7月29日に日本銀行は金融政策決定会合を開き、ETFの買い入れを増額して従来の年間保有残高約3.3兆円から約6兆円とすることなどの追加金融緩和策を決定しました。この追加金融緩和策の発表後、米ドル対円相場は円高に反応しました。
6月には英国の国民投票という相場イベントがありました。投票結果が判明するにしたがって、英ポンドが大きく下落したことは記憶に新しいところです。このとき、英ポンドを対象原資産とするeワラントのコールとプットを両方とも買付けてイベント通過を待つという、相場がどちらかに大きく動けば利益を狙える両建て戦略が有効に機能しました。
本レポートでは、今回の日銀イベントにおいて米ドルを対象原資産とするコールとプットで両建て戦略について検証しています。両建て戦略は最大損失が投資金額までに限定されている、eワラントならではの投資戦略です。この機会にeワラントのお取引をご検討ください!

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eワラントの両建て戦略とは? |
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eワラントの両建て戦略とは、相場が上下どちらに動くか予想するのが難しいけれども、どちらかに大きく動きそうだというときに行います。コール型eワラントとプット型eワラントを同程度の金額で買付けて、相場が大きく動くと想定した相場イベントが終わったら両方とも売却します。eワラントは最大損失は投資元本までに限定されているので、極端な例でいうと、相場イベントでコールかプットのどちらかの価値が限りなく0に近づいても、もう片方が倍以上になっていればトータルで収益を期待できるというわけです。
両建て戦略においては、満期日までの残存期間がなるべく短い銘柄で、かつ、相場水準に近い権利行使価格のコールとプットを選択します。このとき、コールとプットの権利行使価格と満期日は同じであることが望ましいです。
今回の日銀イベントの検証においては、7/25(月)の始値で買い付けたものとして、7/29(金)までの期間で検証しました。7/25(月)のeワラント取引開始時点の米ドル対円相場は106円台前半でしたが、満期日までの残存期間が短い銘柄で権利行使価格が106円に近いコールが存在しなかったため、当時の相場水準から同程度離れた権利行使価格の銘柄を選びました。具体的には米ドルリンク債コール第691回(権利行使価格 110円、満期日9/14)と 米ドルリンク債プット第587回(権利行使価格 103円、満期日9/14)です。
両建てポジションのイメージは図1の通りです。コールとプットの権利行使価格は相場水準から同程度離れています。赤と青の曲線は取引開始時点のeワラントの価格を米ドル対円相場の水準ごとに結んだ線のイメージです。点線は満期日時点の米ドル対円相場ごとのeワラント価格です。両建て戦略においては、相場がどちらかに大きく動く必要があり、相場が大きく動かなかった場合は時間経過による目減り(曲線が徐々に点線に近づくこと)によって損失となります。
- ※図1は説明のためのイメージであり、実際の取引価格とは異なります。

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日銀イベント前後の両建て戦略の検証 |
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2銘柄の7/25(月)の売気配値の始値はそれぞれ、米ドルリンク債コール第691回は1.28円、 米ドルリンク債プット第587回は1.70円でした。仮に投資資金をコールとプットにそれぞれ50万円を上限に投資した場合、コールは390,000ワラント(買付金額499,200円)、プットは294,000ワラント(買付金額499,800円)となります。
図2は7/25(月)から7/29(金)の買気配値と米ドル対円相場の終値の推移を示したものです。米ドル対円相場は7/29(金)の日銀イベントの後、円高が進行して102円台となりました。これに伴い、コールは下落し、プットは上昇しました。

出所:eワラント証券
図3は図2と同期間においてeワラント買気配値の終値で保有ポジションを時価評価したものです。イベント通過後の7/29(金)時点でコールのポジション評価額は買付金額比で7割ほど減少しましたが、プットのポジション評価額は買付金額比で8割ほど増加しましたので、トータルで見ると67,380円のプラスとなりました。日銀イベントにおいても両建て戦略が有効だったことが示されました。
このように、相場に大きな影響をもたらすイベントは両建て戦略が有効となる場合があります。日銀の金融政策決定会合だけでなく、今後のFOMCや雇用統計なども相場に大きな影響を与えるイベントになるでしょう。収益獲得の機会は相場が「上がる」、「下がる」と考えているときだけでなく、「大きく動く」と考えるときにもあるということです。
eワラントならではの両建て戦略で投資の幅を広げてみてはいかがでしょうか。

