中国株の下落が止まりません。上海総合指数は終値で6月12日にピークをつけてから7月6日まででおよそ3割下落しました。中国の大手証券21社は7月4日に、株式市場を下支えるため、総額1200億元相当の資金を上場株式投資信託(ETF)に投じると発表しました。ETFを通じて株式市場を買い支える目的です。
このような証券会社が共同で株価を買い支えるという株価維持策はかつて日本でもありました。1964年1月に銀行と証券会社が出資した株式買入機関、日本共同証券です。歴史的な背景や経済状況は当時の日本と現代の中国では異なりますが、中国株式市場の行方を考えるにあたり、日本が歩んできた歴史が参考になるかもしれません。
本レポートでは、日本共同証券が設立された前後の日本の株式市場を振り返ることで、今後の中国の株式市場のシナリオを用意しました。また、シナリオごとに妙味のあるeワラントをピックアップしています。eワラントなら少額から国内外の株価指数に投資することができますので、この機会に是非eワラントをご検討ください!

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日本共同証券の設立とその後の日本株 |
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このグラフは1961年12月末を100とした東証一部の株価と2014年1月末を100とした上海総合指数の月次データを重ねたものです。東証一部の株価は1965年12月まで、上海総合指数は2015年7月まで(7月は7月6日までのデータ)表示しています。この期間、月次でみると日本株は1963年4月に、上海総合指数は2015年5月にピークを迎えています(月次データなので日次で見た場合のピークとは異なります)。日本では1961年7月以降、国際収支赤字改善のために金利が引き上げられ、法人による換金売りが始まるとともに増資の集中により需給が悪化し、それが投資信託の解約をもたらし株価を下落させるという悪循環に陥っていました。
日本では増資が短期間に集中しないよう増資調整などが行われましたが、1963年に米国でケネディ大統領が発表した新税制を受けて株価が下落し、さらに暗殺事件の発生(ケネディ・ショック)があり、株価の低迷が続きました。そこで市場から株式を買取るための機関として1964年1月に銀行と証券会社が出資した日本共同証券が、さらに1965年1月には投資信託の解約の受け皿として日本証券保有組合が設立され、株式市場の需給改善をめざしました。日本共同証券には1966年5月25日時点で銀行、証券会社、保険会社合計139社が資本参加するまでに拡大しています。
しかし1964年の9月期決算で、全国証券会社で264億円の赤字を計上し、特に山一証券の経営が悪化していました。1965年3月末の赤字は資本金80億円に対して282億円にのぼりました。山一証券の経営危機に対して日銀は無担保・無制限に融資を行いました。これが1965年の日銀特融です。その後政府が赤字国債発行方針を発表し、財政拡大方向に進むと株価は回復に転じています。

- ※公益財団法人日本証券経済研究所データおよびロイターよりeワラント証券投資情報室作成
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今後の中国株式市場のシナリオ |
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日本共同証券が買い入れた株式は1964年末で1900億円にのぼりました。当時の日本の株式時価総額は7.4兆円程度でしたので時価総額対比で2.6%保有していたことになります。それでもすぐには株高にならず、前述のように株安傾向はつづきました。
今回、中国のETF購入策は中国の7月6日時点の時価総額が約28.5兆元に対して1200億元なので0.5%にも満たず、株価浮上のインパクトにはなりにくいかもしれません。しかしながら日本共同証券も徐々に保有数量を増やしていきましたので中国のETF購入額も徐々に増えていくかもしれません。日本では株価が1963年にピークをつけてから日本共同証券の設立まで1年ほどかかったのに対し、今回の中国の対応は早かったとも言えます。
今後の中国の株式市場は以下のシナリオが考えられます。
【1】 株価の下落基調が止まり回復に向うというシナリオ
今回発表された購入額はあえて小規模に抑えられていると考えられます。株価の下落があるたびにETF購入額の増加が発表され、当局が株価を下げさせないという意思を示す可能性があります。また、1960年代の日本よりも対応のスピードが早いのも回復を早める可能性があるかもしれません。
中国株式市場が上昇に転じると想定するなら・・・コール!
【2】 株価維持策をもってしても株価の下落が止められないというシナリオ
日本共同証券が1964年末に時価総額に対して2.6%も保有していても株価はすぐには回復せず、証券会社の経営悪化を止めることもできませんでした。株価が反転し始めたのは1965年の後半で、きっかけは財政拡大です。株価の買い支えは焼け石に水で、抜本的な景気浮揚策が出ない限り下落を止めるのは難しいと考えられます。
中国株式市場の下落が止まらないと想定するなら・・・プット!
※ H株とは、香港市場に上場する中国本土で登記された中国企業の株式の総称。
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今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
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コールくんが選ぶ〜注目銘柄
ギリシャとか中国とかウクライナとかプエルトリコとか、各地でおかしな動きが目立ち始めているね。急に世界的にリスクオフの動きが進んでいるなか、米国が利上げを決めるかどうか注目される9月のFOMC前くらいまでの中期的な目線で、金価格が上昇するのではないかと考えてみたよ。コモディティには配当がないので、金の現物や金を対象とする投資信託を購入するという手段もあるけど、eワラントならレバレッジがかかっているから資金効率の高い投資ができるね。
プラス5倍トラッカーは時間経過による目減りがないのが魅力。3銘柄あるうちの一番レバレッジが高い銘柄にしたよ。
長期で保有するつもりだけど、利上げがありそうなら金価格の下落につながると思うので、9月のFOMC前に利上げがありそうならいったん売却するつもりだよ。
12円程度で売却することを想定しているよ。
- ※あくまでも目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
日経平均マイナス3倍トラッカー16回
FFRIプラス5倍トラッカー2回
金リンク債プラス5倍トラッカー4回
金リンク債プラス5倍トラッカー5回
日経平均マイナス3倍トラッカー14回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。

プットくんが選ぶ〜注目銘柄
中国の株価に下げ止まる気配がなさそうだね。上海総合指数は連日のように大幅下落が続いているよ。加えて、ここのところまた銅や原油などのコモディティ市場も軟調になってきたね。こうなると商社株の株価動向が心配な上で、特に伊藤忠商事は2015年の初めに中国の国有コングロマリット(CITIC)に対する大規模な投資の決定を発表しているんだ。伊藤忠株を保有している投資家は、中国株の動向が落ち着くまでプットを保有して保険をかけておくのも手かもしれないね。
インザマネーのプットは55回だけだったのだけど、レバレッジの水準も低すぎず、満期までの時間も結構あるのでちょうど良かったよ。
9月から10月くらいまでを想定しているけど、急騰したら売却してもいいね。
5円前後で売却することを想定しているよ。
- ※あくまでも目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
日立製作所コール145回
丸紅コール72回
丸紅コール71回
丸紅コール70回
丸紅コール73回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
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