2014年度も終わり、4月中旬から主要企業の本決算発表が始まります。日本の主力企業には輸出企業が多いため、為替レートの変動は企業業績や株価に与える影響が大きいといえるでしょう。
本レポートでは来たる本決算の発表シーズンに備え、主要輸出企業が想定していた為替レートを確認します。本決算で波乱があるとすればeワラントを使ってどのような投資戦略が実行できるのかご紹介しています。
まずは少額から投資してみようとお考えなら、是非eワラントをご検討ください!

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主要企業の想定為替レート |
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一般的に円安は輸出企業にとって良い、といわれます。輸出企業は外貨ベースの売上を日本円で評価するため、事前の想定為替レートよりも円安が進行していれば円ベースでの評価額がかさ上げされるためです。
例えば100ドルの売上があったとします。1ドル=100円のときでは10,000円で評価されますが、1ドル=120円のときでは12,000円となりますで、想定為替レートが1ドル=100円であれば、事前の想定よりも2,000円も売上がかさ上げされることになります。このことから円安の進行は輸出企業の株価が上昇する要因の一つになっていると考えられます。
ここでポイントとなるのは、輸出企業が想定為替レートをいくらにしているかということです。想定為替レートよりも円安が進んでいればかさ上げ効果が見込める一方で、想定為替レートよりも円高が進んでいればかさ上げどころか評価減が生じてしまいます。そこで主要企業が想定為替レートをいくらにしていたのか見てみましょう。
業種 |
銘柄名 |
想定為替レート |
|
---|---|---|---|
米ドル |
ユーロ |
||
輸送用機器 |
トヨタ(7203) |
109 |
139 |
ホンダ(7267) |
109 |
138 |
|
日産(7201) |
114.7 |
138.9 |
|
富士重工(7270) |
116 |
139 |
|
マツダ(7261) |
115 |
130 |
|
電気機器 |
日立(6501) |
115 |
130 |
パナソニック(6752) |
107 |
140 |
|
ソニー(6758) |
118 |
133 |
|
村田製作所(6981) |
115 |
135 |
|
京セラ(6971) |
115 |
130 |
|
キヤノン(7751) |
120 |
135 |
|
セイコーエプソン(6724) |
115 |
135 |
- ※3/26時点で取得可能な各社の決算短信からeワラント証券作成。第4四半期の想定為替レートが取得できなかった企業については通期、下期の想定為替レートを記載。パナソニックについては第3四半期輸出予約レート。本情報は正確性を保証するものではありません。
本稿執筆時点(3/31)における米ドル対円相場は120円、ユーロ対円相場は130円でした。
各社米ドルに対しては保守的な想定為替レートになっていますが、ユーロに関しては総じて実勢為替レートが想定為替レートよりも円高になってしまっています。この背景として3月から欧州中央銀行(ECB)が国債購入などによる量的緩和政策を導入し、市場にユーロが供給されたことでユーロの価値が下がり、ユーロ安が進行していることが挙げられます。
上記のうち、輸送用機器ではホンダと日産は売上に占める北米の割合が高いので、ユーロよりも米ドルの変動の方が業績に影響が大きそうです。富士重工とマツダは売上に占める欧州の割合が他社よりも相対的に高く、ユーロ対円相場の円高は誤算となるかもしれません。トヨタは日本と北米、その他地域がメインで欧州の比率は低めとなっています。
電気機器では日立、パナソニック、京セラ、セイコーエプソンは売上に占める日本の割合が高めですが、ソニー、村田製作所、キヤノンは海外の売上比率が高くなっています。特にキヤノンとソニーは欧州の比率が他社よりも高めなので、ユーロ安の影響を受けそうです。村田製作所はその他地域が多くなっており、特に中華圏の比率が高くなっています。