出所:eワラント証券
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今回のコールくん、プットくんの注目銘柄 |
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コールくんが選ぶ〜注目銘柄
先日発表されたアマゾンの4〜6月期決算は増収増益で好調を維持したね。アマゾンが提供しているクラウド事業が特に好調だけれども、アマゾンはこの分野で最大手だよ。IoT(Internet of Things)、「モノ」がインターネットを通じて情報交換することにより相互に制御する仕組みのことだけれども、これが世の中にふえるほど、インフラとしてクラウド事業は有望な分野として成長し続けると思うよ。
この銘柄は満期までの期間が長く、権利行使価格も株価水準より低いので、レバレッジは低め。eワラント初心者が株の代わりに投資するとしたら使いやすい銘柄だよ。
数ヵ月程度以上を想定しているよ。
株価がさらに上昇してこの銘柄が9円以上となったら売却を考えたいね。
- ※あくまでも目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
アマゾン・ドット・コムコール50回
アマゾン・ドット・コムコール51回
アマゾン・ドット・コムコール52回
アマゾン・ドット・コムコール56回
アマゾン・ドット・コムコール55回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。

プットくんが選ぶ〜注目銘柄
最近また原油の下落がニュースになっているね。石油輸出国機構(OPEC)の産油量も高水準を維持している模様で、世界的に需要が低迷しているのに供給は増えているという状況だね。OPECは減産する態度を見せていないので原油安のトレンドはしばらく続くと見ているよ。
原資産の下落を見込む場合はプットを買うことになるね。プット型は権利行使価格で売る権利のことなんだ。数ヵ月程度の下落を見ているので、満期までの期間が十分にあるこの銘柄を選んだよ。同じ満期日のプットは他にもあるけど、この銘柄は権利行使価格が高い、つまり高く売れる権利だよ。見通しが外れて原油価格が上昇してもリスクが低いね。そのかわり、買付単価は他の銘柄よりも高くなるね。
数ヵ月ほど。下落トレンドが継続する限り保有だよ。
10円前後が目標。もちろん想定より早く到達したら利食い売りを考えたいね。
- ※あくまでも目安であり、将来の運用成果等を保証するものではありません。
ブレント原油先物リンク債_2017年6月限プット3回
ブレント原油先物リンク債_2017年3月限プット3回
WTI原油先物リンク債_2016年9月限プット3回
WTI原油先物リンク債_2017年3月限プット4回
WTI原油先物リンク債_2017年3月限プット5回
- ※コメント作成時、eワラントホームページのアクセス状況に基づきます。
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- 本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
リスクについて
eワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株式・株価指数、投資証券(REIT)、預託証券、国債先物、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動、時間経過(一部の銘柄を除き、一般に時間経過とともに価格が下落する)や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与えるので、投資元本の保証はなく、投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります(ただし、eワラントの価格が極端に低い場合には、対象原資産の値動きにほとんど反応しない場合があります)。
ニアピンeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数や為替相場の変動や、時間経過(同日内を含む)など様々な要因が価格に影響を与えるので、元本の保証はなく投資元本のすべてを失うおそれがあるリスクが高い有価証券です。また、対象原資産に直接投資するよりも、一般に価格変動の割合が大きくなります。最大受取可能額は1ワラント当たり100円に設定され、満期参照原資産価格がピン価格から一定価格以上乖離した場合は満期時に価格がゼロになります。同一満期日を持つ全ての種類のニアピンeワラントを購入しても、投資金額の全てを回収することができない可能性があります。
トラッカーeワラント(カバードワラント)は、対象原資産である株価指数、通貨(リンク債)、コモディティ(リンク債)の価格変動や為替相場(対象原資産が国外のものの場合)など様々な要因が価格に影響を与える有価証券です。このため、投資元本の保証がなく、損失が生じる恐れがあります。トラッカーeワラントの価格は、eワラントに比べると一般に対象原資産の価格により近い動きをします(ただし、レバレッジトラッカーは同方向または逆方向に増幅されたような値動きとなります)が、任意の二時点間において対象原資産の価格に連動するものではありません。また、金利水準、満期日までの予想受取配当金及び対象原資産の貸株料等の変動によって、対象原資産に対する投資収益率の前提が変化した場合には、トラッカーeワラントの価格も影響を受けます。
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