、当初の頃よりは、人々の間で安心感が出てきているのも事実かと思います。
それを背景に、日本の株式市場はジリジリと下値を切り上げ、アメリカ市場のように高値を更新し続けるとまではいかないものの、依然高値水準をキープしています。
そのような中、皆さんはどのような業種の株が大きく上昇し、どのような業種が出遅れているのか、おさえているでしょうか?
そこで今回、コロナの影響が出始めた2020年1月の年初からの業種別のパフォーマンスを比較・検証し、今後の戦略を考えたいと思います。
まずは図1をご覧ください。
eワラントとは?
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これはコロナ問題が起きた2020年1月から、TOPIXが最安値を付けた2020年3月16日までの、東証33業種別株価指数とTOPIXの高値(ヒゲの上端)、安値(ヒゲの下端)、現在値(白マーク)をそれぞれの業種ごとにプロットしたグラフです。
これを見る限り、「電気・ガス業」、「情報・通信業」といった、比較的内需系のセクターの中でも公共性の高いもの(光熱費、電話料金、インターネット利用料など)が集まっているセクターはほとんど下げていなかったことが分かります。景気が冷え込んだとしても、生活する上で必要不可欠な消費は落ち込まないだろうという当時の市場の反応が伺えます。
また、コロナウィルスのワクチン開発で盛り上がっていた「医薬品業」も第3位のパフォーマンスとなっており、こちらも納得がいく反応だったかと思います。
逆に、市場から厳しい見方をされていたのが、「鉱業」、「海運業」、「鉄鋼業」、「非鉄金属業」、といったセクターになります。
「鉱業」は、原油価格の大暴落が主な要因だったと言えるでしょう。
「海運業」、「鉄鋼業」、「非鉄金属」に関しては、コロナウィルスの影響で純粋に製品・サービスに対する需要が減り、人・モノの動きが止まってしまうだろうという見方があったものと思われます。
■コロナ問題が発生して約1年半経った今は?
図2をご覧ください。
これは同じく2020年1月から、足元の2021年8月13日までの、東証33業種別株価指数とTOPIXの高値(ヒゲの上端)、安値(ヒゲの下端)、現在値(白マーク)をそれぞれの業種ごとにプロットしたグラフです。
如何でしょうか?
注目すべき点は、海運株の見違えるほどの急上昇と、依然停滞し続けている鉱業株かと思います。
■海運株が急反発!
図1でお分かりのように、コロナショック直後では、海運株は東証33業種中ワースト2位のパフォーマンスでした。
それが、1年半経った足元では、上昇率が+207%と33業種中ダントツのパフォーマンスとなっております。
世界的なコロナショックの落ち着きを背景に、人・モノの動きが再開し、海上輸送の運賃が上昇していることが背景のようです。
図3をご覧ください。
これは2020年1月から2021年8月までの東証の海運業株価指数とばら積み船の運賃指数を表しているバルチック海運指数のパフォーマンスをそれぞれプロットしたものになります。【海運業株価指数については同期間のTOPIXのパフォーマンスを差し引くことで、海運株個別のパフォーマンスを計算しています。】
図3を見る限り、日本の海運株はコロナショック前の水準の約3倍まで上昇したとはいえ、バルチック海運指数の動きを鑑みれば、まだまだ上昇の余地があると言えるかもしれません。
■鉱業株が中々上がらない・・・
海運株が好調な一方で、苦しいパフォーマンスとなっているのが鉱業株になります。図1、図2でもお分かりのように、コロナショック直後で最も下落した業種であると同時に、1年半経過した今でも、最も出遅れている業種となっています。
下の図4をご覧ください。
これは2020年1月から2021年8月までの東証の鉱業株価指数とWTI原油先物のパフォーマンスをそれぞれプロットしたものになります。【鉱業株価指数については同期間のTOPIXのパフォーマンスを差し引くことで、鉱業株個別のパフォーマンスを計算しています。】
いかがでしょうか?
コロナショックが起きて以降、一時WTI原油先物が史上初のマイナス価格になるなど、異常事態が発生した原油市場でしたが、現在ではコロナショック前の水準よりも高く推移していることが分かります。
その一方で日本の鉱業株はというと、ジリジリ値を下げ続け、安値よりは若干反発しているものの、依然、約47%もTOPIXをアンダーパフォームしている状況です。
■今後の戦略は?
では、今後どのような戦略が考えられるのか?
私見にはなりますが、鉱業株を長期目線で保有しておくのが得策かもしれません。
海運株のところで触れたように、モノの動きは戻りつつあります。その結果、バルチック海運指数も上昇しております。
原油価格にしても、1バレル70ドル台まで回復し、石油開発会社にとって十分採算のとれる水準となっています。
にもかかわらず、鉱業株のパフォーマンスは依然低調です。
例えば鉱業セクターの代表企業であるINPEX【1605】を事例に考えてみると、コロナショック前では1,100円台でした。その時のWTI原油先物価格はというと、60ドル台前半でした。
今は、WTI原油先物が70ドル台であるにもかかわらず、INPEXの株価は700円台です。
明らかに出遅れていると言って良いでしょう。
足元では信用買い残が多いなど、個別的要因は残りますが、このまま原油価格がこの水準以上で推移するという前提に立つならば、中・長期の目線で買っておくのが得策かもしれません。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 吉野 真太郎
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