- ※3/26時点で取得可能な各社の決算短信からeワラント証券作成。第3四半期連結累計期間(4/1-12/31)の円ベースの売上高を元に作成。本情報は正確性を保証するものではありません。
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想定為替レートを踏まえた投資戦略 |
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主要企業の想定為替レートを踏まえると、対米ドルに対しては各社保守的に為替レートを想定していますが、ユーロについては事前の想定よりも円高ユーロ安が進行したため、欧州からの売上が高い企業には本決算発表において、過去の実績および将来の見通しに関してネガティブな内容が発表されるかもしれません。
投資戦略としては値動きが似ている同業種で想定為替レートが低め、又は欧州からの売上比率が低い銘柄を買い持ちし、想定為替レートが高め、又は欧州からの売上比率が高い銘柄を売り建てすることで、全体の相場変動の影響を受けにくくしたうえで利益を狙うことができるかもしれません。
現物株式を売り建てるには信用取引を利用する方法もありますが、eワラントのプットを利用することで、少額でしかも追証も発生することも無く、売り建てと似たような投資効果を得ることができます。
eワラントで投資するならコレ!?
【輸送用機器で合成ポジションを組むなら】
又は |
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+ |
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【電気機器で合成ポジションを組むなら】
又は |
||
+ |
||
又は |
この投資戦略はコールとプットを両建てするので、日本株市場が大きく動いてもコールの利益とプットの損失、又はコールの損失とプットの利益が相殺されることが予想され、大きな利益は期待できません。その代わり、相場全体の動きに左右されずに利益を狙うことができます。
利益を狙えるのはコールの原資産になっている株式が、プットの原資産になっている株式を大幅に上回るパフォーマンスになった場合か、プットの原資産になっている株式が、コールの原資産になってる株式を大幅に下回るパフォーマンスになった場合です。目安として、合成ポジションが3〜5%程度の含み益が発生したら利食い売りをしましょう。
また、コールeワラントとプットeワラントは時間経過による目減りが発生します。特に満期日の1ヵ月前くらいになると目減りの影響が大きくなりますので、上手くいかなかった場合でも満期日の1ヵ月前くらいにはコールとプットの両方を売却しましょう。
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今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
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コールくんが選ぶ〜注目銘柄
米国株式市場は利上げという不透明な要素があるけれども、ファンダメンタルに関しては楽観視しているよ。雇用環境・消費活動・ガソリンという三つの要素が大きいね。例えば、2月の平均実質賃金が前年比2.6%も上昇しているよ(出所:米国労働省)。他にも、ガソリン消費量の拡大や自動車走行距離の伸びは好調な雇用環境を反映していると思うよ。加えて家庭の貯蓄率が高い水準にあるので、個人消費の拡大につながることも期待できるね。
権利行使価格がダウ・ジョーンズ工業株価平均を若干下回る状態(イン・ザ・マネー)の銘柄で11月満期のコールを選んだよ。
保有から1ヵ月半くらいで売却するつもりだよ。期間内に目標売却価格を達成したら利益確定売りだね。
9.00円半ばで売却することを目標にしているよ。
- ※あくまでも目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均コール279回
ダウ・ジョーンズ工業株価平均コール284回
ダウ・ジョーンズ工業株価平均コール277回
ダウ・ジョーンズ工業株価平均コール285回
ダウ・ジョーンズ工業株価平均コール282回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。

プットくんが選ぶ〜注目銘柄
先日iPS細胞関連の米企業の買収が発表されて富士フイルムの株価が上がったね。買収するセルラー・ダイナミクス・インターナショナル(CDI)という会社は2013年にNASDAQに上場してから赤字続きだし、毎年新株発行で資金調達していて投資家目線ではちょっとイマイチな印象。買収発表前のCDIの株価は7.94ドルだったけど、富士フイルムは16.5ドルと倍以上の金額で買収するみたい。CDIの買収額は同社の総資産の1%程度なので影響は小さそうだけど少なくとも先日の株価上昇は過大評価されているように思うよ。
権利行使価格が株価を下回る状態(アウト・オブ・ザ・マネー)だけれども保有期間は長めを想定しているので、満期日が長めのこの銘柄にしたよ。
保有期間6ヵ月くらいで売却するつもりだよ。
9〜10月に5.00円前後くらいで売却できたらいいなぁ。
- ※あくまでも目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
JXホールディングスコール21回
JXホールディングスコール20回
JXホールディングスプット16回
東洋ゴム工業コール5回
富士フイルムホールディングスプット28回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
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